転勤の可能性があることは入社時に分かっていたとは言え、ある日突然下される転勤辞令には妻としては少なからず動揺することでしょう。

専業主婦であれば問題ありませんが、今は夫婦共働きが当たり前の時代、妻の転職活動をどうするのかという問題に直面する夫婦は多くいます。

これは、夫婦そろって考えていきたい問題です。

転勤先での転職活動の方法や求人探しのコツ、面接での対応などをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

妻が今の仕事を手放さない方法も一度検討してみる

「夫の転勤=妻がついていく」という方式は誰にでも当てはまるというものではなく、夫婦の考え方や現在の仕事の状況によっても異なります。

例えば交通の便などを考えて行き来しやすい場所への転勤であれば、単身赴任で週末に会いにいくという選択肢もあります。

早急に妻が今の仕事を手放すのではなく、一旦単身赴任を始めてみてから慎重に考えてみても良いでしょう。

また、妻の勤務先にいくつも支社があり、異動が可能というケースもあります。

それであれば、異動が認められるまでしばらくは別居するというのであっても頑張れるかもしれません。

さらに言うと、妻の方が収入面、仕事の責任ともに高い、夫が元々今の会社に不満があったという場合などは、妻は辞めずに夫が転職活動をするという方法もあります。

特に女性は出産や育児による職場離脱を懸念される、事務職などの職種に人気が集中しやすいなど、転職活動のハードルは高めです。

場合によっては男性の方が転職がしやすいという一面もあるということです。

必ずしも妻が仕事を辞めるという選択肢しかないというわけではありませんので、一度夫婦でよく話し合ってみましょう。

地域の特性を知りキャリアに一貫性を持たせること

夫の転勤が決まってついていくという意志が固いという場合は、転勤先の地域の転職市場について調べておく必要があります。

実際の転職活動は引っ越ししてからでないと難しいかもしれませんが、インターネットなどで研究しておくことはできます。

地域によって製造系、医薬系など強い分野というものがあり、その分野の中で自分の経歴・スキルを活かせる仕事を探すというのも転職活動がスムーズにいくための一つの方法です。

業界が変わる可能性はありますが、職種や関わる仕事の領域に共通点が多いようであれば、今後のキャリアを考えても一貫性を保つことができます。

夫の転勤によって転職を余儀なくされるという場合でも、本人のキャリアは一続きと考えておく方が好ましいです。

再度の転勤で地元に戻ってきた場合などに、「雇用形態や業界は変わっても携わってきた仕事に一貫性がある」ということであれば、再び正社員として転職活動を行っていく上でも役に立ちます。

また、都内で総合職として働いていたような方は、同じような形態で働ける求人が地方にはないというケースもあります。

転勤先で求人探しを始めてから「こんなはずではなかった。」「なぜ私がキャリアを捨てなければいけないのか。」と感じてしまう人は少なくありません。

今の会社を辞める前に転勤先の転職市場をリサーチしておくことが大切であると同時に、自分はどんな職業人生を歩んでいきたいのかをじっくり考えておくことが必要です。

夫の転勤で退職した場合は質問の答え方に注意

前職の退職理由として夫の転勤を挙げた場合、企業が気にする可能性があるのは「また夫の転勤で辞めてしまうのではないか?」という点です。

企業側の不安材料を払拭するために、今は転勤の可能性がないということを伝えて安心してもらう必要があります。

とは言えいつ転勤があるのかはわからないというものですし、絶対にないとも言いきれません。

当たり障りのない回答としては「今のところ転勤の予定はございません。」というものです。

あらかじめ何年後に転勤が決まっているというのであれば嘘になってしまいますが、今後のことはわからないという場合はこう答えましょう。

ただし、この後には必ず応募先への熱意を伝えるようにしたいものです。

どんな立場の人でも、様々な理由で辞めてしまうリスクはあるというもので、100%辞める可能性がないという人は存在しません。

人事担当者もある程度そのリスクを許容していますし、熱意が伝わればリスクを承知の上で雇ってくれる企業もあります。

夫婦でしっかり話し合い、再度の転勤の場合は単身赴任も視野に入れているということであれば「夫と話し合ってあって、再度の転勤の際は別居を考えています。」と伝えれば応募先への熱意が伝わります。

確実に数年後の転勤が決まっていてその都度ついていく予定であれば、業務内容に一貫性を持たせた上で、契約社員や派遣などを選択するということも必要になります。

また、本来、配偶者の転勤の有無は応募者本人の能力とは一切関係のないことなので、それを理由に採用を見送るということはしてはいけないことです。

スキルや能力が十分にあれば、夫の転勤予定を深く突っ込んで聞いてくる企業ばかりではありません。

自分の強みを明確にしてアピール方法を工夫する、諦めずに転職活動を続けていくことも必要です。

転職エージェントを利用した転職活動なら転勤先の仕事探しも楽

転職活動には様々な方法がありますが、転勤先での仕事を探すならあらかじめ転職エージェントを頼っておくべきです。

そもそもハローワークを利用するには引越ししてからの活動が前提になってしまいますし、現住所のハローワークで県外求人を探すのは簡単ではありません。

ハローワークは地元企業への還元意識が強いですし、県外求人自体が少ないということもあります。

同じく求人誌も地元に密着していますから、引越し前に求人を探すということは難しいです。

転職エージェントであればインターネットを利用して全国の求人が探せますし、あらかじめエージェントに相談しておくと転勤先の転職市場の状況などを教えてくれます。

引越しした後に転職エージェントに登録し「この地域では希望の条件に合う求人がない」と言われるより、あらかじめ情報を仕入れておいてから対策を立てていく方が良いでしょう。

引越し後にのんびり求人探しをし無職期間が長引くよりも、転職エージェントで求人探しをしておいて、面接のときだけ転勤先に訪れるという方法を取りたいところです。

応募先企業としても「計画性があってリスク管理能力の高い人」と思われます。

最後に

いかがでしたか?今回は、夫の転勤が決まったときに妻が転勤先で転職活動をする方法や求人探しのコツ、面接での対応などについてご紹介しました。

大切なのは行動に移す前に夫婦で話し合うこと、転勤先の状況などを事前に知っておくなど慎重な姿勢で転職活動を行うことです。

ぜひ参考にしてみてください。