一人で仕事を抱え込み、誰にも仕事を任せない、手伝いを申し出てくれても断って残業するという行為を抱え込み残業と呼ぶことがあります。

抱え込み残業をする人はいつも忙しそうで、「いつも大変だね。」「頑張っているね。」と周囲から言われると嬉しく感じたり誇らしく思います。

また、自分にしかこの仕事ができないと思い込んだり、後輩に仕事を振ることで自分の居場所がなくなったりすることに不安を抱えているのが特徴です。

ある程度勤続年数がある中堅以上の社員に多い抱え込み残業ですが、実はデメリットが多いので早くやめるべきです。

忙しい自慢はもうやめましょう。

後輩が育たないことは会社にとって大きなデメリット

この仕事は是非この人に任せたい、そんな風に思ってもらえるぐらいに仕事ができるようになることはとても良いことです。

しかし、会社に雇われて仕事をするということは、オンリーワンの特別な能力を得ることではありません。

自分ができるようになった仕事を、後輩たちにどんどん教えていって育てていくことが求められるのです。

誰か一人が仕事を抱え込み、後の世代が誰もその仕事ができないということは会社にとっては大きなデメリットになります。

仕事を抱え込んでいる人は会社に貢献しているつもりでも、会社にリスクを抱えさせているということにもなるのです。

仕事を抱え込むといずれ周囲に迷惑をかけることが起きる

抱え込み残業をするような人は、大抵が仕事熱心で真面目だというです。

有休を滅多に使うこともなく、ほぼ40日分の有休が残っているという人も多いでしょう。

そのような人は、自分が体調不良であっても這ってでも会社にきます。

自分でも、休むことで周囲に迷惑をかけたくないと思っていますし、休まないということに誇りさえ持っているからです。

しかし、単なる体調不良ではなくインフルエンザなど休まなくてはならない場合もありますし、事故などで長期休業を余儀なくされることもあります。

また、家庭に不幸があった場合など自分の意志ではどうしようもないこともあるのです。

そのような事態が起きてしまったとき、周囲は本当に迷惑です。

それは、あなたが休むことでの迷惑ではなく、これまで仕事を抱え込んでこられたために、残された人が対処できないということです。

忙しそうに仕事をするあなたを見て皆帰りにくいと思っている

仕事を抱え込んで残業をする、抱え込み残業をする人は、周りが見えていません。

忙しそうに大量の仕事をこなすあなたの様子を見て、周りは帰りにくいと思ってストレスに感じています。

中には「手伝いますか?」と言ってくれる人もいるでしょう。

しかし、仕事を抱え込むタイプの人は「大丈夫です。」と言って手助けを断るのも特徴です。

手伝ってもらうということは、仕事を抱え込んで満足している人にとっては「仕事ができないと思われるのではないか?」という不安もあります。

また、実際に手伝ってもらうと、抱え込んでいる仕事が実は誰にでもできることも多いと周囲が気づいてしまうことにもなります。

今の仕事を抱え込むことで自分がステップアップできない

仕事を抱え込むということは、今のポジションを取られないという安心感につながるかもしれませんが、自ら成長する機会をなくしているということでもあります。

本当に仕事ができる人は、今の仕事ができるようになったらどんどん後輩たちに教えていき引き継いでいきます。

そして、自分の手元から仕事が離れていったら新たな仕事にチャレンジしていくのです。

仕事を人に引き継いで、やる仕事がないという状態になるのは怖いことです。

しかし、そこで新しい仕事を考えて生み出すことができる人が成長していく人なのです。

年齢が上がるほどに求められる人材育成スキルを磨くことができない

抱え込み残業をする人は、ある程度勤続年数があって、年齢的にもリーダーや管理職などとしての資質が求められる世代にきています。

しかし、後輩に自分の仕事を教えて指導してこなかった人は、人を育てるということができません。

人材育成というベテラン社員に求められるスキルがないのです。

仕事を抱え込むということは、そのスキルを磨くことができないというリスクがあると覚えておきましょう。

本当に辞めたいと思ったときに辞められなくなる

抱え込み残業をする人であっても、会社に不満を感じたり体力的にきつくなって心底辞めたいと感じることはあります。

また、女性であれば育児などの理由や、男女問わず介護など理由にしばらく休職したいという人もいるでしょう。

そうなったときに、これまで仕事を抱え込んできたツケが回ってきます。

辞めたいと思っても誰も他にできる人がいないから辞められない、休みたいのに引継ぎに時間がかかるから休めない、ということが起きてしまいます。

そうなってから引き継げば良いという考えは危険で、周囲の受け入れ体制が整っていない場合もあります。

抱え込み残業をやめて今の職場でできることがなくなったら?

抱え込み残業をやめて、後輩を育成し、もうこの会社でやれることはなくなったと感じたら、大きなステップアップのチャンスです。

後輩を育成し、リーダーとしての役割を果たしたあなたであれば、今後はリーダーや管理職としてのキャリアアップができます。

転職市場で、年齢がある程度いった人に求められるのは人を育てるスキルです。

後輩を育て上げたことは大きなアピールポイントになりますから、転職を考えてみることで年収アップも十分可能ですし、新たな可能性にチャレンジすることができます。

条件の良い求人は転職エージェントで探そう

人材育成能力のある人であれば条件の良い企業に転職することも十分可能ですが、条件の良い求人は応募者が殺到して締め切られてしまうのが難点です。

そこでおすすめなのが転職エージェントを利用した仕事探しです。

転職エージェントでは、あらかじめ希望の条件やスキルを登録しておくことで条件に合う求人をピックアップして紹介してくれます。

わざわざハローワークに出向いて求人探しをしなくても、新着の求人を常にチェックできますから、条件の良い求人を逃さないことができます。

最後に

いかがでしたか?今回は、抱え込み残業をすることのデメリットをご紹介しました。

仕事を抱え込んでの忙しい自慢に周囲はうんざりしています。

会社としてもリスクが大きいことなので、上司たちの悩みの種になっていることも考えられます。

仕事を抱え込んでも自分にメリットはありませんし、そのために残業をするなど本末転倒です。

自分自身を客観的に振り返り、大きくステップアップするためにも、抱え込み残業をやめるという選択をしましょう。