看護師の方は「夜勤専従看護師」という働き方を聞いたことがないでしょうか。

夜勤に抵抗がない方ならさまざまなメリットがあるため、転職して夜勤専従看護師になりたいと考えることもあるでしょう。

夜勤専従看護師は特殊な働き方ですので、事前によく調べておき、本当に夜勤専従でやっていけるのかを慎重に判断することが大切です。

今回は、夜勤専従看護師のメリットデメリット、転職における注意点と求人の探し方を解説します。

夜勤専従看護師とは?

夜勤専従看護師は、その名のとおり夜勤を専門で担当する看護師のことです。

看護師の勤務時間帯は、医療機関によって異なるため多少前後しますが、正社員の場合は下記のような時間帯で働くことが一般的です。

  • 日勤  8:30~17:00
  • 3交代制 準夜勤 16:30~1:00
  • 3交代制 深夜勤 0:30~9:00
  • 2交代制 夜勤 16:30~9:00

夜勤専従看護師は、2交代制か3交代制かを問わず、準夜勤、深夜勤務を専門におこないます。

夜勤専従を前提として雇われる非常勤やアルバイトも多いと言われていますが、常勤の看護師もいます。

たとえば、普通に看護師として病院に就職し、病院の夜勤専従制度を利用して、特定の月だけ専従で働くといった看護師もいます。

夜勤専従看護師の場合、1ヶ月の夜勤勤務時間に制限はありませんが、心身ともに負担が大きい夜勤を専門で担当することを考えると、日本看護協会では「144時間」以内に抑えることを提唱しています。

参照:日本看護協会
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/faq/index.html

夜勤専従看護師に転職するメリット

一般的に夜勤は、体力的な負担の大きさや家庭との両立の難しさなどから、デメリットの方に目が向きがちです。

確かに「夜勤はできればやりたくない。」と考える看護師は多くいます。

しかし、夜勤をやりたがる看護師もいて、それはメリットがあるからです。

夜勤専従看護師を希望する方は特に夜勤のメリットを感じていますが、どんなメリットがあるのでしょうか。

とにかく稼げる

夜勤専従看護師のもっとも大きなメリットは収入です。

看護師の夜勤は、労働基準法で定められた2割5分増しの深夜手当がつくだけでなく、医療機関によってプラスαの上乗せ手当がつくことが多くなっています。

下記は日本看護協会が公表している「病院看護職員の需給状況調査」による結果で、医療機関が看護職員に支給する夜勤手当の平均値を示しています。

  • 3交代制 準夜勤 4,399円
  • 3交代制 深夜勤 5,490円
  • 2交代制 夜勤 11,276円

参照:日本看護協会「2011年病院看護実態調査」
https://www.nurse.or.jp/home/publication/seisaku/series.html

これに加え、医療機関によっては「回数加算」などと呼ばれる、夜勤回数に応じたプラスの手当がつくことがあります。

ある一定回数以上の夜勤をすると通常の夜勤手当に加算される仕組みで、この場合はさらに収入が増えることになります。

看護師は他業界、他職種の人が夜勤をやった場合より多くの手当をもらえるため、夜勤をやればやるほど稼げるのです。

看護師はもともと女性が多い職種の中で高収入の部類に入るため、他業界で働く同世代との差は歴然です。

さらに夜勤専従看護師は夜勤回数が圧倒的に多いため、一般的な看護師より収入が多いのは容易に想像できるでしょう。

夜勤専従看護師の経験がある方から話を聞くと「専従の時期は人生で一番稼いでいた。」と言うくらいです。

通勤回数を減らせる

夜勤専従看護師は通勤回数を少なくできるのもメリットです。

たとえば、家庭の事情で夜勤ができず、日勤帯のみの勤務をする看護師の通勤回数は、月20回前後が一般的。

一方、2交代制の夜勤のみおこなう夜勤専従看護師の場合、月9回ほどの通勤回数で済みます。

通勤回数が少ないと、時間が効率的に使えること、場合によっては通勤交通費の節約にもなります。

通勤交通費が支給されることは一般的ですが、月の上限が決められていることもあるからです。

交通の便が悪い地域に住んでいる方など毎日の通勤に不便さを感じていた場合は、通勤回数がなくなることでストレスも減るでしょう。

連休が取得しやすい

どのタイプの夜勤をおこなうかにもよりますが、夜勤専従の場合は連休が取得しやすいメリットもあります。

たとえば2交代制の職場で16:30~9:00までの夜勤をおこなう場合。

1回あたりの勤務時間は休憩も含めて16.5時間と長くて大変ですが、夜勤明けの翌日は少なくとも休み、月の中で2~3日の連休が発生することもあります。※一般的な回数である9回をおこなった場合

連休中でもゆっくり体を休ませる必要はありますが、連休を取得して旅行などに行きたいという方にはメリットがあると言えるでしょう。

体調管理がしやすい

看護師は夜勤があることから体調管理が難しい仕事だと言われることが多いですよね。

これは、夜勤帯に起きているということと、日勤と夜勤の混合シフトによる生活リズムの不規則さによるものです。

夜勤専従看護師は夜勤帯に起きているため、健康的とは言えないものの、混合シフトに比べると生活リズムは安定します。

夜型の生活に慣れている人にとっては、一般的な看護師よりむしろ体調管理がしやすいと考える人も多いです。

昼に用事を済ましやすい

社会人になると、銀行や市役所などに用事があるけど仕事で行けないということもありますよね。

夜勤専従看護師の場合は昼間はフリーなので、用事を済ませやすいメリットもあります。

リフレッシュで買い物したりスポーツをしたりするにも、昼の方がしやすいでしょう。

もともと看護師は日勤や夜勤の混合シフトなので、事務職などと比べて昼間に行動しやすいですが、混合シフトの場合は正直昼間は寝ていたいところ。

夜勤専従なら連休もあるため、より昼間の時間を有効活用しやすいこともあります。

人間関係が気楽

夜勤専従看護師の中には、夜勤帯における人間関係の気楽さをメリットに挙げる人もいます。

一般病棟の場合、夜勤帯の人員数は少ないため、日勤帯勤務に比べると多くの職員と顔を合わせる機会が減ります。

職場長とも会わなくなることもあります。

看護の現場では職場長クラスになると、夜勤をやらなくなることが一般的だからです。

申し送り時や職場長が当直に入っているときなどに会うことはありますが、一般の看護師に比べて顔を合わせる機会はかなり少なめと言えるでしょう。

同僚や職場長に気を使うのが嫌だという方にとっては気楽さがあるようです。

日勤帯のようにバタバタしない

夜勤時間帯の業務はどんな医療機関かによっても異なりますが、患者さんも寝ているため、比較的業務が落ち着いていることも多くなります。

日勤帯はとにかくバタバタ動き回っていますが、夜勤専従だと業務を自分のペースでできることをメリットだと感じる看護師もいます。

夜勤専従看護師に転職するデメリット

夜勤専従看護師には多くのメリットがあるため、「夜勤専従もアリかも。」と思うかもしれませんね。

夜勤専従看護師は大変な面も多いためよく考えてからにしましょう。

ここからは、夜勤専従看護師に転職するデメリットを紹介します。

夜型になって体調を崩しやすい

混合シフトに比べて生活リズムが安定しやすい夜勤専従ですが、やはり夜勤帯に起きているのは、体の仕組み上負担があります。

自分では大丈夫だと思っていても、急に体調不良になることも。

収入のために夜勤専従看護師になったけれど、体を壊して結局退職し、長期療養になってしまった人もいます。

体への負担を考えると、手放しにおすすめできる働き方ではありません。

急変への対応や責任の重さがある

夜勤帯では、患者さんの急変が起きたときに少ない人数で対応しなくてはなりません。

何もなければ落ち着いている夜勤帯でも、何かが起きたときには大変です。

もともと看護師は命に関わる責任の重さがある職業ですが、夜勤専従の場合は自分1人にかかる負担がより大きなものとなります。

人間関係にデメリットを感じることも

夜勤時間帯の人の少なさから人間関係が気楽だと感じる人もいますが、反対に人が少ないことが苦痛になる場合もあります。

夜勤時間帯に入る他の職員と相性が悪い、頼れる職員がおらず精神的な負担があるなど。

人が少ない分、相性がいい相手とは楽しくやれますが、逃げ場がないとも言えます。

プライベートで問題になる

夜勤専従看護師は、プライベートで問題になることもあります。

1回の拘束時間が長くなりがちなので、友人や恋人と連絡がつきにくい、家族から体調を心配されるなど。

もともと看護師は土日祝日関係なく働く仕事なので、夜勤専従になることでさらに予定を合わせにくくなることもあるでしょう。

結婚している看護師の場合は家庭との両立は難しくなり、配偶者が不満に感じる可能性もあります。

夜勤専従看護師は、未婚の方か、お子様が成人して手が離れた看護師の方が向いていると言えるでしょう。

出世がしにくい

出世を考えている看護師は、夜勤専従より一般的なシフトの方がチャンスがあります。

いろいろなシフトを経験する方が、視野も広がりやすく多くの職員と接するため管理職としてのスキルも磨きやすいからです。

前述したように夜勤専従は職場長と顔を合わせる機会が少ないため、職場長から働きぶりを評価されにくい環境ということもあります。

もちろん、職場長は自分がいない時間帯に誰がどんな働きをしていたのかを、係長やリーダーなどから聞いて判断するようにはしています。

ただ、やはり直接近くで働いている職員の方が目に入りやすく、役職推薦もしやすいという一面はあります。

ごく短期だけ夜勤専従になり、夜勤も頑張れることをアピールするならいいかもしれません。

夜勤専従看護師に転職するときの注意

夜勤専従看護師に転職したいと考えている方は、本当に夜勤専従でやっていけるのか、どんな点に気をつけて夜勤専従になればいいのかを慎重に判断すべきです。

ここからは、夜勤専従看護師に転職する際の注意点を紹介します。

期間を区切って夜勤専従で働く方がいい

夜勤専従はかなりの稼ぎにつながるため、何か目的があってお金を貯めたい方に大きなメリットがあります。

一方で、夜勤のみを続けることには体力的にも負担があることなので、長く続けることはおすすめできません。

期間を限定して働くことで金銭的なメリットを受け、体も壊さずに済むのではないでしょうか。

経験を積まなければ難しい働き方

夜勤専従は何かあったときの対応力や知識、落ち着きが問われる働き方です。

その証拠に、新人看護師が夜勤専従になるケースはほとんどなく、中堅~ベテラン看護師が主に夜勤専従となっています。

夜勤専従看護師になるのに明確な経験年数は定められていませんが、医療機関によっては職場長面談があり、新人でいきなり夜勤専従になりたいと言っても、力量不足を指摘される可能性もあります。

少なくとも2~3年の看護師経験がないと、自分自身も不安感が大きいですし、いざというときに対応できなければ患者さんに迷惑をかけることにもなります。

申し送りは重要

看護師はどの時間帯で働く場合でも、「申し送り」と呼ばれる情報伝達の時間があります。

1人の患者さんに同じ看護師がずっとつくわけではありませんので、患者さんや院内の情報を共有しておくことで適切な処置をしていきます。

特に夜勤専従になると日勤時間帯で起きた情報が入ってきにくい環境になるため、申し送りが非常に重要となります。

職場ルールに基づいた申し送り事項のほか、自分なりに「これは聞いておきたい!」と思う点なども、日勤帯の看護師からしっかり情報収集しておく必要があるでしょう。

日勤帯を代わってあげると夜勤専従手当がつかなくなる?

夜勤専従看護師には原則として日勤帯の勤務はなく、急なシフト変更などで突発的に日勤をおこなったとしても月1回ほど。

さらに恒常的に月1回の日勤があるのも無理があるとされています。

ここで1つ注意点があります。

医療機関の規則によっては、夜勤専従看護師が日勤帯勤務をおこなうと、その月は規則上では夜勤専従とみなされないこともあります。

たとえば、夜勤専従看護師として夜勤手当のほかに専従特別手当などが数万円ついていた場合、法律上定められた夜勤手当は支給されても、特別手当がつかない可能性もあります。

勤務先のルールをよく知らず、急な休みの人からシフトに入ることを頼まれて親切で代わってあげた場合、自分が損する可能性もあるということです。

夜勤専従については勤務先ごとのルールもあるため、詳細まで確認しておくことが大切です。

夜勤専従看護師求人の探し方

夜勤専従看護師への転職に興味がある方は、どのように求人を探せばいいのかも気になるところでしょう。

夜勤専従看護師の求人は一般的に見つかるものでしょうか。

夜勤専従看護師求人の探し方を紹介します。

夜勤専従看護師は人気が高い

夜勤をやりたくない看護師にとっては「夜勤専従看護師なんて誰もやりたがらないのでは?」と感じるかもしれませんね。

しかし、夜勤専従看護師は今回ご紹介したさまざまなメリットがあることから、人気の働き方となっています。

求人がでてもすぐに埋まってしまうこともあるため、本気で夜勤専従になりたいなら、常に情報収集をおこない、適切なタイミングで動き出すことも必要です。

医療機関のHPや問い合わせで確認する

特定の医療機関で働く希望があるなら、医療機関のHPで確認してみることもできます。

夜勤専従枠に言及していることもあれば、制度自体はあっても一般公開はしていないこともあります。

人事部などに問い合わせすれば夜勤専従制度を導入しているかが分かるため、確認してみてもいいでしょう。

ただし、常勤の場合は夜勤専従を前提として雇ってくれることは少ないです。

基本的には一般の看護師同様に経験を積み、夜勤専従でもやっていけると判断されれば夜勤専従を申し出るといった形になります。

看護師専用の転職エージェントを利用する

看護師の転職では、看護師専用の転職エージェントを利用する方が多いですが、夜勤専従に絞って探したい場合にもメリットがあるツールとなります。

夜勤専従には医療機関ごとの独自ルールが設けられているため、事前に聞いておくことが大切です。

特に、制度がしっかり整っていて無理なシフトを入れられる可能性がないか、夜勤専従になるための要件はあるのかなどは、自分の身を守るためにも確認しておくべき。

転職エージェントを利用すれば、応募者が聞きにくいことを代わりに聞いてくれます。

医療機関の実情に精通しているため、事前に情報提供してもらいやすいのもメリットです。

最後に

いかがでしたか?

今回は、夜勤専従看護師のメリットデメリット、転職時の注意点や求人の探し方を紹介しました。

人によっては夜勤専従看護師が大きなメリットになることもあるため、選択肢の1つに入れてみるのもいいでしょう。

ただし、夜勤専従には大変な面も多いので、ぜひよく考え、慎重に判断してください。

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