自己都合ではなくリストラで転職活動を余儀なくされてしまう人は、転職しやすい若手だけでなく、40代、50代の中高年にも多くいます。

リストラされた場合の再就職は難しいのだろうかと不安に感じるでしょうが、適切な転職活動を行うことで応募先企業から内定をもらうことは十分にできるのです。

では、リストラされた人はどのように転職活動を行っていけばよいのでしょうか?

応募書類の書き方や面接での受け答え、求人選びなどリストラ転職のポイントについてご紹介していきます。

リストラされた人を企業は敬遠するのか?

リストラされたということで、転職活動に不利に働くのではないかと気にする人は多いですが、実際のところリストラ自体が選考に影響を与えるということは少ないです。

なぜならリストラは経営不振等の会社都合なので応募者に責任があることではないからです。

それに、人事担当者であれば「例え優秀な人であっても経営が厳しければリストラすることはある」という点は他の人よりも理解があります。

リストラ=無能な人と判断するわけではないのだということを覚えておきましょう。

応募書類には何て書く?

履歴書や職務経歴書に退職理由を書くときは「会社都合により退職」とシンプルに書きましょう。

リストラされた背景は会社によって異なりますし、自分は無能だからリストラされたわけではないと伝えたいかもしれませんが、応募書類ではリストラされた経緯について詳細まで書く必要はありません。

企業担当者が確認したいことがあれば面接に聞いてくれるでしょう。

志望動機欄やスキルや経歴を充実させることに力を注ぎ、他の項目でアピールしていくことを心がけましょう。

面接でリストラについて聞かれたときの答え方

応募書類に「会社都合により退職」と書いてあると「会社都合ということですが、どんなことがあったのですか?」など、補足を求められる可能性があります。

その場合は正直に簡潔に「経営不振で整理解雇をするということで、転職しやすい若手を中心に解雇対象となりました。」などと答えれば十分です。

ここでのポイントは2つです。

1つは会社を責めるような言い方をしないということです。

会社都合で転職活動を余儀なくされたことは納得できないことかもしれませんが、面接官に他責的な人だと思われてしまう可能性があります。

2つ目は、自分が能力不足で解雇対象になったわけではないという点を含めて伝えるということです。

面接官は「なぜあなたが解雇対象になったのですか?」とわざわざ聞いてこない人も多いですが、実際問題としては「リストラされる理由があったかどうか」は気になるポイントです。

下手に不安材料を残さないためにも、自分から簡潔に能力不足が原因ではないということを伝えておくのが好ましいです。

懲戒解雇された場合はどうする?

前職を懲戒解雇された場合は選考が不利になる可能性があります。

懲戒解雇になるのはよほどの理由ですから、応募者の信頼性という点で企業側の不安要素になることは当然のことだからです。

では、懲戒解雇を隠しておいた方が良いのかというと、それには大きなリスクが伴います。

その事実を隠して応募したことが告知違反とされ、せっかく内定をもらった先から取り消されたというケースもあります。

懲戒解雇の事実は離職票や退職証明書などの提出を求められれば応募先に知られてしまう可能性がありますので、隠し続けることができる保証はどこにもありません。

また、同業他社や勤務地の地域が変わらない場合、横のつながりで懲戒解雇の事実が知られることはあります。

隠すこともできず、選考にも不利になるなら転職は不可能?と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。

企業によっては面接で懲戒解雇の詳細を聞いてみて、納得できるものであれば採用としてくれる場合があります。

もちろん、懲戒解雇の事実をカバーできるだけのスキルや能力があることが前提になりますし厳しい転職活動を余儀なくされることは覚悟しなくてはなりません。

もし懲戒解雇が身に覚えがない、納得できないものであるならば、専門家に相談するなどしてまずは懲戒解雇の事実を取り消すことを考えてみても良いかもしれません。

リストラされたことより何ができるのかが重要

リストラで転職活動を余儀なくされた場合、どうしてもリストラが選考に与える影響についてばかり考えてしまいます。

しかし、リストラされたこと自体に固執しても何もいいことはありません。

リストラが退職理由だとしても、その後なぜ応募先の企業に転職しようと思ったのかということ志望動機や、応募先の企業でどんな貢献ができるのかが大切になります。

リストラされて転職活動する人は「リストラされたことが原因で転職できない」と悩むことがありますが、それ以外の原因の方が多いことはよくあります。

そのことを受け止めて自身のスキルや経験をどうアピールしていくかに注力するようにしましょう。

営業なら転職しやすいが求人選びは慎重に

40代以上でリストラにあった場合は、そもそも転職市場自体が年齢に対してシビアな目で見るようになっています。

そうなると焦りも生まれてしまい「とにかくどこでもいいから」という気持ちになりがちです。

しかし、転職しやすい職種や業界にはリスクが伴うということを覚えておきましょう。

例えば営業職などはどの企業でも募集していますし、未経験歓迎としていることも多く比較的内定をもらいやすい職種と言えます。

ただし、業界によっては完全歩合制で生活が安定しない、ノルマが厳しすぎて続けられないなど、転職してから働き続けられるのかという点では難しい場合があります。

再度の転職ということになれば、ますます応募先が限られてきてしまいますから、できるだけ慎重に企業を見極めるという冷静さは保つようにしてください。

再リストラを回避するためにも転職エージェントを使おう

リストラされて転職活動をする場合は、無職期間ができますから焦る気持ちから転職先を妥協しがちになります。

しかし、転職先の経営が立ち行かなくなったり、まさかのブラック企業でいわれのない解雇宣告を受けるなんてことだけは避けたいところです。

転職してからきちんと働き続けることができてこそ転職成功と言えますから、転職先の企業選びは慎重に行いましょう。

そのためには転職エージェントを利用した転職活動を行うことをおすすめします。

転職エージェントは企業審査がきちんとされていますから、経営難の企業やブラック企業などに当たる確率がぐっと下がります。

リストラされたことをどのように伝えれば良いのか分からないなど、応募にあたっての相談にも乗ってくれますから利用を検討してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、リストラされた人の転職活動のポイントをご紹介しました。

リストラされたことはショックかもしれませんが、リストラされたから転職できないということではありません。

事実を簡潔に述べて、自身の経歴やスキルをアピールしていけば、他の転職希望者と同じ土俵で十分に戦っていけます。

そのことを忘れずに前向きに転職活動を行ってください。