タクシー運転手の仕事は未経験者にも門戸が広く、比較的採用されやすい業界だと言われることがあります。

しかしタクシー業界の現状は厳しい面もありますから、優良な企業であればあるほど応募者の質を見極めようとして採用のハードルが高くなります。

今回は、タクシー運転手の面接での注意点やアピールポイントをご紹介しますので、転職活動の参考にしてみてください。

第一印象は非常に大切。身だしなみと挨拶に気をつけて

タクシー運転手はなんといっても第一印象が大切です。

面接では身だしなみや姿勢に十分気をつける必要があります。

タクシーの乗客は幅広い年齢層ですから、どの年代にも対応できるような身だしなみを心がけましょう。

スーツはダークカラーが基本で、シワや靴の汚れなど細部にまで気を付けてください。

最近は女性のタクシー運転手も増えていますから、フットワークの軽さや活動的な雰囲気をアピールするためにパンツスーツで臨むのも良いでしょう。

また、タクシー運転手の仕事は1回の拘束時間が長く体力的にきついという場面もあります。

年配の方が多いというイメージですが、腰痛などを慢性的に抱えている人も多いので健康であることが大切です。

面接前日は睡眠をよく取って、背筋も伸ばし健康的でハツラツとした印象を与えるようにしましょう。

未経験だからと言って不安に感じる必要はない

タクシー運転手というと地理に詳しくないと無理とか、高い運転技術がないとなれないとか、未経験では難しいという印象を持つ人もいるかもしれません。

しかし、タクシー運転手の多くは未経験からのスタートで、前職は全く自動車の運転とは関係ない仕事に就いていたといいう人も少なくないのです。

面接では未経験者だからと言って不安になりすぎることなく臨むようにしましょう。

とは言え社会人経験ゼロの新卒ではないのですから、これまでの仕事の経験やスキルなどをアピールして「こんなことがタクシー運転手として活かせます。」ということを伝えることが大切です。

特にコミュニケーションスキルや接遇スキルなどに長けている人が求められます。

これまでの経歴の中からアピールできるエピソードなどを探し出し、タクシー運転手としての適性があると面接官にイメージしてもらえるようにしましょう。

英語に取り組む姿勢をアピールしよう

2020年の東京オリンピックを控え、タクシー業界を始めとする観光やサービス業界は活気づいています。

これは何も都内に限ったことではありません。

東京オリンピックをきっかけに日本の良さを知ってもらえれば、外国人観光客が益々増えて全国各地のタクシー会社に良い影響を与えることが考えられるのです。

国内のタクシー利用者の需要は頭打ち状態にあり、各タクシー会社で工夫をしているとは言え厳しいものがあります。

しかし外国人観光客についてはまだまだ伸びしろがある市場なので、英語力や英語を学ぶ姿勢などが評価されます。

英語翻訳機能などがついているタクシーもあるとは言え、運転手が実際に話せるほどの安心感や感動には勝るものはありません。

「英語なんて話せないよ。」という人でも、身近な英単語を覚える工夫をしているなど少しずつでも努力している姿勢を見せることが大切になります。

接客業であるということを意識して面接に臨もう

他の国にはない日本の魅力の一つに「おもてなしの心」があると言われています。

タクシー業界の生きる道もまさにそのおもてなしの心です。

国内外の乗客問わず、高い接遇レベルや心のこもったサービスに感動するという人は多いものです。

面接でも、あくまでもタクシー運転手が接客業であるという意識を大切にして、丁寧で物腰の低い対応を心がけるようにしましょう。

また、タクシー運転手は乗客が目的地までどのルートを希望しているのか、目的地の聞き間違いはないかなど、コミュニケーションにおいて慎重さが求められる仕事でもあります。

人の話を最後まで聞かない、質問に対する答えが遠まわしで分かりにくいなどは、コミュニケーションスキルを疑われることになりますので気をつけましょう。

面接官の質問に対しては「結論から先に伝えてその後に根拠となる具体例や理由を述べるようにする」「質問の答えが複数あるときはタイトルだけ先に答えてから順番に話していくようにする」など、どうやって答えたら相手が聞きやすいかを意識して答えるようにしましょう。

タクシー会社を代表するという意識をアピールして

ご自身の経験から、「この運転手さんは何だかいい感じだな。」「どこか横柄な態度だな。」などタクシーに乗った瞬間から感じたイメージというものがあるのではないでしょうか?

タクシーの利用者は運転手への印象が良ければ安心して目的地まで移動することができますし、反対に印象が悪ければ、そのタクシー会社のタクシーは使いたくないとすら思うことがあります。

タクシー運転手は一従業員でありながら、タクシー会社の顔とも言える存在です。

たった一人のタクシー運転手の行いが会社の業績に大きな影響を与えるということもあるのです。

それだけの責任感を持ってやってくれる人でなければ、企業側も安心して採用するということができないというものです。

タクシー運転手の経験がないという人でも、これまでの仕事の中で責任感を持って取り組んできたことや、会社の一員として気をつけてきたということがあるはずです。

面接でアピールする場面でも、仕事に対してのどんな風に取り組んできたのかという点を盛り込むようにしましょう。

運転技術の自慢はしない方が良い

車の運転が好きという理由でドライバー関係の仕事を選ぶという人がいますが、タクシー運転手は運転技術を競う仕事ではありません。

大前提として安全運転をするということはありますが、高い技術というよりも細やかな気遣いができて相手の立場に立った運転を心がけるということの方が大切です。

たまにタクシー運転手の面接でも運転技術があるといったアピールをされる人がいますが、これはあまり意味のないことです。

それどころか、「接客業ということを分かっているのか?」という不安要素になってしまうことがありますので、運転技術の自慢につながることは控えるようにしましょう。

特殊な勤務形態についてよく理解した上で応募しよう

タクシー運転手の仕事は一般的なサラリーマンと比べて勤務や給与形態が特殊な点が多い仕事です。

この仕事についてきちんと下調べをして、よく理解した上で応募に踏み切ることも大切なことです。

会社説明会や職場見学は可能ならぜひ参加しておきたいところですし、転職エージェントを経由して転職活動をすれば、応募前に不明な点が明確になりやすいというメリットもあります。

最後に

いかがでしたか?今回は、タクシー運転手の面接で注意すべき点やアピールポイントをご紹介しました。

努力次第で高い収入を得ることも可能なタクシー運転手という仕事です。

応募にあたってはきちんと面接対策を行った上で臨むことをおすすめします。