転職活動は、同時に複数の企業に応募することが基本です。

転職活動全体を通して1人あたり10社以上は応募するのも当たり前ということを考えると、同時に応募していくのは必須と言えるでしょう。

その場合に問題になるのはスケジュール管理です。

人によって状況が違う以上、どれが正解という方法はないのですが、あらかじめスケジュールを考えておくのといきなり転職活動を始めるのでは結果に大きな影響を与えてしまいます。

そこで今回は、転職活動中のスケジュール管理方法についてお話していきます。

まずは今の職場の状況を把握する

転職活動に専念できる失業中であれば、ある程度スケジュール管理には余裕が生まれますが、経済的・精神的リスクを考えると在籍中の転職活動が基本になります。

この場合に行いたいのは、まずは今の会社の状況把握です。

面接日等に充てられる有休残日数は何日あるのか、有休が実際に取得できそうなのはいつ頃なのか確認しておきましょう。

業種によっては月初・月末はほとんど取得できない場合もあります。

シフト制でなくても休暇は事前申請が基本という職場もありますから、いつまでに申請しておかなくてはならないのか締切日も確認しておきましょう。

そして、職場の状況判断は直近に限らず数か月後も見据えたものでなくてはなりません。

転職時期の大体の予定がどれぐらいになるのかも含めて考えておきましょう。

募集が活発化する時期を調べておく

必ずではありませんが、企業の採用活動が活発化する時期というものもあります。

やみくもに転職活動をスタートさせていざ探してみると希望の業界の求人が少ないなどないように、事前にあたりをつけておくことも必要です。

よく言われるのが3月は9月などの期初。

そして4月の新卒採用に合わせて同時期に中途採用を始める企業も多いので、年明けぐらいから採用活動が動き出すのは傾向としてあります。

夏のボーナスをもらってから退職する人の欠員補充として、初秋の採用を目指すというケースもあります。

採用活動が活発化する時期は業界によっても異なりますので、あらかじめ調べておくようにしましょう。

転職活動期間の目安を設定する

応募から入社までの転職活動全体の期間としては早い場合で2~3ヶ月、長い場合は半年以上かかることもあります。

選考の状況や転職活動に割ける時間によっても異なりますが、応募開始から3~4ヶ月後には入社にまでこぎつけるということを前提に動いておくのが一つの目安になります。

また、今の会社の退社日についても、この時点である程度予定を立てておきます。

もちろん選考状況によって前後する可能性はありますが、円満退職のためには繁忙期は避けるようにするなど一定の配慮が必要になります。

一度に応募する企業はいくつまで?

一つの企業で面接は2~3回は行われるのが一般的なので、あまりに大量に応募してしまうとスケジュール管理が難しくなります。

面接の日程調整がうまくいかずに諦める企業も出てきますから、焦らずに応募を絞っていきましょう。

ただし、書類応募から内定まで、大体1社受けるのに連絡待ち時間も含めて3週間~1ヶ月程度かかってしまうことが多いです。

これを1社1社やっていてはいつになっても内定にたどり着けませんから、基本的には複数の企業を同時進行で行っていくことになります。

具体的にいくつ掛け持ちすべきかは人によって異なりますが、在籍中の転職活動であればまずは3~5社程度が無難です。

その中で不採用になった企業があれば1社追加していくイメージで「選考中の企業が3~5社ある」という状態を保てると良いでしょう。

転職活動が終盤になってくると面接が立て続けにあるなど一気にスケジュール調整が難しくなるので、前半大丈夫だからもっと応募企業を増やそうしてしまうと後が大変です。

すでに退職していて転職活動に専念できるのであれば、さらに同時応募の数を増やしていくことも可能です。

ただし、応募が多くなればなるほど1社にかける熱意が分散されてしまいがちなので、多くても5~7社程度が限度かもしれません。

いつでも手帳は持ち歩くべし

転職活動中はいつ企業から連絡が入るか分かりませんから、スケジュール管理用の手帳などは常に持ち歩いておくようにしましょう。

スマートフォンのアプリなどでも良いのですが、電話連絡が入ると不便なこともあるので、できれば手帳タイプがおすすめです。

電話にでておいて「今はスケジュール表を持っていないので…」となると、あまり良い印象を与えないこともあります。

企業の人事担当者は忙しい中電話をかけてきますから、できれば一度の電話で済ませたいと感じます。

ただ、その場で対応できないから不採用とはなりませんので、対応が難しい場合はスケジュール確認ができる状況になってから折り返し連絡するようにしましょう。

場合によっては土日の対応をお願いする

有休を使える日数は限られていますから、有休を使わない方法があればその方法を使うと良いでしょう。

例えばすべての企業に当てはまるわけではありませんが、在籍中の転職活動を考慮して平日ではなく土日の面接を可能にしてくれる企業もあります。

特に土曜日の午前中は通常業務日である企業も多いので、募集要項等で「土曜午前は隔週で勤務」など書いてあれば対応してくれる可能性があります。

土日であれば仕事が立て込んで帰れなくなるということがないので、落ち着いて面接会場に出向くことができます。

ただ、役員面接、最終面接では対応が難しいことがほとんどなので、1次面接などの早い段階であれば聞いてみるというぐらいに思っておいた方が良いでしょう。

また、夜遅くということでなければ、平日の勤務時間外であっても対応してくれることがあります。

どうしても有休を取ることが難しい場合などは交渉してみる価値はあります。

面接の日程調整は転職エージェントに任せる

転職活動中のスケジュール調整の中でも大事なポイントである面接の日程調整は、今の仕事の状況や他の応募企業との兼ね合いも合ってなかなか難しいことです。

日程調整が大変になって肝心の面接対策や企業研究がおろそかにならないように、面接の日程調整は転職エージェントに任せることも必要です。

転職エージェントは転職支援のプロですから調整ごとには慣れています。

面接の日程調整も行ってくれますので頼ってみると良いでしょう。

一番大切なのは面接で力を発揮できるということなので、本番に集中するようにしましょう。