ワークライフバランスが鍵となるこの時代、女性だけでなく、男性の育児参加の重要性が指摘されています。

イクメンといったワードも注目されるようになりましたね。

イクメンの影に隠れがちですが、実は非常に重要な存在と言えるのが「イクボス」。

部下をまとめる立場の方や職場の働き方改革を任されているリーダーは、イクボスが気になっていることでしょう。

まだまだ希少な存在のイクボスになるには一体どうすればいいのでしょうか。

今回は、イクボスを妨げる壁と、イクボスになるために働くママを参考にすべき理由を紹介します。

家庭のために遅くまで残業するのは古い!

日本では古くから「男は仕事、女は家庭」という考え方が根強くあります。

働き方の多様化が進み、女性が社会で活躍するようになってはいるものの、男性については「男は仕事してナンボでしょ!」と思っている人は大勢いますよね。

しかし、先輩パパを見ても、男性が仕事だけを熱心にやることで、結局は辛い思いをすることが多々あるとわかります。

たとえば、夫婦仲が悪化して離婚したり、子供から「パパよりママが好き」なんて言われたり。

一体何のために働いてきたのかと途方に暮れる、ということを繰り返しています。

「家庭のためだから仕方がない。」と我慢して、遅くまで残業し、家庭を振り返らないのはリスクがあります。

すでに失敗した人がいるのに同じことをするのは、古い考え方に固執しているからなのです。

イクメンが少ないのはイクボスがいないから

随分前から言われるようになった言葉に「イクメン」があります。

イクメンは単に子供がいる男性のことを指すのではなく、積極的に育児に参加し、自分一人でも、子供の食事の世話やおむつ替えなど、育児にまつわるさまざまな行為ができる人。

楽しみながら子供と関わる時間をたくさん持っているイメージですよね。

しかし、言葉が流行るのとは裏腹に、一般社会ではイクメンはまだまだ少ないのが実情。

理由は、イクメンに理解がある上司「イクボス」がいないからです。

男性が仕事と育児の両立を考えると、子供のお迎えや発熱等で仕事を抜けたり、休んだりする必要がでてきます。

上司の女性への理解は徐々に進んでいるものの、男性に対しては「奥さんはいないの?」と言ってしまう上司は非常に多いのです。

イクボスは皆の働く環境を作って管理する人

イクメンだけではありません。

働くママが仕事と育児を両立するためには、上司の理解は不可欠。

上司の理解がないことで肩身の狭い思いをし、転職を決心する優秀な女性は少なくありません。

イクボスとは、イクメンや働くママ、親の介護が必要なベテラン社員など、すべての人が、時間に制約を受けながらも生き生きと働ける環境を整え、管理する人のことなのです。

イクボスになりたいと思ってもなれないのはなぜ?

少子高齢化が進み、一人一人の労働力が貴重になっている今、イクボス育成の重要性が叫ばれています。

役職に就いている方でも、イクボスになろうと奮闘している方は多いのではないでしょうか。

しかし、イクボスを目指しても実際になるのは非常に難しい点があります。

イクボスになりたいと思ってもなれないのは、一体なぜなのでしょうか。

不安が邪魔してなれない

まずは、イクボス希望者本人の気持ちの問題。

イクボスになるということは、自ら早く帰ったり、部下たちに働きかけたりするなどし、職場全体を引っ張っていく必要があります。

こうした仕組み作りがうまくいくのか、仕組みができてもこれまで通りの成果を挙げられるか、職場全体の業務時間が減ることで自分の上司や会社からの評価が下がることはないのか。

イクボス希望者にはさまざまな不安がよぎることでしょう。

不安があれば「もう少しモデルケースがでてきてから実行すればいいや。」となるので、いつになってもイクボスが増えてこないのです。

イクボス希望者のボスの考え方が古い

イクボス希望者のボスは50代前後の人材になります。

今の50代前後の人は「残業してこそ一人前」「家庭は妻に任せて仕事に没頭するのが男の役目」といった時代にバリバリ働いていた人。

時代に合わせた柔軟な頭をもっている上司でなければ、「自分たちのときは妻に育児を任せて仕事に邁進したものだ。」と、比較してしまうのです。

簡単に言えば、イクボス希望者のボスは古い考え方の人が多いということ。

イクボスになりたくとも、そのボスという壁があり、簡単にはなれないのです。

イクボスが手本にすべきは働くママさんである理由

イクボスを目指す上で欠かせないのは、働くママさんたちの研究、分析。

イクボスが誰より手本にすべきは「仕事と家庭の両立」をこなしている先輩ママさんたちなのです。

メンタルの強さが違う

家庭と仕事の両立については、圧倒的に女性の方が先を行っています。

まずはメンタル。

女性の場合、出産という物理的な行為のために仕事を一旦休まざるを得ないこと、10ヶ月もの間子供をお腹の中に宿して育んできた母性がありますから、「絶対に子育てと仕事を両立させる!」という強い意志があります。

男性は奥さんが苦しんで出産しても「なんだか実感が沸かないんだよね。」なんて言う人が多いことからも、子育てへの意識が残念ながらママより低い傾向にあります。

働くママのメンタルの強さを学びましょう。

時間の使い方が上手

もともと、男性に比べて女性の方が、何かを同時進行でおこなうことが得意。

時間の使い方が上手なのです。

男性も女性も仕事と育児を両立させ、結果も残すには、時間をいかに効率よく使うかが重要でしょう。

働くママたちはどんなふうに工夫しているのかは、男性社員にも取り入れるべき点です。

周囲に上手に甘えることができる

育児や介護など、何らかの制約を抱える社員には、周囲のサポートが不可欠。

自分一人で何でもやろうと躍起になるのではなく、上手に甘えながら仕事も育児もおこなうのが、長く同じ職場で働き続けるためのコツと言えるでしょう。

女性は元来性格が柔らかく、普段から周囲への気遣いができることもあり、上手く甘えることができます。

イクボスは女性の甘える術を、イクメン社員たちに伝授していく必要があります。

企業の考え方を変えるのはできないから転職も手

イクボスやイクメンへの理解は、大手を中心に広がってきていますが、「自分の勤務先では遠い世界の話」と思うような職場もあるでしょう。

イクボス目指して今の場所で奮闘するのも1つですが、現実的に組織全体を変えるのは至難の業。

時代に合った考え方ができ、育児中の優秀な社員たちを受け入れている優良な企業へ転職する方が早いとも言えます。

育児への理解がある企業は、転職エージェントを利用すれば見つけることができます。

転職エージェントは企業情報に詳しく、求職者の希望に沿った企業を探してくれるため、あらかじめ希望を伝えておけば、求人紹介が受けられるからです。

スケジュール調整など、さまざまなサポートをしてくれるため、在籍しながらの転職活動が叶うのもメリット。

上手に利用し、イクボスになれる職場に転職しましょう。