企業が転職者に求める資質として「コミュニケーション能力が高いこと」がよく挙げられます。

未経験で知らないことが多くても、高いコミュニケーション能力があれば採用に至るというケースもあるのです。

面接でも、コミュニケーション能力を確かめるための質問を投げかけられることが多いですから、事前にそのような質問を想定して対策をしておきましょう。

では、どんな質問が考えられるのか見ていきます。

「上司や先輩からどんな評価を受けていましたか?」

前の会社で上司や先輩たちからどんな評価を受けていたのかを具体的に説明できる人は、自分を客観視することができ、悪い点は修正していくことができます。

コミュニケーションは他者と自分とがなければ始まりませんから、独りよがりになっていないかを見るための質問です。

上司や先輩から指摘されて努力したことや、反対に褒められた点はどんなところなのか、具体的なエピソードを交えて話すようにしましょう。

「後輩や同僚から悩み事を相談されることがありますか?」

後輩や同僚が人に悩みを相談するときは、「自分の気持ちを分かってくれる」「言いたいことを理解してくれてアドバイスをくれたり黙って話を聞いてくれる」相手を選びます。

質問を重ねることで相手を理解しようとするタイプや、雰囲気で察してしまう高レベルの読み取り力があるタイプもいますが、相談を受けやすい人は総じてコミュニケーション能力が高いものです。

相談しても言いたいことが伝わらずイライラしてしまうような人には、誰も相談しないでしょう。

相談される機会が多い人は、聞く力がある、相談しやすい雰囲気を作るなど、コミュニケーションへの意識も高く工夫もできる人が多いです。

相談されることが多いという人は、どんなことを相談されるのか、どんな風に答えるようにしているのかなど具体例を挙げるようにしましょう。

「チームワークを保つ上で大切にしていることはありますか?」

周囲と協力して仕事をすすめることに抵抗がないタイプか、それとも一匹狼タイプで黙々と作業することが向いているのかを見極める質問になります。

日頃からチームワークの大切さを理解し、コミュニケーションを取りながら仕事をしているという人は、相手の意見を否定せずに聞いてみるなど相手視点に立った考え方ができています。

反対に、一人でやる方が楽だという場合は、周囲から浮きやすい、人に仕事を頼めずに抱え込んでしまうなど、コミュニケーションスキルが足りずに問題となることがあります。

漠然とした質問

意図が分かりにくい漠然とした質問については、応募者から「〇〇ということですか?」と聞き返してみることも必要です。

ビジネスでは、社内外の人とやり取りをする際に、相手の聞きたいことがくみ取れず、意図を確認してから答えるなどの「聞き出す力」が求められる場面が必ずあります。

困るのは「〇〇のことを聞きたいのだろう。」と勝手な予想で答えたり、相手が何を知りたいのかわからないから、的確な相手につなげることができず相手を怒らせてしまうことです。

質問の意図を瞬時に判断する理解力も必要ですが、言葉を言い換えて聞き返すなど、正しい意図を確認できるのもコミュニケーション能力の一つです。

仕事以外のことを聞かれることもある

面接では、ある程度想定される質問も多いですから、定番の質問に対して答えられるのはある意味当然で、それだけでコミュニケーション能力のすべてを図ることはできません。

ときには変化球の質問や、仕事以外のことを聞かれることもあります。

そうなったときに動揺せず、その場で考えて感じの良い回答をするようにしましょう。

例えば「週末はどこかに出かける予定がありますか?」など、普段のプライベートの会話のようなことを聞かれることもあります。

仕事とは関係のないことだからといって急にフランクな話し方をしたり、ベラベラと好き勝手に話し出すようではいけません。

それでは「なるほど、普段のコミュニケーションはこういう感じなのね。」と思われてしまいます。

想定しない質問に対しても要点をまとめてわかりやすく話すのは同じことです。

面接全体を通してコミュニケーション能力を判断されている

面接全体を通して行われる様々な質問では、質問の意図を理解し、伝えたいことを要約して的確に相手に伝えることができているか、という点を見られています。

それぞれの質問に対して結論から伝える、そのあとに根拠となる具体例を述べるなど伝え方に工夫があることも大切です。

社会人として求められるコミュニケーション能力は、アナウンサーのようにスラスラと話すことでも、人前でも緊張しないということでもありません。

相手の意図をくみ取り、相手が聞きたいことをわかりやすく答える、ことが大切で、コミュニケーション能力がある人とは会話をしていても違和感が感じられないものです。

コミュニケーション能力があるかどうかは、面接全体で判断されていると意識するようにしましょう。

コミュニケーション能力があるというアピールには気を付けて

面接で長所や強みを聞かれた際に、「コミュニケーション能力があります。」と答えてしまう人がいます。

これはかなり注意が必要なアピールポイントで、単にコミュニケーション能力があると自分で思っているだけでは足りず、なぜそう思うのか、具体的で客観的な意見はどうなのかなど掘り下げて話す必要があります。

その際、初対面の人ともすぐに仲良くなれるなど、学生のお友達作りのようなことは具体的なエピソードにはなりませんので気をつけましょう。

あくまでもビジネスの場でどんなコミュニケーションスキルを発揮したのか、実際にどんな評価を受けたのかの具体例が必要です。

コミュニケーション能力が高いかどうかは、自分で判断できることではなく、他者評価が大きく関わることでもあります。

いくら自分で高いと思っても、面接を通して「何が言いたいのか分からない人」と思われてしまっては何のアピールにもなりません。

転職エージェントと面接対策を行っておくなどして、第三者から見たコミュニケーション能力の高さを確認しておくようにしましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、コミュニケーション能力を確かめるための質問をご紹介しました。

コミュニケーション能力は、どの業界、業種でも求められるものです。

日頃から仕事の場でのコミュニケーションを意識するなどして、磨いておくことも大切です。