介護業界で経験を積み念願のケアマネ資格を取得した場合でも、ケアマネ業務未経験者にとっての転職は決して簡単ではありません。

未経験からケアマネに転職するには何が必要で、どんな点に気をつけて探せばいいのでしょうか。

今回は、未経験からのケアマネ転職における注意点を解説します。

未経験からケアマネに転職する人が覚えておきたいこと

まずは、未経験からケアマネへ転職希望の方が覚えておきたいことをお伝えします。

ケアマネは経験が重視される職種

人手不足の介護業界では未経験人材の雇用も積極的におこなわれていますが、ケアマネに限って言うと、経験がかなり重視される職種です。

介護支援専門員資格を持っていても、業務経験がない場合は転職活動が難航する場合もあると覚悟しておきたいところ。

今の職場でケアマネとしての経験を積ませてもらえそうなら、転職を留まることも1つです。

とはいえ、ケアマネになるには介護業界での経験が少なくとも5年以上はあるのですから、未経験者だからと不安になり過ぎる必要もありません。

新規施設のオープンや複数のケアマネがいて育てる余裕がある施設では、未経験ケアマネも募集しています。

諦めずに探すことが大切です。

ケアマネになれば年収がアップする?

介護職の方は低賃金が問題になっていますから、少しでも年収アップにつなげるためにケアマネになる方も多くいます。

実際問題として、介護職とケアマネの年収差はどの程度あるのでしょうか。

厚労省が公表している「介護従事者の平均給与額の状況」によると、介護職員289,780円、介護支援専門員(ケアマネ)342,440円となっています。(基本給のほか、手当、賞与等の一時金の月額換算が含まれています。)

※参照:厚労省「介護従事者処遇状況等調査 平成28年度」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/151-2b.html#link01

このデータを元に年収を計算すると、介護職員の年収は約350万円、ケアマネの年収は約410万円ということになります。

ケアマネになることで数十万単位での年収アップも期待できるでしょう。

ただし、ケアマネとしての経験年数にもよりますし、所属施設によっては介護職とほとんど年収が変わらないこともあります。

専任の場合は介護職員のように夜勤がない分、総支給額は下がることもあります。

ケアマネとしての評価体制を必ず確認すべきと言えるでしょう。

未経験からケアマネになるために必要となるスキルや経験

未経験からケアマネになるには、資格取得だけすればいいというわけではありません。

前述したようにケアマネは経験が重視される職種ですから、未経験者の場合はケアマネ業務以外の要素をしっかり兼ね備えておく必要があるでしょう。

未経験からケアマネに転職するには、どんなスキルや経験が求められるのでしょうか。

コミュニケーションスキル

介護職としての経験から磨かれているでしょうが、ケアマネにはさらに高いコミュニケーションスキルが求められます。

利用者と接するだけでなく、カンファレンスや役所との調整作業なども必要になるなど、実にさまざまな場面でコミュニケーションが発生するからです。

上手に話ができるスキルというわけではなく、人の話をしっかり聞き、柔軟な姿勢で対応できるかといった点が重要になります。

パソコンスキル

ケアマネは介護計画書を作成するためにパソコンを使った作業が多くなります。

パソコンスキルについては転職面接でも聞かれることがあるため、最低限のスキルは備えておかなくてはなりません。

ケアマネは忙しく残業が多い施設もあるため、業務の効率化を進めるためにもぜひ勉強しておきましょう。

未経験者は慣れない点も多いため、操作で時間を取られないことが大切です。

パソコンスキルと言っても基本的な操作ができればいいため、1ヶ月程度集中的に勉強すればある程度使いこなせるようになります。

自動車免許

ケアマネになるには自動車免許がないと不便です。

なければケアマネになれないわけではありませんが、自動車を運転する機会が多い職種で、
自宅に訪問する際や、書類を役所に届けるといった業務が多いからです。

特に居宅ケアマネは持っておくといいでしょう。

地方など自動車利用が当たり前の場所で勤務する場合は、応募資格として自動車免許が求められることもあります。

未経験者がケアマネとして転職する際に注意したいポイント

未経験からケアマネとして転職する際は、どんな点に気をつけて転職先を探せばいいのでしょうか。

ここからは、転職先選びのポイントを解説します。

ケアマネの人員数を確認すること

ケアマネは1つの施設に対して1人というケースも多いのですが、未経験者がケアマネに転職する場所としてはおすすめできません。

困ったときに頼れる人がいないのは、想像以上に辛いことです。

できれば3人程度のケアマネが所属している施設を探しましょう。

教育体制が整っているか

未経験者の場合は教育をしてくれるかも大切なポイントです。

研修制度があるか、先輩ケアマネたちは教育の余裕があるのかなどは事前に確認しておきたいところ。

とはいえ、面接で教育体制の点ばかり質問すると、即戦力スキルがないことを懸念される可能性があり、聞きにくい面もあります。

転職エージェントなどを利用して転職活動をおこなう場合はエージェントに聞いてみるようにしましょう。

また、経営母体が社会福祉法人や医療法人で規模が大きい施設であれば、研修や教育制度が整っている傾向にあり、未経験からケアマネになる人にはおすすめです。

反対に、小規模施設の場合はケアマネが一人か先輩ケアマネが忙しくて教育に手が回らないため、未経験者がいきなり転職すると苦労する可能性もあります。

ケアマネ業務に専念できるか

ケアマネはケアマネ業務に専念できる場合と、介護職とを兼ねて働く場合があります。

介護職兼任だと夜勤の可能性や業務量の多さも考えられます。

ケアマネ業務は手が空いたときにしかできないとなると、何のために介護支援専門員資格を取得したのか悩んでしまうかもしれません。

業務内容に関する質問は面接で積極的に聞いて差し支えないため、しっかり確認するようにしましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、未経験からのケアマネ転職に求められる点、転職先選びの注意事項を紹介しました。

未経験からケアマネに転職するのは簡単ではありませんが、誰もが未経験から仕事を覚えていくものです。

介護業界での経験に自信をもってアピールすれば転職は可能ですから、諦めずに活動していきましょう。