接客という仕事を転職先として検討している人の中には、「未経験でもできる仕事だから」という理由を挙げる人がいます。

確かに接客業は特別な資格もいりませんし、年齢も問いません。

そういう意味ではこの理由、間違っているとは言えないのですが、実は様々なリスクをはらんでいます。

今回は、「未経験でもできる仕事だから」という理由で接客業を選ぶことはどんなリスクがあるのかについてご紹介していきます。

接客業を仕事として選ぶ理由は何?


接客業を仕事にしている人はどんな理由で接客業に就こうと思ったのでしょうか?

様々な理由がありますが、以下のような理由が多いです。

  • 人が好き、人と話すことが楽しいから
  • いろいろな人がいて仕事に変化があると思ったから
  • 相手の心を開いたときの達成感ややりがいがあると思ったから
  • お店の人に憧れて
  • 未経験者にでもできる簡単な仕事だと思ったから

などなど…。中には理由なんてないけどたまたま見つけた仕事が接客業だった、なんて方もいます。

色々な理由がありますが、基本的には接客という仕事に対して良い印象を持って始めたという前向きな理由と、誰にでもできる仕事だと思った、それしか選べなかったなど、妥協して始めたという理由に分かれるようです。

前向きな理由であればもちろん良いのですが、今回お話したいのは妥協して始めたというケースの危険性についてです。

その理由で接客業を始めても幸せな職業人生を得ることができない可能性がありますから、転職先として接客業を考えている場合には、その危険性を知っておきましょう。

接客業は奥深い!簡単にできる仕事ではないと知ろう

接客業は非常に奥深い仕事で、数ある仕事の中でも、「できる人とできない人」の差が激しい仕事とも言えます。

コンビニの店員さんを例に取ってみても、単なるレジ打ち係で終わっている人と、客から見てもありがとうとお礼が言いたくなるような感じの良い接客をする人がいて、素人目でも分かるぐらい接客レベルに差があります。

特別な資格や学歴も不要な接客業ですが、接客業界に入ることと、接客ができるということは別なのだと覚えておきましょう。

その分、仕事のスキルに天井がありませんから、自分の可能性を極めたいという意識の高い人にとってはやりがいがある仕事とも言えます。

誰にでもできそうと考えているとギャップを感じやすい

接客業を「誰にでもできる仕事」という風に捉えている人は、転職した後に仕事の大変さを知り、自分の考えの甘さに気付くことになります。

世の中には色々な人がいますから、想像以上に「変な客」や「怖い客」もいます。

理不尽なクレームを言ってきたり、自社とは関係のない商品説明を求めてくる客もいます。

仕事がマンネリしないという意味では変化があって楽しいとも言えるのですが、簡単な仕事だと思っていた人にとっては対処できない場面もでてくることでしょう。

思っていた以上に大変だった接客業が段々苦痛になり、辞めたいと考えるようになってしまうのです。

「未経験者歓迎」は辞める人も多いことの表れ


接客業の求人を見ると「未経験者歓迎の仕事」というフレーズをよく見かけます。

応募者にとっては門戸が広いことはチャンスを得やすいというメリットがあるのですが、注意も必要です。

このフレーズは裏を返せば「とにかく人手が欲しい」ということです。

応募者を限定してしまうとその分応募が少なくなってしまい人材を確保できませんから、門戸を広げることによって人材不足をカバーしたいという意図があります。

新店オープンなどで人手が欲しいのであればわかりますが、既存店で未経験者歓迎は少々慎重になるべきです。

人手が不足しているということは仕事が大変、給与が低いなどの理由で離職者が多いということも考えられます。

猫の手も借りたい状態の職場に転職しても、ハードワークは目に見えていますし、離職者が多い職場にはそれなりの理由もあります。

転職を決める前に「なぜこの店は人手不足なのか?」についてしっかりと下調べをする必要があるでしょう。

接客業はハードな仕事と覚悟は必要

接客という仕事は、どんなに優良なホワイト企業であっても、仕事そのものは体力を使いますから大変です。

基本的には立ち仕事が多いですし、商品搬入などで重たいものを運ぶこともあります。

掃除や片づけ作業も楽な仕事ではありません。

人と話しているだけが接客業ではありませんから、それも踏まえて接客業の仕事内容をイメージしておくようにしましょう。

いくら人と接することが好きでも、体力がなかったり体を使う仕事が苦手というのであれば、仕事として続けていくことは難しいでしょう。

別職種からの転職なら一時的な年収ダウンは覚悟しよう

転職を考えるときに、収入アップを目指すという人は多いでしょうが、別職種から未経験で接客業へ転職する場合には一時的な年収ダウンはときに覚悟が必要です。

もともと接客業は相対的に給与が高い仕事ではありませんし、賞与や退職金などがない個人店も多くあります。

まして未経験であれば、そこで活躍できるかどうかは経営者にとっても働いてもらわなければわからないという不安要素がありますから、年収アップにこだわるのは無理があります。

接客業を極めることでエリアマネージャーになったり将来的に独立するなどし、長い目で見れば収入アップは可能です。

しかし、転職直後の収入ダウンは許容し、将来につなげるための転職という位置づけが必要になります。

サービス残業が慢性化している業界だからこそ求人選びは大切

接客業界はサービス残業が当たり前と言われる世界です。中には職場に寝泊まりしたり、あまりにきついシフトを組まされることもあるなど、いわゆるブラック企業も多いと言われています。

未経験でこの業界に転職した場合は、その働き方が当たり前なのかもと勘違いしてしまうことがあり、我慢して働き続けてしまう人がいます。

サービス残業もきついシフトも当たり前のことではありません。

求人をしっかりと見極めて適切な企業での接客を叶えるようにしましょう。

ブラック企業を避けるには転職エージェントの利用がおすすめです。

企業審査がしっかり行われている転職エージェントであれば、法違反を犯しているような企業や評判の悪い企業を避けて良い求人に巡り合えることができます。

様々な転職ノウハウを提供してくれる転職エージェントをぜひ活用して求人選びを行いましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、「未経験でもできる仕事だから」という理由で接客業を選ぶことのリスクをご紹介しました。

接客業を選ぶ理由がこれしかないという人は、本当に接客業で働けるのか、頑張り抜く覚悟はあるのかなど、自己分析をやり直してみることをおすすめします。

その上でこの仕事を選んでこそ、転職も成功につながることでしょう。