求人内容を見ると、選考方法に筆記試験と書かれている企業が意外と多くあります。

選考の一つですから安易に考えすぎて対策をしないのは禁物ですが、筆記試験と聞いただけで応募のハードルが上がってしまい、せっかく気になる企業でも応募しない人もいます。

筆記試験と言っても大学入試のようなレベルの高いものばかりではありませんので、あまり構えすぎることなく対応していきたいものです。

筆記試験の内容や対策方法などを知っておくだけでも、「筆記試験があるなら自分には無理」と思わずに積極的にチャレンジできるようになります。

そこで今回は、筆記試験の目的や種類、対策方法などをご紹介していきます。

筆記試験がなぜ行われるのか

筆記試験を実施する目的は企業によって異なります。

応募者数が多い人気企業の場合、応募者をふるいにかけるために行うこともあります。

どんなに経験豊富で転職先で活かせるスキルがあるという人でも、筆記試験が面接までの条件であれば即アウトという場合もあるのです。

また、筆記試験の内容と面接や経験の有無などを総合的に考慮して採用を決定する場合もあります。

この場合の筆記試験は「最低限の常識があるのか」程度で、筆記試験の結果がさほどよくなくても内定をもらえることもあります。

どちらにしても、筆記試験がある企業の内定を確実に勝ち取るためには、筆記試験対策が必須と言えるでしょう。

筆記試験にも色々ある。種類や対策をご紹介

筆記試験と一口に言っても、内容や出題形式などが企業によって異なります。

それによって対策方法も異なりますので、求人の内容を見てどんな筆記試験なのかを確認するようにしましょう。

一般教養、時事問題などを問う試験

何が出題されるのか分からない試験ではありますが、一般的には漢字や言葉の意味、文章読解力を問う問題、数学の計算問題、場合によっては英語の問題もあります。

また、最近のニュースについてなど、時事問題を聞かれることもあります。

対策としては市販の参考書や問題集を買って勉強をしておく、日頃から新聞やニュースをよく読んでおくようにするなどが考えられます。

専門分野での知識を問う試験

一般常識的なことではなく、その分野に特化した知識を問われる試験もあります。

例えばある企業の経理事務の募集では、簿記の知識や原価の計算方法などを主に問われる試験が実施されました。

このような専門的知識を問う場合は、大抵、資格要件があったり、経験年数〇年以上など、経験者を募集してあるケースです。

未経験でチャレンジするには、かなりの勉強が必要だと覚悟しておきましょう。

経験豊富な人であっても、試験の問われ方によっては慌ててしまったりして対応できないこともあります。

また、仕事をすすめながら知らず知らずのうちに身につけた知識については、いざ披露となっても形にできないことがあります。

対策としては、自分がこれまでやってきた業務を見直し、必要な知識を明確化するという作業が必要になります。

論文形式も出題もあり

論文形式の試験については時間がかかることもあり、試験会場で行われる場合はそれほど多くはありません。

ただ、面接と同じ日に小論文試験がある場合がありますので、あらかじめ応募要件などを確認しておきましょう。

また、事前に課題が決められており、それについてまとめたものを応募書類と一緒に提出を求められるというケースもあります。

論文形式の試験が比較的多い民間企業は教育関係や出版業界、特に編集者などがあります。

もちろん経営者の方針によっては、どの業界や業種でも論文試験の可能性はあります。

対策としては公務員試験用の論文対策本や、業界に特化した対策本があれば購入して練習しておくことです。

日ごろから多くの文章に触れ、構成や要点のまとめ方などコツをつかんでおくことも大切でしょう。

性格適性検査

性格適性検査は、転職の採用過程でも多く利用される検査になります。

問題集などで対策を立てることはできませんが、嘘はつかない、回答にブレがないようにするなどの意識は必要です。

時間制限が設けられており「深く考えずにお答えください。」など指示されることもあり、日頃の考え方を見たいという意図が感じられます。

性格適性検査では、自分の素を出さず、企業の求める人材に沿った回答をすべきという意見もあります。

しかし、それに関しては、内定はもらえたとしても転職後に苦労する可能性もありますし、適性がない部署へ配属される可能性もあります。

転職活動を始めた段階で、しっかりと自己分析を行い、自分の適性に合った企業に応募していれば、性格適性検査で敢えて相手に合わせるようなことをしなくとも、さほどかけ離れた回答にはならないはずです。

嘘をつくことはおすすめしません。

実際に応募した人や合格者に対策を聞いておくのも手

筆記試験については、各企業によって内容も合格基準も異なりますから、完璧な対策というのは難しい側面があります。

ただ、実際にその企業に応募した人や合格者に対策を聞いておくのは一つの効果的な方法です。

同じ企業でなくても、その業界内でよくされる試験というのもありますから、業界事情に詳しい人に聞いてみても良いでしょう。

知り合いにいないという場合でも、最近はインターネット上で公開している場合もあります。

また、転職エージェントであれば、転職希望者の応募が終わった段階でアンケートを取ったり、事後に応募者と話す機会もあって、同じ企業の応募者から聞いた企業情報を持っていることがあります。

筆記試験対策について聞いてみても良いでしょう。

筆記試験が振るわなくてもチャンスがある場合も

筆記試験と面接が同時に行われている場合は、筆記試験だけの結果で選考しているわけではありません。

ましてや、筆記試験の後日に面接が行われた場合は、筆記試験で落とされる可能性は極めて低いと言えます。

筆記試験が振るわず絶対に落ちたとがっかりしてしまう人がいますが、その後の面接でやる気を失うのだけは避けるようにしましょう。

面接をしてもらえるということは、面接の結果で採用に至る可能性があるということです。

精神的な落ち込みを引きずらず、いつも通りの自分が出せるようにしましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、中途採用でも意外に多く行われている筆記試験対策をご紹介しました。

何が出題されるか分からないとは言え、対策をしておくのとそうでないのとでは結果に大きな差があります。

面倒がらずにしっかりと対策を行っておくことをおすすめします。