ブラックとホワイトと分けられることが多い会社ですが、最も多いのはグレー企業です。

賃金未払いやパワハラなど明らかなブラック要素がなかったとしても、限りなくブラックに近いグレー企業の場合は、違法行為がないか、従業員のことを考えている会社なのかどうか確認する必要があります。

今回は、ブラックになり得る、気を付けたい会社の特徴をご紹介していきます。

業績が悪化しているのに役員が高級車を新たに購入した

会社全体として明らかに業績が悪化している、そして社員たちの給与減額やボーナスカットがあった場合には役員たちの様子をしっかりと観察しましょう。

役員たちの報酬は一般社員では確認することはできませんから、社員たちと同じく痛い思いをしているのかは怪しいものです。

業績が悪化してから役員が高級車を新たに購入したなどの場合、業績悪化をすべて社員たちにかぶせようとしている可能性があります。

これは家族経営の会社などに割とよく見られることで、残念ながら違法とまでは言えませんが、道義的には役員報酬の減額が先にされるべきです。

会社が危ないときでも社員よりも自分たちの贅沢を優先する、そのような会社がいざというときに社員を守ってくれるはずもありません。

残業代の計算が1日ごとに端数が切り捨てされている

残業代の計算をするときに、1日ごとに端数の切り捨てがされている方法は違法です。

例えば、1日の残業時間が1時間14分だった場合に1時間とすることはできず、14分に対しても残業代が発生することになります。

例外的に、月の残業代の「合計」の30分未満端数を切り捨て、30分以上の端数は切り上げにするという方法は、事務手続きの簡素化の意味でできるとされています。

しかし、日々の端数に関しては適用できないことを覚えておきましょう。

原則的に残業時間は1分単位で支払われるのが正しいのです。

これは、会社の事務員ですら勘違いしていることもあり、それが当たり前だと思ってやっている会社もあります。

しかし、残業代の未払い請求をされたら支払い義務が発生する可能性がある違法行為です。

会社の給与計算が正しく行われているかを確認するために、自身のタイムカードによる残業時間と実際に支払われた残業代が正しく計算されているかは、給与明細でしっかりと確認するようにしましょう。

有休を勝手に使われている、取らせてくれない

年末年始や夏期休暇の季節になると、なぜか有休を勝手に使われているということはよく聞かれます。

申請した有休は絶対に取らせてくれないけれど、有休残日数が少ないのであれば疑ってみましょう。

確かに有休には、「計画的付与」と言って5日を超えて付与した分に関しては計画的に付与させることは可能です。

しかしこれには労働組合や過半数労働者との協定が必要で、会社側だけの都合で勝手にすることはできません。

さらに就業規則にも記載が必要な事項ですから、就業規則を確認することも必要です。

計画的付与ではない場合、基本的に有休は労働者の自由意志のもと請求できますから、会社が勝手に使わせたり、取らせないということもできないのです。

有休に関しては、曖昧にしたり「捨てる」のも仕方がないと思う人が多いですが、お金と同じものだと考えるようにしましょう。

有休40日分を捨てることはできても、40日分の有休で得られる現金が例えば40万円だったと考えれば、簡単に捨てるべきではないと分かるはずです。

歩合給営業だから契約が取れなければ給与がほとんどない

営業に多い歩合給の場合、契約を多く取ることができれば給与に反映される代わりに、契約が取れなければ生活できないほど苦しくなる、というイメージがあるかもしれません。

成績次第なので給与が少ないのは自己責任で仕方のないこと、と思っている人もいます。

しかし、歩合の営業であっても雇用関係が成立している以上は、どんな雇用形態であっても最低賃金法が適用されます。

つまり、歩合給の営業が成績が悪い場合でも、最低賃金だけは保障されるということです。

意外にも勘違いしている事業主も多く、「景気が良いときは高い歩合を払っているのだから成績が悪ければ仕方がないだろう。」と最低賃金を考慮しないケースもあるのです。

自分が営業担当でも、自分以外の人が給与が低すぎて悩んでいる場合でも、最低賃金を下回る給与を出している会社はかなりまずいです。

他にも法違反を犯している可能性もありますから要注意です。

当てはまっていることが多い会社は脱出するのが正解

ここまでご紹介したことに一つでも当てはまっている会社=いわゆるブラック企業か、と言うと必ずしもそうではありません。

無知が原因で間違って行為をしていた場合、普通の会社であれば改善されるはずです。(もちろん、知らなかったら仕方がないということではありませんが。)

しかし、かなりの項目に当てはまる、わかっていてやっているという場合は危険信号です。

ブラック色が強く、従業員のことを大切にしない会社である可能性が高いです。

そのようなブラック企業からは、早めに脱出し健全なホワイト企業へ転職するのが身のためです。

自分の身は自分にしか守れませんから早速動き出すようにしましょう。

転職は転職エージェントを利用しよう

今の会社がやばいかも…そう感じても、できる限りは在籍中の転職活動をおすすめします。

もちろん精神的にも追い込まれているのであれば退職を優先すべきですが、余裕があるのであれば転職先を決めてから辞めるのがベストです。

在籍中の転職活動は大変だというイメージがありますが、転職エージェントを使えば大丈夫です。

転職エージェントは平日の夜は土日も利用できますし、あらかじめ希望の条件やスキルを登録しておくことで適切な求人を紹介してくれます。

わざわざ有休を取得して求人検索に行かなくても、効率よく職探しができます。

また、応募の段階でも、面接の日程調整や給与交渉などを応募者に代わって行ってくれるため非常に助かります。

転職エージェントは無料ですから、ぜひ活用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、気を付けたい会社の特徴をご紹介しました。

意図してやっているブラック企業なのか、無知なだけで改善の見込みがあるのかはしっかりと見極める必要があります。

どちらにしても、従業員のことを考えていない会社だと判断できた場合には、さっさと見切りをつけて転職する方が明るい未来が待っているのかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。