転職先として人気の事務職は、座りながら仕事ができて体力的な負担が少ない仕事であるという見方が一般的な意見でしょう。

もちろん、立ち仕事や肉体労働に比べると楽な面も大きく、働きやすい仕事という意味ではおすすめしたい仕事です。

しかし、事務職だから必ず楽というわけでは決してありません。

転職先として事務職を選ぶ場合には、「事務職だったら楽」という考えにとらわれすぎず、しっかりと転職先を見極めるようにしましょう。

今回は、事務職でも気を付けたい、ハードワークにならないための転職先の選び方をご紹介していきます。

事務職でも残業時間が多いとかなりハード

事務職でも、定時で毎日帰ることができる仕事であれば、体力的な負担が少なく規則正しい生活もできるため働きやすいでしょう。

そのような事務職が多いからこそ、事務職という仕事は人気がある職種でもあります。

多少残業があったとしても、座ってできる仕事なので乗り切ることができます。

しかし、残業時間が毎日3時間以上になってくると話は別です。

定時が17時の会社であれば毎日20時退勤、それって普通では?と感じるかもしれませんが、日によっては22時を超えることも大抵は出てきます。

しかも、人間は連続して何時間も集中することができない生き物ですから、残業が3時間以上にもなれば日中の集中力を保つことができず、著しく生産性が落ちています。

そうなると、日中と同じ仕事をしていても進むスピードや精度が下がっているため、非効率になってますます退勤時刻があと倒しになるという悪循環です。

月のトータルの残業時間で見ても残業時間が3時間以上になるとかなり危険と言えます。

月の出勤日数を20日と計算すると月の残業時間は約60時間ですから、季節的な繁忙などで残業が少しでも増えればあっという間に過労死ラインの月80時間を超えてしまいます。

残業が当たり前になってしまうと、月の残業が100時間になるなど、決して珍しいことではないのです。

深夜まで働いて朝は早い

残業が深夜にまで及んだとしても、勤務時間が変則的で次の日の朝はゆっくり寝ていられるのであれば、睡眠時間を確保できるという点ではまだ良いかもしれません。

しかし事務職は大抵規則的な勤務形態で、次の日の朝もいつも通り朝から出勤しなくてはなりません。

そうなると、毎日睡眠時間が短くなってしまい、様々な病気を引き起こすことになります。

脳疾患や心臓疾患の他、うつ病などの精神疾患にもなりやすく、感情のコントロールが難しくなるとも言われています。

求人票に記載されている残業時間はあてにならない?

転職先の仕事として事務職を選ぶ場合には、求人票に記載されている残業時間には注意しましょう。

月の平均残業時間などが求人票に記載されていることは多いですが、あてにならないことも多いです。

事務職と言っても部署が様々で、全体の平均を取っている場合も多く、実際に働く部署の残業時間とはかけ離れていることがよくあります。

また、1年を通してならした場合の平均残業時間であって、繁忙期には想像以上の残業を強いられるということもよくあります。

事務職の場合、担当業務にもよりますが年末調整や決算処理、人事担当などは季節によって忙しさに大きな差があります。

1年を通してならせば長時間労働にならないとしても、これらの時期に毎日深夜まで働くのは相当体力的にキツイです。

多少繁忙時期に違いがあったとしても、忙しい時期でどれぐらいの残業時間になるのかは知っておくべきです。

そうでなければ、その時期を乗り越えることができず、「こんなはずではなかった。」ということになってしまいます。

転職先の残業時間を確認するときは、「実際に自分が働く部署の残業時間」と「最も忙しい時期の残業時間がどれぐらい継続するのか」を事前に確認しておくようにしましょう。

業務分担がしっかりとされているかがポイント

転職先の残業が多いかどうかを判断するポイントとして、業務分担がしっかりとされているかがポイントになります。

業務内容に一貫性がなく、「いろいろやる」という事務職だと覚えることが多い割に専門性が低くなる、広く浅い仕事になってしまいます。

小さい会社などは一人で全部やらなければならないこともあり、体調不良などがあったときも、1人に対する業務負担が大きいため代わりがいない状態になってしまいます。

また、業務内容によって繁忙期がずれてきてしまうため、一つの仕事の繁忙期を乗り越えても、また別の仕事の繁忙期がくるという風に、常に繁忙期ということになってしまいます。

それよりも、仕事の担当分けがしっかりとされていて、さらにその係が複数人いるという事務職がおすすめです。

いざというときに他にも担当がいるため1人あたりの負担が少ないですし、繁忙期が決まっているため1年の予定が立てやすいということになります。

事務職は給与に恵まれていないから賞与有にはこだわるべき

事務職は相対的に見ると他の職種に比べて給与はさほど恵まれてはいません。

体力的な負担が少なく高い専門性が要求されるわけではないことを考えると、仕方がないとも言えます。

しかし、少ない給与で生活していくのはやはり大変です。

そうなると残業を自らして残業代をあてにする人が増えてしまうのですが、それは本末転倒です。

やはり定時まではしっかりと集中して仕事をし、残業は極力やらないのが生産性が高く人件費を抑えることができるため、結果的に会社のためにもなる働き方でしょう。

もちろん残業しないことで体力的な負担が少なく長く働くことができます。

となると、やはりこだわりたいのは賞与有という点です。

たとえ給与が毎月生活できるギリギリのラインであっても、賞与があれば貯金をすることができますし、急な出費にも対応できます。

給与が毎月それなりにもらえて賞与がない会社よりも、給与は少し低めでも賞与がある会社の方が、年収ベースで考えると高いということはよくあります。

毎月の給与だけでなく賞与にもしっかりとこだわるようにしましょう。

残業時間が多くなく賞与がある事務職を探すなら転職エージェント

残業時間が少なく賞与もある事務職は探せばちゃんとあります。

ただ、元々事務職は人気の職種なので、そのような条件の良い求人はあっという間に枠が埋まってしまうというデメリットがあります。

ハローワークや求人誌などでこまめに探していくのは非効率と言えるでしょう。

そこでおすすめなのが転職エージェントです。

あらかじめ希望の条件やスキルなどを登録しておくことで、適切な求人が出たら紹介してくれますから探す手間が省けます。

また、実際の残業時間など自分では聞きにくいこともエージェントが希望企業に確認してくれます。

他にも転職活動の全面的なサポートを受けることができますので、ぜひ活用してください。

最後に

いかがでしたか?今回は、ハードワークにならない事務職の探し方をご紹介しました。

事務職でも長時間労働や業務負担が大きいとハードワークになってしまいます。

転職エージェントを上手に利用して、事前にしっかりと確認してから転職先を決めるようにしましょう。