若い世代を中心に、「尊敬できる上司や先輩がいない」「理想的な働き方をしている人が会社にいないから将来が不安になった」など、ロールモデル不在を理由で会社を辞める人が多いといいます。

この理由で辞めた場合、転職先にはロールモデルがいることが前提になってしまうのですが、転職前にロールモデルがいるのかどうかを知ることはできるのでしょうか?

今回は、転職活動中の方が事前にロールモデルを探す方法についてお話していきます。

SNSで所属業界や社名を公表して発信している人を探す

今はこれだけSNSが浸透している時代です。

所属する業界や社名を公表しつつ、積極的に情報発信をしているという人もよく見られます。

それも会社の担当としてしているのではなく、個人でその業界や企業を盛り上げようと発信を続けている人も多いです。

その中で自分が「こんな働き方をしたいな。」」「この人の言っていることは説得力がある。」など共感できる点があれば、発信者が所属する業界や企業について調べてみても良いでしょう。

その業界に多い考え方や、特定の企業の社員にどんな傾向が見られるのかを知れる可能性があります。

もちろんSNS上の情報には誤ったものや個人の偏った考え方もありますから、鵜呑みにし過ぎるのではなく、あくまでも企業研究の入り口の一つとして捉えてみるという意識は必要です。

セミナーに積極的に参加しみる

転職先として考えている業界の著名人や経営者などが講師として登場するセミナーがあれば、積極的に参加してみるというのも一つの方法です。

業界のことが聞けるだけでなく、そこに参加している人たちと話ができる機会もあります。

セミナー後に懇親会などがあればより話ができる機会もありますし、自ら積極的に会場内の人に話しかけてみるのも良いでしょう。

参加者たちはその業界関係者や興味がある人の割合が多いので、そこでできた人脈をきっかけに理想的な働き方や考え方を持つロールモデルとの出会いにつながる可能性はあります。

異業種交流会などに比べて、気になる業界で働く人に出会える確率が高いです。

著名人や企業名を公表している講師を招いた講義形式のセミナーであれば、異業種交流会でありがちなネットワークビジネスの勧誘などを受けて困ることもほとんどありません。

個人を探すのではなく多様な働き方ができる企業を見つける

ロールモデルを探す方法を考えるとき、個人を探すという考え方に偏りがちです。

しかしロールモデルは一人である必要もなく、その人を一から十まですべて真似していくという必要もありません。

ある人のこんなところが良いと思うからやり方を部分的に真似してみる、またある人は働き方という点においては理想的だなど、複数の人の一部分を参考にしていけば良いのです。

その意味では転職先を探すときに、多様な働き方ができる環境にあること、できるだけ色々なタイプの職員が存在しているということが一つの目安になります。

働き方に関しての制度が豊富に存在している、幅広い年齢層の職員がいて性別に偏りもないなど、選択肢が複数ある企業という観点から求人選びを行っていきましょう。

「色々なパターンがある」ということは参考にできる例が豊富にあるということでもあるのです。

転職フェアや会社説明会に参加してみる

転職フェアや会社説明会などに参加すると、企業の採用担当者や実際に現場で働く人の話を聞けることがあります。

その姿が生き生きとしていて感銘を受けたなど、話を聞かせてくれた人がロールモデルとして参考になるということはあります。

ただ、転職フェアや会社説明会に企業の代表として参加しているその人たちが、必ずしもイメージしていた通りの人だということばかりではありません。

企業の魅力を伝えるために会社が派遣しているいわば営業担当ですから、その人から感じ取れる良い面だけを鵜呑みにすることのリスクはあります。

話を聞く場合は、その人本人の意見なのか、他の社員にも多く見られることなのか見極める必要はあるでしょう。

ロールモデルという存在ではなく自分がなりたい姿を探していく

ロールモデル不在を嘆く人に「あなたはどんなビジネスマンになりたいですか?」と問いかけてみると答えられないという人が多いです。

「参考になる人がいないと分からないから。」というのが理由なのかもしれませんが、自分がなりたい姿をイメージしていない、自己分析を行って自分の考えを掘り下げていないということはよくあります。

もしなりたい姿がイメージできないのであれば、「こんな人にはなりたくない」いう反対の視点から考えてみましょう。

今まで職場や取引先などで出会って嫌だった人や仕事ができないと感じた人、そういう姿であれば思いつくという人も多いのではないでしょうか?

自分がなりたい姿とは、自分がなりたくない姿の逆です。

自分がなりたい姿が具体的にイメージできれば、誰かを参考にしなくてもおのずと目指すべき道が見えてくるでしょう。

転職エージェントに聞いてみる

希望する企業で自分が参考にしたい働き方をしている人がいるかを確認するには、面接の質問タイムで聞いてみるという方法があります。

例えば育児中の女性であれば育児中の職員への支援制度はあるのか、短時間勤務を選択して活躍している正社員はいるのかなどの質問です。

ただ、企業は働き方が限られている人はできれば避けたいと感じますし、応募者がどんな貢献ができる人なのか?という視点で面接を行っています。

この手の質問に対して良い顔をしない可能性もあるでしょう。

その場合は、転職エージェントを経由した応募であれば、面接で聞きにくいことを担当のエージェントに聞いてもらうことができます。

場合によっては企業事情に精通していて情報を持っていることもありますので、ロールモデルの事前確認という意味でも利用されると良いでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、ロールモデルの探し方をご紹介しました。

身近に道しるべとなるような人がたくさんいれば、その人を目指して進むことでそれなりの未来が描けるのかもしれません。

しかし今は働き方の多様化が進み誰もが模索を続けている時代。

「参考にできる人がいない」と嘆くことにはいささか疑問も感じます。

すべては自分の選択次第で、労働者たちは自分の意志があれば自由を主張できるのです。

ロールモデルを探す方法を考えることをきっかけとして、ロールモデルは本当に必要なのかについて考えてみても良いかもしれません。