転職活動をするときには、経済的な不安をなくすためにも在籍中の転職活動が基本と言われます。

しかし、中には退職してから転職活動を始めた方が成功しやすいという人もいます。

在籍中に比べて気持ち的な余裕もなくなりリスクが高いようにも感じますが、一体どういうことなのでしょうか?

そこで今回は、退職してから転職活動を始めるべき人の特徴を解説していきます。

現職が忙しすぎて全く時間がない人

在籍中の転職活動は時間が取りにくいのがネックだと言われますが、それでも有休や終業後の時間を上手に使いながら転職活動をしていくのが基本になります。

時間がないという人でも、本音を言えば「休む時間がなくなる」とか「プライベートを削るのが嫌だ」とか、時間を作ろうと思えばあるというケースは多いです。

ただ、今の仕事が忙し過ぎて物理的に時間がないという人もいます。

毎日夜遅くまで残業があって、休日出勤も当たり前、有休はあるけれど取らせてもらえない、こういう人も多くいて、転職活動にかける時間がないのは事実でしょう。

この場合は仕方がありませんが退職を優先させましょう。

時間がないことを理由に転職活動をしなければ、いつになってもその状況から脱出することはできません。

とにかく退職日を確定させ、できる限り残っている有休を使うことです。

退職日までの有休消化日と退職後を使って精力的に転職活動を行っていきましょう。

一つのことにしか集中できない人

一度に多くのことを抱えることで精神的に追い込まれてしまう、一つのことにしか集中できないという人がいます。

こういうタイプの人は、転職活動と仕事を平行して行うことが難しくなります。

在籍中の転職活動に夢中になって今の仕事に集中できず、仕事でミスをしたり転職活動中であることが周囲にばれてトラブルに発展したりします。

あるいは仕事で気になることがある状態で転職面接があると、面接よりも仕事が気になってしまって良いアピールができません。

集中力が高いことは素晴らしいことなのですが、どちらに転んでも良い結果を生まないことになってしまいます。

自分がこのタイプに該当するかどうかは、自己分析と他者からの指摘で分かります。

自分で自覚があるという人も多いですが、無自覚の場合は同僚など職場の人に聞いてみてください。

「大きな声で話しかけられているのに気づかないときがありますか?」と。

無自覚で返事をしていない人は、集中していると一種のゾーン状態に入って他のことを意識できない傾向にあります。

こういうタイプの人はその高い集中力を活かして、退職して短期集中型で転職活動を行っていきましょう。

今すぐ辞めるべき理由がある人

転職活動以前に、今すぐ辞めるべき理由がある人は退職を優先させましょう。

今すぐ辞めるべき理由とは、例えば耐え難いパワハラ、いじめなどで精神的に参ってしまっている人や、長時間労働で心身ともに疲れ果ててしまっている人などです。

一旦休職を選択する方法もあるのですが、こういったケースだと休職を取らせてもらえない、在籍しているということで精神的に休まらず転職に前向きになれないなどの可能性もあります。

この場合はとにかく退職することだけを考えて動き出し、辛い環境から解放されて心機一転、転職活動に向かっていくのも良いでしょう。

前向きな気持ちになれることで応募先に良いアピールができたり、自己分析として自分自身としっかり向き合うことができます。

引継ぎを丁寧にやって職場に絶対に迷惑をかけたくないと考えている人

退職をするときは後任に引き継ぎをすることになりますが、お世話になった職場の人に絶対に迷惑をかけたくないから引き継ぎに時間をかけたいという人もいるでしょう。

まずは厳しいことを言いますが、退職するのに職場の人に迷惑をかけないということはあり得ません。

迷惑と言うと大げさかもしれませんが、必ず誰かが困るときがきます。

困った中でも何とかして残された社員たちも成長していく、そういうものなのです。

そのことを分かっていても迷惑をかけたくないから引き継ぎを丁寧に…となると、相手に時間を合わせて時間外に引き継ぎをしたり、有休は取らないなどで転職活動にかける時間はなくなります。

自分が職場にいない時間を適度に取って周囲に多少の迷惑をかけつつ、在籍しながらの転職活動は叶うのです。

職場への完璧な引き継ぎは在籍しながら行うのは無理があります。

こういう人は在籍中は残務整理と引き継ぎに専念し、退職してから転職活動を行う方が良いかもしれません。

同業他社への転職を考えている人

同業他社への転職はスキルや経験がダイレクトに活かせるという点で転職が成功しやすいルートと言えます。

ただし、在籍中の転職活動となるとネックになることがあります。

業界によっては、横のつながりが深くて社員の他社への引き抜きはしないということが暗黙のルールになっていることがあります。

この場合、同業他社に応募をしても在籍中であることを理由に不採用になる可能性があります。

もちろんすべての業界においてルールが存在しているわけではありません。

ただ、同業他社からの転職者に対して「転職先を今の会社に言わないこと」など指示してくる企業もあることを考えると、かなり慎重な姿勢を示す企業も多いでしょう。

同業他社への転職に絞っている場合は、内定は比較的もらいやすいというメリットがありますから、きちんと退職してから転職活動を始める方が応募先の選択肢が広がると言えます。

決意がすぐ鈍る人

優柔不断で何をするにも決意が鈍りやすいという人は、在籍中の転職活動で内定をもらっても、引き留めや周囲の何気ない言葉に流されやすく転職の決心がつかないことがあります。

これまで人から優柔不断を頻繁に指摘された経験があったり、大事な決断時に迷いで失敗した経験があるという人は、退職を先にする方がうまくいくかもしれません。

退職を決めてしまえば転職先をどこかに決めざるを得ないという強制力が生まれ、腹をくくって転職活動を進めることができるでしょう。

ただし、そもそもなぜ転職をしたいのかという確固たる理由を自分自身で確認してから退職をしましょう。

曖昧な理由で退職しても必ず後悔します。

退職してからの転職活動は短期決着を目指そう

今回ご紹介したような人のように、退職してから転職活動を始める場合は短期決着を目指すことが大切です。

冒頭でお伝えしたように経済的に不安定になりますし、精神的にも焦りが生まれやすくなるからです。

短期決着には戦略的な転職活動が求められますので、転職エージェントを利用してプロのアドバイスを受けながら活動していくと良いでしょう。

求人紹介だけでなく、様々な転職ノウハウを提供してくれますから早期の内定が叶いやすくなります。

最後に

いかがでしたか?今回は、退職してから転職活動を始めるべき人の特徴をご紹介しました。

退職してから活動する方がうまくいく人もいますが、それは人によって大きく異なるものです。

ご自身の性格や状況をしっかりと見極めた上で、退職を優先させるのかを判断してください。