「仕事にやりがいを感じている。」

「好きなことを仕事にできている。」

こんなふうに感じながら仕事ができれば最高だと思うかもしれませんが、仕事はやりがいや好きという気持ちだけで成り立たない側面があります。

やりがいある職業に就いている方の悩みとしてよく聞かれるのは「やりがいはあるけど低賃金」ということ。

仕事自体には何の不満もないけれど、お金を稼ぐ手段としては適していないのではと感じることがあるのです。

このとき、お金かやりがいかを2者択一で選ぶのではなく、もう少し広い視野で考えてみませんか?

そこで今回は、やりがいはあるけど低賃金の仕事のメリット・デメリットと、低賃金の仕事が辛いと感じたときの対処法を紹介します。

やりがいはあるけど低賃金の仕事のメリット

まずは、やりがいはあるけど低賃金の仕事のメリットから考えていきます。

どんなメリットがあるのでしょうか。

自己肯定感が高く精神的に安定する

仕事に心底やりがいを感じている人は一体どのくらいいるでしょうか。

「仕事だから我慢してやっている。」「やりがいより稼ぐ方が大事。」といった考えのビジネスパーソンは非常に多くいます。

この考え方を否定することはできませんが、今の仕事にやりがいを感じられるなら、それはとても素晴らしいことだと言えるでしょう。

仕事へのやりがいは、自己肯定感情を高く保つことにつながります。

仕事を通じて自分を認め、幸せを感じ、精神的にも安定するでしょう。

ストレス社会と言われる現代において精神面が安定しているのは、健康状態や仕事のパフォーマンスに良い影響を与えます。

転職を繰り返さないため生涯賃金で見ると差がない

低賃金でもやりがいを感じられる仕事の場合、賃金以外の不満要素が少なく、むやみに転職を繰り返すことがなくなります。

1つの場所にとどまることは、月々の給与が低かったとしても、長い目で見ると金銭的なメリットもあります。

代表的なものは退職金。

退職金の多くは勤続年数によって増える仕組みになっています。

給与が高い職場を転々として退職金額が少ないケースと、給与が低い職場で長く勤めて、勤続年数に応じた退職金を受け取るケースとでは、生涯賃金で見て大きな差がない可能性もあります。

ほかにも、昇給や有給休暇付与、ボーナスなど、勤続年数によって変化する金銭的なメリットは複数ありますので、低賃金が必ず悪いというわけでもないのです。

モチベーションを保てるから成長できる

やりがいを感じて仕事に取り組むと、モチベーションにつながり、自身の成長のためにスキルを磨く、知識を吸収するといった意欲が生まれます。

嫌々やっているわけではなく、楽しみながら学んでいるので、周囲からは「努力している」と思うようなことでも、ストレスを感じず長く続けることができるわけです。

こうした努力は本人のレベルアップを促し、会社からも評価される、あるいは転職時にいい条件提示を受けることができるでしょう。

やりがいを感じられる仕事は、今は低賃金でも、将来的には高い収入を得る可能性も秘めているということです。

やりがいはあるけど低賃金の仕事のデメリット

やりがいはあるけど低賃金の仕事にはデメリットもあります。

現実問題としてきちんと整理しておきましょう。

生活に困窮する

最低賃金というラインがあるとはいえ、低賃金の仕事では正直生活が厳しいことはよくあります。

特に、自立して一人暮らしをしている方、シングルマザーといった方は大変でしょう。

いくらやりがいを感じていても、生活に困窮してしまうようでは、別の仕事に代えざるをえないと感じることがあります。

自分を高める方法が限られる

仕事につながる資格を取得したい、スキルアップのために学校に通いたいなど、向上心をもって自分を高めようと思っても、それにはお金が必要になります。

低賃金の仕事の場合は、その賃金は生活以外に充てることはほとんどできないため、仕事の中で学ぶ、図書館などで無料の書籍を読むなど、限られた方法で自分を磨いていかなくてはなりません。

最短ルートで求めるスキルや知識を手にできない可能性もあります。

家族や恋人に苦労をかける

やりがいは自分の感情ですが、お金は家族や恋人など大切な存在にも関わることです。

お金があれば苦労をかけなかったり、好きなものを買ってあげる、好きなことを体験させてあげることもたやすくなります。

お金がなければ幸せにできないわけではないけれど、お金は幸せにするためのツールであることもまた事実なのです。

やりがいはあるけど低賃金の仕事への対処法

低賃金であることが辛くなると、仕事へのやりがいを取るか、やりがいはなくても給与が高い仕事を探すかといった2者択一の考えに偏りがちです。

しかし、完全にどちらかを選ばなくても、状況を改善する方法はあります。

今の職場で賃金アップする方法を考える

やりがいを感じている今の職場で賃金がアップする方法はないでしょうか。

たとえば資格手当。

会社の就業規則によっては、資格ごとに手当がつく場合があります。

仕事に関連する資格なら自分のためにもなりますし、毎月の賃金が数千円でも上がるなら、その分を家族や恋人のために使うこともできます。

仕事を楽しみお金の不安は副業で対処する

生活に困るほど低賃金なら、副業をしてみるのも1つです。

仕事が楽しいなら気力を保ちやすいため、平日の夜や休日など空いた時間を使って簡単な副業をしてみましょう。

最近はインターネットを使って誰でも稼げる副業も多いです。

お金の不安は別の方法で対処できれば、好きな仕事を手放す必要もないでしょう。

職種を変えずに働く場所を変える

給与形態や評価方法は、企業によって大きく異なります。

せっかく今の仕事にやりがいを感じているなら、仕事は変えず働く場所を変えることで、賃金アップにつながる可能性は高いです。

おすすめなのは、職種を変えない転職。

経験が活かせて転職もしやすいですし、仕事内容をしっかり確認しておけば、今の職場と同じようにやりがいを感じることもできるでしょう。

転職エージェントを利用すれば、仕事内容の詳細や職場の実態など、募集要項には載っていない情報を得ることができますから、うまく使って転職活動しましょう。