女性向けによく聞かれる質問として、「仕事と家庭との両立ができますか?」というものがあります。

こういった女性に限定される質問は年々減ってきてはいるものの、実際の面接ではまだまだ受けることがあります。

いざ聞かれたときに慌てないためにも、どう答えるべきか対策を立てておきましょう。

面接官はなぜこの質問をするのか

そもそも面接官はなぜこの質問をするのでしょうか?

応募者を不快にさせたいと思って質問する面接官は稀で、企業の人事担当としての事情があるのです。

仕事をする環境を準備してある人かを確認したい

家庭の有無にかかわらず、仕事ができる状況になってから企業に応募するのは大切なことです。

例えば自分自身がケガや病気療養中の場合、まずは治してから応募しないと、具体的な採用見込みが立てられず人事担当者も困ってしまうでしょう。

家庭がある女性にとっては、仕事と家庭が両立できる環境を準備しておくのが最低限必要なことです。

家事も育児も全部自分で受け持ってとにかく頑張ろう、それでは早い段階で負担がのしかかって潰れてしまいます。

仕事で言うところの危機管理能力がないということになります。

事前に家族とよく話し合っておきましょう。

面接官としては、会社にいるときは仕事に専念できる環境を準備してある人かを確認したいのです。

両立が大変だったから辞めるということを避けたい

企業の採用活動や退職にかかる手続きには、時間も労力も人件費もかかります。

入社から退社までの教育や指導にも人材を投入することになるでしょう。

人が辞めるということはそれだけで企業にとって大きな損失なのです。

採用するからには長く働いてほしい、どんな面接官であってもそう思います。

ですから、できる限り辞める可能性を排除しておきたいのが本音というものです。

「なんとかなるや。」と仕事をしてみたものの、やっぱり仕事と家庭の両立が大変だった、それで辞められてしまっては企業の損失は大きいです。

仕事と家庭との両立に関する質問は、プライベートも関わってくるため答えたくないと感じる人もいるかもしれません。

しかし、企業側の立場に立って真剣に考えるということも大切ではないでしょうか?

仕事と家庭との両立についてどのように答えるべきか

「仕事と家庭との両立ができますか?」という質問に対しては具体的にどのように答えていけば良いのでしょうか?

現在の状況や退職理由などによっても若干異なりますので、状況別の回答例をご紹介していきます。

新婚、子なし女性の場合

結婚したばかりで子供がまだいないという女性に対しては、子供ができたときに家庭と両立ができるのかを聞いておくことがあります。

その場合は、業務に支障をきたさないよう両立できる環境が整っていることをアピールし、長く続けるという意志を伝えるようにしましょう。

<回答例>

「現在妊娠の予定はありませんが、家庭と仕事については夫婦で話し合ってあり、子供ができても長く働き続けるということで意見が一致しています。

そのため夫は家事に協力的で、私だけの負担が大きいということはありません。

また、実家の両親や姉夫婦も近くに住んでおり、いざというときに頼ることもお願いしてあります。

家族の理解と協力が得られる状況ですので、例え子供ができても十分に両立が可能であると考えています。」

結婚や出産を機に退職した経験がある女性の場合

仕事と家庭の両立を問う質問は、結婚や出産を機に退職した経験がある人に投げかけられることがあります。

この場合は、二人目出産など、同じ理由で辞めないということをアピールする必要があります。

答え方のポイントとしては二つです。

一つ目は、結婚や出産を機に辞めたときは、状況が整っておらずやむを得なかったということ。

そして現在はその状況が解消しているため、同じことが起きても今度は辞める必要がないということです。

<回答例>

「はい、問題ありません。

子供の出産の際は、家族の状況が整わず協力が難しかったため、やむを得ず退職を選びました。

しかし私自身、子育てをしながらでも仕事をしたいと考えていたため、協力が得られるように主人と主人の両親、実家の両親たちと協議を行いました。

現在は皆喜んで家事・育児に協力してくれていますから、例え将来二人目の出産があっても、しっかりと仕事と家庭の両立ができるものと確信しています。」

結婚の予定がない未婚女性の場合

未婚女性に対しては、結婚の予定や付き合っている人の有無、結婚した場合の両立についてなど形を変えてなされることがあります。

結婚の話がでているような相手であれば伝えておくのが無難ですが、そうでなければ個人的な情報なので敢えて伝える必要もありません。

正直に伝えたいかどうか自身の価値観に照らしあわせて答えれば良いでしょう。

<回答例1.>

「お付き合いをしている人はいますが今のところ結婚の予定はありません。

例えそうなったとしても結婚してからも仕事を変わりなく続けていくつもりですし、二人で話をしたときも夫婦共働きで協力していくという双方の意志を確認しました。」

<回答例2.>

「現在お付き合いしている方はいませんが、結婚しても仕事を続けたいと思っております。

将来結婚を考えるのであれば、仕事に理解のある方を探したいと思います。」

質問に答えるときのポイント

正直自分でも仕事と家庭との両立ができるのか不安、やってみなければ分からないと感じている人も多いでしょう。

そんな風に将来のことに自信が持てないという場合でも、現時点での意志をはっきりと伝えるようにしましょう。

そもそも将来のことを100%答えるのは無理というものです。

面接官もそれは分かった上で聞いてきているのですから、面接の時点で曖昧ではかなり不安が残ってしまいます。

「恐らく」や「多分」など曖昧な言葉を使わず「はい。」「大丈夫です。」などと言い切るようにしましょう。

この質問は自分自身に投げかけておくべきものでもある

そもそもこの質問は、誰かに聞かれる前に自分自身に投げかけておくべきものでもあります。

両立させる覚悟がない、配偶者の理解があるなど状況が許すのであれば家庭に専念するのは決して悪いことではありません。

覚悟を持って両立させたいと思うのであれば、事前に応募先企業の支援制度の有無について調べたり、配偶者と仕事について話し合っておき、家事や育児の分担を決めておくなどしましょう。

転職先を探すときに転職エージェントを利用すると、支援制度が充実していて仕事と家庭の両立がしやすい企業が見つけやすくなります。

最後に

いかがでしたか?今回は、「仕事と家庭の両立について」の質問の意図や答え方をご紹介しました。

不確定な将来のことを聞かれるのは答えにくいと感じるかもしれません。

しかし、面接官の意図を理解した上で答えて不安をなくしてもらうことで、よりよい企業への転職が叶うようになります。

ぜひ参考にしてみてください。