未経験者への間口も広い介護業界ですが、離職率が高いことは常に問題視されています。

特に未経験でこの業界に入る人は入社後にギャップを感じやすく、想像以上の仕事の大変さに耐えきれず短期間で辞めてしまう人も少なくありません。

需要が大きく将来性もある介護業界ではありますが、はたしてこの仕事への適性があるのかという点は転職前に見極めておかなくてはならないでしょう。

自己分析をしっかりと行い、自身の適性について判断されてから転職に踏み切ることをおすすめします。

そこで今回は介護の仕事で必要とされる資質についてご紹介していきます。

体力があるのは絶対条件

介護対象者が老人だろうと小さな子供だろうと、人一人の介助をするということはとても大変なことです。

体全体を使って介助し足腰に負担がかかる姿勢をすることもありますし、次から次へとやるべき業務がありますから時間との戦いでもあります。

体力に自信がないという方にとってはかなり難しい仕事です。

ただし、体を動かすことが好きだからという理由だけでこの仕事を選ぶと後悔することもあります。

介護の仕事は介助など肉体労働も多いですが、報告が大切な仕事でもあるので報告書の作成など事務仕事も割とあります。

高いパソコンスキルなどは求められませんが、事務系の仕事は大の苦手というレベルだと事務作業で苦労する可能性もあります。

その点は覚えておくようにしましょう。

人と接することが好きということは大前提

介護の仕事は人間を相手にしますから、人と接することが好きということは大前提として必要な要素です。

介護未経験者であってもサービス業や営業などで接客経験があるという人は、介護職の資質はあると言えるでしょう。

ただし、「介護対象者の日常の中で接する」という点は忘れてはなりません。

例えば飲食店や販売の仕事の場合、利用者にとっては公の場所なので「お出かけ用の顔」で接してきて、常識を意識した行動をする客がほとんどです。

たまに嫌な客や常識外れの行動をする客がいても、我慢ができるレベルかもしれません。

しかし介護の場合、対象者にとっては生活空間ですから、とにかく自分の要望通りに介護をしてほしいわけです。

そこにはお出かけ用の顔はなく、素の状態でときにはわがままも言ってきます。

同じ接客でも対象者の位置する場所が違うという点は理解しておいて方が良いでしょう。

精神面のコントロールやストレス発散が上手にできる

どんなに人と接することが好きで介護の仕事にやりがいを感じていても、介護対象者や家族から怒鳴られたり理不尽な要求をされるなど、精神的にストレスを感じる場面があります。

この仕事をやっていてストレスを感じないという人はほとんどいないので、いかにその感情をコントロールし発散できるのかが重要になります。

人あたりが良くいつも誰に対しても笑顔で接することができる、そんな介護士は素晴らしいですが、ストレスを溜めこみ過ぎて爆発してしまっては介護の仕事を続けることが難しくなるでしょう。

小さなストレスも放置せずその都度発散していく、相手の言葉や態度を受け止め過ぎないようにするなどして上手にコントロールできる人に適性があります。

相手の立場に立って物事を考え行動できる人

介護の仕事は常に介護対象者の方を向き、介護対象者やその家族のために何ができるのかという視点で仕事を進めていく必要があります。

介護対象者は話ができる人ばかりではありませんから、相手の希望を表情やしぐさなどから察知して快適に感じるサービスを提供していくことが求められます。

これは福祉に限らずサービス業全般に言えることですが、自己中心的で相手の立場に立って物事を考えられない人は決して満足してもらえることなく、クレームなどにもつながりやすくなります。

「どんな相手に対しても、相手の気持ちを考えた行動が普段からできているのか?」

自分自身の適性を確かめるために振り返ってみてください。

ボランティアを通じて適性を確かめることのリスク

介護施設では、随時ボランティアを募集している場合があります。

各施設によってやらせてもらえる内容は異なりますが、主にはレクリエーションの手伝いやお話、見守り役などです。

よく未経験で介護の仕事をするならボランティアを入り口にしようと言われますが、少し注意が必要なこともあります。

それは、ボランティアでは介助など介護職のメインとなるきつい仕事はほぼ体験できないということです。

介助には介護対象者によって注意すべき点が異なりますし、未経験で介助を担当して介護対象者に何かあっては大変だからです。

ボランティアで体験できるようなレクリエーションの手伝いなどは、介護対象者も楽しそうであったり、話し相手になったりすることで「介護の仕事ってやりがいがありそう」と感じるかもしれません。

しかし、ボランティアの経験だけで介護の仕事に過度な期待をしてしまうと、実際に介助をするようになってから想像以上に大変だったとギャップを感じることになります。

施設内の雰囲気や介護対象者がどんな人たちなのかを知るきっかけするという点でボランティアは有効なのですが、あくまでも職場見学の延長ぐらいのものだと思っておく方が良いでしょう。

介護職適性診断を受けてみても

転職サイトなどを探してみると、適性診断を無料で受けられるサービスが多く実施されています。

特に医療系や介護職に強い転職サイトであれば、各職種の求められる資質を元にした質問から構成された、より詳細な適性診断も受けられます。

もちろんそれだけで介護職への適性があるのかを完全に把握することはできませんが、一つの参考として利用されるのは良いかもしれません。

応募は転職エージェントを経由した方が安心

介護職未経験の場合は、業界知識や介護の転職市場について知らないことが多くあるでしょう。

介護業界の中にはブラック企業も多いと言われていますから、応募先の企業が適切かどうかを確かめるにはプロのアドバイスを受けるのが安心です。

企業審査がしっかり行われている転職エージェントであれば、掲載企業の信頼性も高いですし気になることがあればエージェント経由で応募先に確認してくれます。

すべてのサービスが無料で利用できますから上手に利用してください。

最後に

いかがでしたか?今回は、介護職未経験の人が知っておきたい、介護職に求められる資質についてご紹介しました。

介護の仕事にはどんな人が向いているのかを知り、自己分析の結果から適性を判断しましょう。

もし合わないと思ったら、早めに方向転換をすることも必要になります。

ぜひ参考にしてみてください。