一家の大黒柱である夫がケガや病気になる、失業するといったリスクを考えたことがあるでしょうか。

今は順調に生活していても、そのときは突然やってきます。

「夫は働き続けるもの。」「夫はいつも元気でいるもの。」と思っていると、いざというときに大変な思いをすることになるでしょう。

そこで今回は、夫がケガや病気、失業等で収入が途絶えたとき、妻が取るべき行動と事前対策を紹介します。

夫がケガや病気で働けなくなるとどうなる?

まずは、夫がケガや病気で働けなくなるとどうなるかを考えてみましょう。

妻や家族へ与える影響はどこにあるのでしょうか。

経済的に困窮する

もっとも考えられるのは経済的な困窮です。

特に、妻がパートや専業主婦の場合は生活が一気に厳しくなることが予想されます。

住宅ローンの支払いに生活費、保育園代に塾の費用などもあるでしょう。

ケガや病気の場合は医療費の支払い、失業の場合は就職活動費用も必要になるため、必要出費が増えることになります。

貯金を切り崩すことになり、貯金残高が減っていくほどに不安感もでてきます。

妻が忙しくなり体力的にきつくなる

夫が働けなくなると、妻にかかる負担が大きくなります。

家事育児と自身の仕事に加え、夫に対する心身のサポートがあります。

夫が入院していれば、妻が各種手続きを代わりにおこなう必要があるため、時間がいくらあっても足りない状態に陥ります。

多忙により体力的にきつくなり、妻自身が体調不良になる可能性もあるでしょう。

子供たちを遊びに連れて行ってあげられなくなる

夫のケガや病気、失業は一家にとっての一大事ですから、趣味や娯楽費などは節約していくことになるでしょう。

遊びたい盛りの子供たちをどこかに連れて行ってあげるお金も時間もなくなり、妻が忙しいことから寂しい思いをさせるかもしれません。

子供がいる家庭では、夫のケアだけでなく子供たちの精神面も配慮する必要があるのです。

夫婦間がギクシャクする

夫が働けなくなったことが原因で夫婦間がギクシャクすることはよくあることです。

経済面での不安から発せられた、妻のこんな一言がきっかけです。

  • 「少しくらいの体調不良なら会社に行けば?」
  • 「これからどうするの?」
  • 「一刻も早く仕事を見つけてきてよ。」

夫がケガや病気、失業などで収入が途絶えたとき、真っ先に妻がかけるべきは夫の心配や労いの言葉であるにもかかわらず、先の不安から夫を責めるような言葉を言ってしまうのです。

これまで妻や子供のために一生懸命働いてきたのに、心無い言葉を投げかけられることで、妻への信用を失ったり、再就職への意欲がなくなってヤケになってしまうことがあります。

夫がケガや病気で働けなくなったときに妻が取るべき行動は?

夫の緊急事態に妻は動揺し、何から手をつければいいのか分からなくなってしまうものですが、落ち着いて1つ1つクリアにしていきましょう。

ここからは、妻が取るべき行動について紹介します。

まずは、夫がケガや病気で働けなくなったケースを見ていきます。

心身のサポートをおこなう

ケガや病気で働けなくなり一番大変な思いをしているのは夫です。

体が思うように動かず精神的にも不安になるでしょう。

心身のサポートをおこなうのは、妻がもっともやらなくてはならないことです。

夫が会社員なら事務課に保険や年金の相談を

夫が会社員なら、会社の事務課に行き、保険や年金の相談をしましょう。

夫が動ける程度の状態であれば夫自身に行ってもらうこともできますが、入院や重篤な疾病で動けない場合は妻が話を聞きにいくしかありません。

ケガや病気の状況によって、収入がどうなるかが変わってきます。

短期間のケガや病気であれば、夫の有休休暇の範囲内で済むこともあり、働けない間でも収入が途絶えないため大きな問題にはなりません。

有休取得では足りないほど長期に渡るケガや病気であれば、健康保険の傷病手当金をもらうことが一般的です。

傷病手当金は休職前賃金のおよそ2/3が最長1年6ヶ月の間支給されます。※1

万が一障害状態になってしまったら障害厚生年金を受給できる可能性もあります。※2

勤め先によっては、会社か健康保険組合が独自で給付金を設けていることもありますので、必ず事務課で確認してみましょう。

そのほか、高額療養費制度は利用するのか、会社の休職制度がどうなっているのかなど、気になる点をしっかり聞いておくことが大切です。

※1 参照:協会けんぽ「傷病手当金について」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307

※2 参照:日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html

夫が自営業やフリーランスなら役所に行く

夫が自営業やフリーランスの場合は会社員のような所得補償が原則ありませんので、とにかく出費を抑えることを考えます。

国民健康保険料や国民年金料は、収入が減った場合に減額や免除を受けられることがありますので、早めに申請しておくべきです。

要件や所得審査等があり必ず受けられるわけではありませんが、通れば数万円単位での出費を抑えることにつながります。

まずは役所の窓口に相談してみましょう。

事故なら保険会社に手続きする

夫のケガや病気が交通事故を受けたことによるものなら、事故相手の保険から休業補償が受けられることがあります。

夫が加害者の場合は、加入保険会社を通じて相手方に支払うことになります。

いずれにしろ、夫本人の状態によっては、妻が保険会社の担当者とのやり取りをおこなう可能性もあるでしょう。

収入の補填を考える

夫のケガや病気の回復期間がおおよそ把握でき、各種手続きも済んで少し落ち着いてきたら、状況次第では収入の補填を考える必要もでてきます。

預貯金以外に現金化できる資産があるのかを調べる、パートなどで収入を得る、場合によっては親に借金をするといった方法もあります。

夫のケガや病気の期間をいかに乗り切るかをよく考えましょう。

夫が失業中に妻が取るべき行動は?

続いては、夫が失業してしまった場合に妻が取るべき行動を紹介します。

倒産やリストラ、職場とのトラブルなどで夫が失業状態になったら妻はどうすべきでしょうか。

もらえる手当を調べる

失業でもらえる手当と言えば雇用保険からの失業給付ですが、要件を満たしていない場合にもらえないからと諦めてはいけません。

失業給付の受給要件を満たさない場合でも、雇用保険にはさまざまな給付制度があります。

たとえば無料の職業訓練が受けられる「職業訓練受講給付金」、労働金庫の融資が受けられる「求職者支援資金融資」、家賃補助の「住宅確保給付金」など。

いずれも要件がありますので、どんな制度があり、現状でもらえるお金はあるのかを調べてみましょう。

実際に手続きするのは夫本人だとしても、情報収集のサポートをしておくことで、夫は就職活動に専念しやすくなります。

※参照:ハローワーク「失業後の生活に関する情報」
https://www.hellowork.go.jp/member/unemp_question02.html#q15

生活にかかるお金、資産状況をチェックしておく

失業給付は非常に心強い存在ですが、離職前賃金の50%~80%相当の支給率となるため、失業前に比べて生活が苦しいことに変わりはありません。

毎月かかるお金を試算し、できるだけ貯金を切り崩さないよう、削れるところは削っていきましょう。

預貯金の額や資産状況を把握しておき、いざというときの手段も考えておくべき。

夫にはとにかく就職活動に集中してもらえるよう、家計管理は妻が徹底しておこないましょう。

税金、保険の手続きをおこなう

失業中で収入が減った場合にも、国民健康保険料や国民年金の減額、免除が受けられることがあります。

また、夫が会社員でないということは、妻自身も扶養に入れなくなるということ。

パートや専業主婦で夫の社会保険の扶養に入っていた方で、夫が任意継続保険に加入しないなら、妻自身が国民健康保険料と国民年金の支払いが発生すると覚えておきましょう。

妻が厚生年金に加入していれば、夫を扶養に入れられる場合がありますので、妻の会社の事務課に相談してみることも必要です。

短期バイトなどで家計を支える

夫の失業中は、失業給付をもらえる場合でも、自己都合退職の場合は数ヶ月間無収入になります。

夫の就職活動の様子を見ていてもいつ決まるか分からないので、専業主婦なら短期バイトなどで家計を支えることを考えましょう。

バイト期間が終わりそうになってもまだ夫の就職活動に先が見えないなら、妻がフルタイムパートを探す、正社員としての就職先を探すことも必要になってきます。

預貯金を切り崩すことを先に考えると、お金がなくなるのはあっという間です。

とにかく少しでも収入源を増やすことが大切です。

周囲に助けを求める

夫の失業について、世間体を気にしたり、両親に心配をかけまいとの思いから、周囲に相談しないことがあります。

気持ちは分かりますが、こんなときこそ周囲に助けを求めるべき。

下手なプライドを捨てて夫の失業を伝えておくことで、援助が受けられたり、求人の情報などを教えてくれることがあります。

家族にとって何が一番大切なのかをよく考えてみましょう。

転職活動方法を提案する

夫の就職活動については妻があれこれ口出すことで、夫のやる気が失せたり、夫婦喧嘩の元になったりしていいことがありません。

とはいえ、夫が就職活動に行き詰まっていたら手を差し伸べたいと感じることがありますよね。

ハローワークや求人誌のみを利用して転職活動している夫なら、転職エージェントというサービスがあるということを教えてあげましょう。

あらかじめ希望の条件を伝えておくことで求人紹介が受けられたり、プロのキャリア面談や面接対策を無料で受けることができます。

今の活動方法と併用することも可能なので、知っておいて損はないはずです。

夫のケガや病気、失業に備えて妻が準備しておきたいこと

今のところ夫が元気に働いてくれていて問題のない家庭でも、いざというときのために今から準備しておくことが大切です。

夫のケガや病気、失業時に慌てないために、妻は何を心がけておけばいいのでしょうか。

むやみな浪費は避けてしっかり蓄えておく

夫のおかげで十分な収入があり、経済的に余裕がある場合でも、むやみな浪費は避けてしっかり備えておきましょう。

趣味や娯楽を楽しまないということではなく、本当に欲しいものややりたいことを厳選して賢いお金の使い方をするということです。

まずは、最低でも半年間、無収入でも家族が生活できる蓄えを目指しましょう。

いざというときに働けるように手に職を得ておく

専業主婦の妻なら、今のうちに妻自身が手に職を得ておくことがおすすめです。

仕事に使える資格を取得しておく、在宅でできる仕事でスキルを磨いておくなどの方法があります。

もちろん、今のうちから働いておける状況なら、たとえ収入的には厳しくなくても働いておくことはいい方法でしょう。

パートでも、フリーランスでもいいので、妻の収入がゼロではない状況を作っておくと安心です。

正社員妻が転職するなら早めにしておく

妻も正社員として働いていて、「いずれは転職したい。」と思っているなら、夫の非常事態の際に転職することは難しくなります。

前述したように妻は家計と夫を支えなくてはなりませんから、そのときに転職活動する時間も精神的な余裕もないからです。

今の会社に不満があったり、もっと条件のいい会社への転職を考えているなら、生活が落ち着いているうちに行動に移しておきましょう。

お金の知識を身につけておく

日頃からお金の知識を身につけておくべきです。

特に公的給付や保険料等の減額については、こちらから申告しないと受けることができません。

知っているのと知らないのとでは大きな違いになりますよ。

どんな制度があるのか、相談窓口はどこになるのかなど、概要だけでいいので知っておくようにしましょう。

普段から周りの人とコミュニケーションを取っておく

家族や友人に対して困ったときだけ頼る人はいるものですが、「今まで何の連絡もよこさなかったのに、助けてほしいときだけは甘えてくる。」と思われています。

普段から周囲と適切にコミュニケーションを取っておくことで、いざというときに相談したり、頼ることもできるでしょう。

現在余裕があるなら、周囲が困っているときは手を差し伸べる優しさも必要です。

最後に

いかがでしたか?

今回は、夫のケガや病気、失業時に妻が取るべき行動と事前対策を紹介しました。

現在どれほど安定的な生活を送っているとしても、今後のリスクはどの家庭にもあるものです。

夫が稼いでくれていることに感謝しつつ、日頃の備えもしておきましょう。