転職先の情報を調べるとき、経営者がどんな人かが気になる人は多いでしょう。

経営者の考え方は企業そのものですから、働きたい企業かどうかを見極めるための重要な要素になります。

経営者のタイプはさまざまですが、大きくは、若手経営者と年配経営者にわけることができます。

どちらにも魅力があり、雇われることのデメリットも存在しています。

若手経営者と年配経営者の違いを知ることで、転職活動に新たな視点が加わり、転職の方向性を決める手助けになるはず。

そこで今回は、若手経営者と年配経営者それぞれの魅力と、雇われることのデメリットを紹介します。

若手経営者の元で働くことの魅力

若手経営者に明確な定義はありませんが、一般的には45歳未満の年齢で会社経営をおこなっている人を若手経営者と呼ぶことが多いようです。

若手経営者の元で働くには、どんな魅力があるのでしょうか。

若手経営者から刺激を受けながら成長していくことができる

経営者としての経験は少ないですが、その分経営者としての成長性に期待できます。

特にバイタリティーがある若手経営者の場合は、積極的な事業展開や情報収集をおこない、自身も勉強をし続け、エネルギーが満ち溢れています。

このような若手経営者の元で働くことは、大きな刺激となり、自分も頑張ろうという気持ちになります。

仕事へのやりがいも感じやすく、夢中になって取り組むことができるのではないでしょうか。

若手経営者は柔軟性があり人の意見も聞く

若手経営者の傾向として、外部への経営相談を積極的におこなっていることがあります。

自身が経営経験が少なく未熟であることを理解しているからこそ、人の意見を聞き、柔軟性をもって経営に取り組めるのです。

労働者にとっては、企画や提案をしやすい、自分の好きな仕事をやらせてもらえるチャンスが広がるといった魅力があります。

若手経営者の元で働くことのデメリット

経営者としての経験値が低めの若手経営者の元で働くにはデメリットもあります。

リスクも想定し、許容できるかをじっくり考えてから転職に踏み切りましょう。

労働や税金など法律に関しての知識が薄い場合がある

従業員を雇うには各種労働法を順守する、税金や社会保険の適正な納付をおこなうなど、事業主としての責務を果たさなくてはなりません。

若手経営者の場合、営業活動をする、投資をおこなうといった「攻め」の姿勢があるものの、企業経営の基本となる法律に関しては手薄になりがち。

企業全体を見ると、営業部門は強くても、経理や人事労務、法務などのバックオフィス系は人材が不足しているケースもよく見られます。

若手経営者が経営する少人数のベンチャー企業が「労働基準法などあってないようなもの」となりやすいこともその証拠。

長年に渡って経営ノウハウを身につけており、人事労務や法務部門を強化してきた年配経営者との違いはここにあります。

法律を守れない企業は、いつ転落していくか分からないため、そこで働く労働者にとっても大きなリスクが潜んでいると言えます。

計算ができず大きなリスクを抱えることがある

若手経営者と言うと聞こえがいいですが、若いうちに起業し、多額の借金を背負ってしまう人も少なくありません。

共通しているのは、計算ができないこと。

自分のやりたいことがあったり、クリエイティブで斬新なアイデアは思いつくのですが、肝心なお金の計算ができないため、借金の返済計画がむちゃくちゃだったり、こだわってコストをかけ過ぎることで赤字続きになったりします。

労働者としては、給与未払いになる、経営者が突然夜逃げをして失業することになるといった危険があります。

年配経営者の元で働くことの魅力

経営者としても、人間としても経験値が高い年配経営者。

年配経営者の元で働くことも多くの魅力があります。

圧倒的な経験と器の大きさ

年配経営者の魅力は、経験に裏付けされた知識と持論があり、従業員たちを導いてくれるところ。

大きな器があり、従業員を我が子のように包み込んでくれます。

人生経験も豊富なため、話題の引き出しも多く、話を聞いているだけでもとても勉強になります。

こうした年配経営者の元で働く従業員は往々にして忠誠心が高く、会社のため、経営者のために誠実に真面目に働く人が多いです。

「穴」がない経営ができる

経営者が年配であることは、それまで長きに渡って企業経営が継続されてきたことを示しています。

多くの企業が倒産していく時代において生き残ってきたのは、確かな経営を続けてきた証。

こういう企業は「穴」がないのです。

組織マネジメント力があり、攻めと守りのバランスの取れているため、安定経営につながります。

コンプライアンス違反を犯さないよう、企業経営の足元をすくわれないためにも、バックオフィス系もベテランたちを揃えています。

従業員の中でスペシャリストと呼ばれる人を大切にし、しっかり貢献してもらっているのが年配経営者なのです。

年配経営者の元で働くことのデメリット

年配経営者の元で働くことは、それなりにリスクもあることです。

雇われて働くにはどんなデメリットが考えられるのでしょうか。

年配がゆえに二世問題が発生する

年齢的に経営を継続するのが難しくなってくると、経営者の子供が会社を引き継ぐことが多々あります。

敏腕経営者とはいえ人の親。

自分の子供は可愛いため、甘やかされて育っていたり、社会に一度も出ないまま企業の重役に据えられることがあるのです。

いくら年配経営者を尊敬し尽くしてきた従業員でも、二世になった途端に軽んじられ、意見が聞き入れられなくなるのはよくある話。

株主の目が届く大手ならまだしも、中小企業の二世問題は、多くの労働者を悩ませています。

考え方が保守的になりやすい

年配経営者の場合、考え方が古く頑固になりやすいという特徴ももっています。

柔軟な考え方ができる年配経営者もいますが、若手経営者に比べると、これまでの経験や考え方を手放せない人が多いのです。

時代の流れ的に「こうした方が業績が上がる!」という提案をしても、なかなか受け入れられない可能性も。

企画や提案力のある人にとっては、歯がゆい思いをすることもでてきます。

転職先を見極めるために転職エージェントを利用しよう

今回ご紹介した経営者の特徴は、もちろんすべての経営者に当てはまるわけではありません。

若くても慎重で法律知識が豊富な経営者もいれば、年配でも柔軟な頭をもち攻めの経営をおこなう経営者もいます。

重要なのは、自分が応募する企業の経営者がどんな考えをもっているのかという点。

転職してから後悔しないためにも、転職エージェントを使って事前に調べておきましょう。

業界事情や企業の内情に詳しい転職エージェントなら、有益な情報を提供してくれるはずです。