転職活動の成功には、円満退職が欠かせません。

内定をもらうことと同時に、今の会社を円満退職するためのポイントも知っておきましょう。

退職時期は基本的に人によって異なりますが、円満退職を叶えやすい適切な時期というものも存在しています。

そこで今回は、円満退職につながる時期と最適な退職時期の見極め方を解説します。

円満退職につながる時期はいつ?

会社から強い引き留めにもあわず、職場の人たちとの人間関係を良好に保ったまま辞めるにはいつ辞めるのが好ましいのでしょうか。

円満退職につながる時期を紹介します。

繁忙期以外

同僚たちからの不満を受けやすく、上司からの引き留めにあいやすいのは、やはり繁忙期です。

円満退職を目指すなら、繁忙期を避けて退職日を設定するのがいいでしょう。

同じ職場に何年もいれば、いつ繁忙期かはわかるでしょうが、経歴が浅くてよくわからないこともありますよね。

業種にもよりますが、事務系や医療系なら決算期や、新入社員の研修・手続き業務が多くなる3、4月。

接客業なら5月やお盆、年末年始などの長期連休があると忙しくなります。

その業界で一般的に繁忙期と言われる時期はやはり忙しいので、できるだけ避けるのが無難です。

プロジェクト終了後

エンジニアなどの場合、プロジェクト単位で動くことがよくあります。

プロジェクトの途中で人が抜けるのは企業にとって大きな痛手。

チームのメンバーに迷惑をかけることもありますし、責任感がないと思われてしまう可能性は大きいです。

今すぐに辞めなければいけない事情がない限りは、プロジェクトが終了したタイミングに退職時期を設定するのがいいでしょう。

後輩育成がひと段落したら

後輩の教育係を担当している場合など、後輩育成がひと段落したタイミングで退職するのも一つです。

とはいえ後輩の成長の度合いは個人差がありますので、何をもってひと段落と言えるのかは難しいところ。

目安としては入社1年、2年など、通年業務を一通り教えた後がタイミングです。

営業や販売の場合は、一人立ちして顧客とのやり取りをすべてできるようになったらひと段落と言えるでしょう。

後輩に完璧を求めてもいつ退職できるか分かりませんので、ある程度の仕事ができるようになったら区切りとして問題ありません。

いつも頼りにしていた先輩がいなくなることで後輩自身も成長できるものです。

4月や10月などの異動シーズンにあわせて

4月や10月などの人事異動時期は、各部署の長が人員配置について考えたり、転勤辞令がでるシーズンでもあります。

中途半端な時期に欠員がでるよりは、会社全体で大規模な入れ替えが行われる時期にあわせて退職してもらった方が、会社としてはありがたいと言えます。

賞与の支給時期

夏や冬の賞与支給が終わった後に辞めるのも一つです。

賞与支給後に辞めるなんて問題になるのでは?と思うかもしれませんが、この時期に退職されるのは会社としては想定内のこと。

もともと退職者が多い時期でもあるので、欠員がでることを見越して採用活動が行われやすいのです。

特に夏の賞与支給後である7月や8月は、接客業を除くと閑散期という企業も多いので、辞める時期としては最適。

「変な時期に辞められた!」とはならないので円満退職になりやすいのです。

最適な退職時期の見極め方

円満退職につながりやすい時期は複数あるため、一体いつが最適なのか見極めが難しいでしょう。

ここからは、自分にとっての最適な退職時期の見極め方を解説します。

もっとも優先すべきは自分の意志

まず大前提として、もっとも優先すべきは自分の意志だと覚えておきましょう。

会社側の希望があったとしても、期間の定めのない雇用契約は労働者の意志によって、原則として一方的に解除できます。

退職日を決めるのは、誰でもない、あなた自身なのです。

ときどき人事部に「退職したいのですがいつにすればいいですか?」と聞いてくる人がいますが、この質問はナンセンス。

「あなたはいつ退職したいのですか?」と聞き返されるでしょう。

職場の人に迷惑をかけたくない、悪く思われたくないという気持ちは十分理解できますが、常識の範囲内なら、今の会社に気を使い過ぎる必要はありません。

どうしても繁忙期に辞めたい場合でも本当は構わないのですが、職場の人に悪いと思うなら、とにかく早めに伝えておくことが大切です。

半年前ぐらいまでに退職の意志を伝えておけば、繁忙期に備えて人員を補充することもできますし、引き継ぎもしっかりできるため、繁忙期だからといって大きな迷惑をかけることはありません。

転職先の希望はしっかり考慮すること

内定をもらっている場合の退職時期は、内定先の希望をしっかり考慮することも大切です。

できるだけ早く来てほしいと思う企業がほとんどでしょうが、大抵は今の会社の状況も理解してくれます。

ただ、今の会社の希望を優先して内定先を邪険にすることだけはやめましょう。

ズルズルと内定先の入社日を先延ばしにしたことで、内定が取り消された例もあります。

転職先が未決定なら賞与が命綱になる

転職先が決まらないまま退職日を確定させたい場合、退職後の経済事情を考えなくてはなりません。

応募から内定までは、早い人で2ヶ月、長くかかる人では半年以上かかることもあります。

失業手当はもらい始める時期も、もらえる期間も決まっていますから、完全にあてにすることはできません。

いざというときのために賞与があれば1~2ヶ月の生活費になるでしょう。

人によっては賞与が命綱になりますので、自身の転職活動の状況によって賞与支給後に設定してもいいでしょう。

転職活動中の相談ができるのは転職エージェント

内定先企業との調整がうまくできず退職日を悩んでいる、円満退職のために必要なことを知りたいなど、転職活動における悩みを相談できるのは転職エージェントです。

求人紹介だけでなく、転職して働き始めるまでをサポートしてくれますので上手に利用しましょう。

最後に

いかがでしたか?

円満退職につながりやすい時期を知っておくと、退職日の目安とすることができます。

ただし、あくまでも目安なので、この時期でなければならないということはありません。

大切なのは自分自身の状況を冷静に見つめ、自分にとって最適な時期を見極めること。

適切な退職時期を見つけて円満退職につなげましょう。