若者の活字離れやスマホの普及などにより、出版業界は不況と言われていますが、テレビドラマなどで取り上げられることも多く憧れるという方はいまだに後を絶ちません。

そこで今回は、出版業界へ転職したいなら知るべき出版業界の実情や将来性、求められる人材などについてお話していきます。

出版業界の現状

出版業界は現在転換期を迎えていると言っても過言ではありません。紙媒体の売り上げ数は減少の一途をたどっており、特に雑誌の落ち込みは深く、小さな書店や出版社の数も年々減少しています。

私たちも実際に本屋に行こうとし、知らない間に潰れていたなんて場面によく遭遇します。

一方、出版業界であっても、通信教育やチケット販売など出版物以外に強みを持つ企業の業績は堅調であり、生き残りには別ビジネスとの融合が必要なのかもしれません。

出版業界の将来性

書店などが減少する一方、インターネットで本を買う人は増加しており、出版社としてもネット販売に力を入れていくことで顧客のニーズに応えることができます。

また、電子書籍が増え、その市場はますます拡大していくと考えられます。紙媒体に対する敵のように言われることもある電子書籍ですが、電子書籍で手軽に本を読むことによって紙の本も手に取りたいと思うこともあり、紙媒体への入り口的な役割も果たしています。

また、活字離れが叫ばれる一方で、村上春樹さんなどの世界的な作家の存在や、芥川賞受賞で話題になった芸人の又吉直樹さん、同受賞の羽田圭介さんなどの若い作家の活躍もメディアで話題になるなど、まだまだ本の魅力は廃れることがないとも思えます。

出版業界としては、紙などの印刷物だけでなく、デジタルメディア事業の強化など新たなビジネスモデルを構築することが必要で、若い人材の柔軟な考えやアイディアが求められています。

そういう意味では、転職市場においても新たなアイディアを構築できるような人材が求められていると言えます。

出版業界の仕事にはどんなものがあるの?

では、出版業界での仕事にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

編集者

本や雑誌の企画立案から執筆依頼、原稿回収、デザインなど本や雑誌を作り上げることのすべての発信とまとめをする仕事です。

憧れる方も多いですが、仕事量は膨大で深夜残業当たり前とも聞くハードな仕事です。常にアンテナを張り、世の中のニーズの一歩先を行くなどの先見の目が必要かもしれません。

出版営業の仕事

書店などへ出向き本の注文を受ける仕事です。客層や立地、過去の売り上げデータなどを元に、売れる本を推測したり、説明することによって本の発注につながります。

その他、書店に陳列方法の提案するなど売り上げにつながる方法をアドバイスすることもあります。

また、テレビや新聞広告などのメディアに向けて宣伝広告を行い、それに合わせた営業活動を行うなど、本が売れやすい効率的な営業をする必要があります。

本や出版に関する幅広い知識が必要な他、データ分析能力や情報収集力なども求められます。

流通の仕事

実際に本を出版社から書店に運ぶ仕事です。本の流通専門で行っている企業の他、自社出版で専門部署を設けて流通コストを削減している企業もあります。

本を運ぶ意外にも売り上げデータを分析して納品数を決めたり、中には本自体の宣伝を行ったりと営業的要素を兼ねる場合もあります。出版だけでなく流通に関する幅広い知識が求められます。

校正の仕事

原稿の誤字脱字がないか、不適切な表現がないか、表記が統一されているかなどを確認していく仕事です。

また、試し刷りされた原稿と元原稿に差がないかを1文字ずつ確認していく作業も行います。

特に資格などはなくても就ける仕事ではありますが、人の原稿の間違いを指摘する仕事です。語彙力や正しい言葉を知っていることはもちろん、細かい神経を使って高い集中力を発揮できる人材が求められます。

総務、経理など

出版業界と言っても会社ですから、そこで働く人のための基盤を作るような総務、経理、採用担当など、その他の業界でも共通して必要な部署は当然あります。

ただ読者からの意見を電話やメールで受けたり、出版前の原稿に触れることができたりと出版業界ならではの雰囲気の中で仕事をすることはできます。

専門的な知識はないけれど出版業界で働いてみたいという方は、これらの部署で働くというのも手ではないでしょうか。

出版業界で求められる人材とは

本を取り巻く環境が変化していることなどを踏まえ、柔軟な対応力や企画力がある人が求められます。

また、作家やライターなどの魅力を最大限に引き出すためにコミュニケーション能力の高さ、育成する力なども求められます。

さらに、かなり綿密な作業も多く、粘り強く仕事に取り組める人物であることも必要です。

出版業界は人気

出版不況とは言え、憧れて応募してくる人は多くいまだに人気の高い業界です。業界自体の落ち込みが激しい中で人気ということは倍率は非常に高いと言えます。

転職組が勝ち抜くためには、なぜ出版業界で働きたいのか、不況の出版業界の中どんなところに活路を見出していくべきだと考えるのかなど、かなり深く考えまとめることが必要です。

そのような熱い想いがあれば今後の出版業界に必要な人材だと判断されることもあるでしょう。まずはその想いと自分の魅力を伝えるスキルを磨くことが必要です。

出版業界に転職したいなら転職エージェントがお勧め

前述したように人気の出版業界ですから、書類審査の段階で落とされることもよくあります。履歴書や職務経歴書などの応募書類の内容には熱意が伝わるように心がけましょう。

それには第三者のアドバイスが必要です。お勧めなのが転職エージェントに登録し、キャリアコンサルタントのアドバイスを受けることです。登録は無料ですが、履歴書や職務経歴書の添削の他、面接でのアピール方法などもアドバイスを受けることができます。

また、非公開求人を多数持つ転職エージェントですから、出版業界の求人も多くあります。ハローワークや求人誌で見つけられなった好条件の出版社なども探すことが可能です。

その他にも、面接の日程調整など具体的なサポートをしてもらえるのも良いところです。是非転職エージェントを活用して出版業界への転職の大きな手助けにしてください。

最後に:出版業界へ転職して新たな出版の道を切り開こう

いかがでしたか?今回は、出版業界の実情や将来性、求められる人物像などについてお話してきました。

変化の時期にある出版業界ですが、逆に言えば自分の企画やアイディアが採用され、新たなビジネスへと成長していくチャンスのある業界でもあります。憧れの出版業界への転職を成功させて、新しい出版の道を切り開いてください。