転職活動中の人がよく「話すのが下手だから面接が苦手」と言うことがあります。

人前で話す機会が少ない人や、黙々と機械やパソコンに向かっているような仕事の人は、特に話すことへの苦手意識が強いようです。

確かに面接では質問の嵐で、話すことから逃れることはできませんよね。

苦手意識を持ってしまうのも無理はありません。

そもそも、話し方が上手ってどんな人のことを指すのでしょうか。

人が話している内容は、実はそれほど大きな違いがなかったりします。

それでも、妙に説得力があったり、聞いていて心地がいいのは、「話し方」に違いがあります。

それも、高度なテクニックというより、ちょっとした心がけが重要。

そこで今回は、上手な話し方を習得する方法を紹介していきます。

話し方が上手だと思われるのはこんな人

上手な話し方をするためには、話し方が上手だと思われる人の特徴を知っておくことが有効です。

どんな話し方をするのでしょうか。

聞き上手で反応がいい

「話し上手は聞き上手」と言われるように、人の話を聞けない「話し上手」はまずいません。

相手の話を聞いて即座に反応し、適切な答えを返すからこそ、会話が盛り上がり、興味を離さない話ができるのです。

話すのが苦手な人に多い傾向として、いきなりスピーチ力を鍛えようとしてしまうことがあります。

面接は、スピーチという一方的な話ではなく、面接官との会話なので、聞く力を磨くことで、劇的に話し方もよくなります。

聞く力は、職場の人、家族や友人などとの普段の会話の中で鍛えていくことができます。

ポイントは、相手の話に興味をもつこと。

興味をもって接すれば、相手が気持ちよく話をし、その表情やしぐさから「何を話したいか」が見えてきます。

相手の話を遮ったり、かぶせてこないのも聞き上手の特徴です。

話を最後まで聞いたうえで抜群の質問で切り返してくるのです。

速度と声のトーンが自由自在

話し方が上手な人は、その場で適用すべき話す速度と声のトーンをわきまえています。

極端な例ですが、取引先の人と話すときと、小さな子供相手に話すときでは、話すスピードも声のトーンも変える必要がありますよね。

この変化を、あらゆる場面において使い分けるのが話し上手の特徴です。

慌ててる相手を落ち着かせたいときは敢えてゆっくり丁寧に話してあげる、厳しく指導すべき場面では低いトーンで話してみるなど。

面接の場面では、早口よりも、丁寧で言葉を選んで話す方が知的な印象です。

加えて、声のトーンがやや高めで、明るく爽やかな雰囲気の人が好まれやすい傾向にあります。

余計なつなぎ言葉を使わない

接続詞や、間をつなぐ言葉は、使い過ぎることによって話の本筋が見えにくくなります。

「すなわち」「そのため」などは意味が通じるなら敢えて省くことも有効です。

「えーと」「そのー」などの間をつなぐ言葉は極力発しないようにしましょう。

話しながら考えたい場合に使ってしまいますが、つなぎ言葉が気になって会話が耳に入ってきません。

話し上手な人は、余計な言葉は極限まで削ぎ落とし、必要な言葉のみをチョイスしています。

話し方の参考にすべき人や鍛える方法

話し方を鍛えるためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。

もっとも手軽なのが、話すのが上手な人を参考にして練習していく方法です。

ここからは、どんな人を参考に話し方を鍛えるのかと、その他の鍛え方についても紹介していきます。

職場にいる話し上手な人

職場を見渡してみて、話し上手だと感じる人はいないでしょうか。

話し上手な人が近くにいれば、とてもいいモデルになります。

その人が話している様子をじっくり観察しましょう。

話している内容だけでなく、スピード、トーン、表情にまで気を配ってみてください。

司会者、アナウンサー

身近に話し上手な人がいない場合は、テレビでよく見かける人を参考にしてもいいでしょう。

ただぼんやりとテレビを眺めているのと、「この人はこういう話し方をする」と意識的に聞くようにするのとでは得るものが大きく違います。

やはり参考になるのは、話し方のプロであるアナウンサーや司会者。

コメンテーターの中でも、振られた質問に対して明確に答えている人は話し上手です。

ニュースや話題をアナウンスする場面では、余計なつなぎ言葉を使っていないという点に着目してみてください。

さらに、ゲストに質問する、話題を振ってみるなどの、他者とのやり取りの場面も重要です。

政治家

政治家も話し方を研究しつくしたプロです。

おすすめは国会中継を観ること。

国会中継では、いろいろなタイプの政治家が答弁しますから、その中で自分が「この人の話はわかりやすい」と思う人を参考にできます。

1人の政治家が永遠に話し続ける街頭演説などよりも、比較検討がしやすく、自分にあった話し方や理想の形を探すことができます。

仕事や転職面接では時事ネタの質問を振られることがあるため、その意味でもメリットがありますね。

話し方教室や講座もある

人前で話す度胸をつけたい、実際に指導してもらいながら話し方を向上させたいなら、話し方教室や講座なども各地で開催されています。

効果のほどは未知数ですが、勇気をだして参加するその行為こそが、自信につながることはあります。

できるだけ評判や口コミを調べてから参加するようにしましょう。

話し方に関する書籍も多数

話し方に関する書籍は世の中に多数出回っています。

それだけ話し方を何とかしたいと思っている人が多い証拠ですね。

教室や講座までは行く勇気もお金もないという方は、本を読んでみるだけでも違います。

何冊か読んでみると、同じようなことが書いてあったりするので、共通点を見つけてみましょう。

誰もが言っていることは、やはり大事なポイントだったりします。

面接に不安があるなら対策を

転職の面接では、話すことから逃げることはできないので、少しでも自信をもって臨めるように事前対策をおこなうことが大切です。

面接対策としては、自分で面接でよく聞かれる質問を用意して練習する、家族や友人に疑似面接をしてもらうほか、転職支援のプロである転職エージェントを利用するという方法があります。

対策しておくのと無防備で臨むのとでは結果に大きな違いがでますから、しっかりと準備しておきましょう。