新卒で希望の大企業に入社し長く経験を積んできた人が、「そろそろ自分の実力を試したいかも。」と思って転職を考えることがあります。

大企業から大企業への転職であればいいのですが、中小企業やスタートアップ企業、ベンチャー企業に転職すると後悔する可能性もあるでしょう。

新卒からずっと大企業で働いてきた人は、新卒から中小企業で働いてきた人以上に転職を失敗するリスクがあるためおすすめできません。

大企業経験があればどんな場所でもやっていけそうな気もしますが、一体なぜなのでしょうか。

今回は、新卒から一度も転職経験なく大企業で働いている人が転職しない方がいい理由を紹介します。

1.好条件を当たり前に思っているから

新卒で大企業に入社すると、最初から恵まれた給与や福利厚生を受けるため「会社員はそういうもの。」と認識しています。

大企業に入る新卒者はおおむね高学歴であるため、大学の友人たちも同じような水準の大企業に就職しています。

自分が実際にもらう給与を見ても、友人たちの話を聞いても、高い水準であるため恵まれていることに気づかないのです。

しかし、世の中の企業の9割以上は中小零細企業ですから、大企業レベルの給与や福利厚生はごく限られた人しか受け取っていません。

特に、賞与や退職金、手当などは中小零細企業ではゼロということも珍しくないため、あまりの待遇の悪さに驚くでしょう。

新卒からずっと大企業で働いてきた人が転職して、もっとも後悔しやすい理由の1つと言えます。

2.大企業の看板で結果を残していたと気づくから

大企業で働いていると、取引先は自分たちより規模が小さかったり、業界内シェアが低い企業だったりします。

仕事のやり取りでは常にこちらを立て、丁寧に対応してくれるでしょう。

企業としての信頼度や看板があるため、契約も取りやすく、無理も聞いてもらえるため仕事がスムーズです。

たとえ若手人材でも企業の力を借りれば仕事がしやすい環境にあるため、自分自身が優秀だと勘違いしやすくなるでしょう。

大企業とはいえ、本当に優秀な人材もいますが、そうでもない人材もいますよね。

後者の人材が自分の力量を見誤ると、転職先で全く仕事がうまくいかず後悔することになります。

冷静に自己分析すると今までの結果は大企業の看板で残していたことに気づいて努力できるのですが、最後の最後まで気づかず、会社や職場の人のせいにする人もいます。

3.社会的信用を得ていたことに気づくから

取引先だけでなく、プライベートでも大企業の看板によって信用を得ていたことに気づきます。

親戚や友人知人たちは大企業で働いているというだけで好意的な目で見てくれますし、銀行や不動産会社なども名刺一つで信頼してくれることもあります。

新卒から大企業で働いていると、こうした社会的信用を社会人になったことで得たと思ってしまいます。

実際は、社会人になったからではなく、大企業で働いているからです。

転職して大企業所属でなくなると簡単に信用が得られにくいと知ることになります。

4.周囲からの「もったいない」に動揺するから

大企業を辞めると言い出すと、高い確率で周囲からの反対にあうでしょう。

反対を押し切って転職できても、現在の仕事の状況を聞かれてよほど成功を収めていない限りは「大企業を辞めなければ良かったのに。もったいないね。」と言われることになります。

他人の意見など聞き流しておけばいいのですが、「もったいない」を連呼されるたびに、自分自身にも後悔の気持ちが湧き出てきます。

「本当にこれで良かったのだろうか。」と自問自答する日々に耐えることになるのです。

5.「お手並み拝見」で教えてもらえないから

自分自身がひた隠しにしたとしても、転職した先で「〇〇企業出身者」という事実は知れ渡ることになります。

中小零細企業で働く人たちは、大企業で働く人に憧れを抱いていたり、激しいやっかみを持っていたりします。

大企業出身というだけで優秀であることを前提として対応されるため、業務内容について丁寧に教えてもらえないことも多々あります。

中には「大企業出身者はどのくらい優秀か?」と、お手並み拝見的にわざと教えない人もいます。

中途採用者でかつ大企業出身とはいえ、転職先では業務内容や仕事のやり方が大きく変わりますから、しっかり教えてもらえず苦労する可能性もあります。

6.周りのレベルの低さに驚くから

新卒からずっと大企業で働いてきた人は、周りの社員たちしか知らないため、その水準を一般的だと思っています。

はっきり言って、大企業で働く人は優秀です。

世間一般的な水準は超えていると思っておきましょう。

中小企業やベンチャー企業に転職して周りのレベルの低さに驚いたり、最初は何を言っているのか理解できなかったりすることもあります。

もちろん、中小企業やベンチャー企業にも優秀な人たちも多数います。

中小企業やベンチャー企業には、「いろいろな人がいる」ということ。

大企業は同じように高偏差値出身の人が集まり、組織に馴染むために個人色をあまりださずにいる人が多いですが、中小企業やベンチャー企業ではいい意味でも悪い意味でも個性的な人が集まるのです。

結果的に、レベルが低い人材にも遭遇する確率が上がることになるわけです。

レベルの低い人材と言っても人柄が悪いわけではないのですが、たとえば

外部から人が来ても挨拶できない人
頻繁に遅刻する人
敬語の使い方をほぼ間違っている人
基本的なパソコン操作ができない人
漢字の読み書きや九九ができない人

といった人材に出会う可能性も高くなります。

企業の教育体制の問題もあるため、一概に言えることではありませんが、大企業で上記のような人材はあまり見かけることはないでしょう。

7.扱う仕事の規模が小さくなるから

大企業と中小企業やベンチャー企業とでは、扱う仕事の規模が異なります。

圧倒的に資金力がある大企業では1件あたりの取引額が高額だったり、多数の人員が関わるプロジェクトを担当したりといった「大きな」仕事があります。

大変さもありますが、その分やりがいや達成感も持ちやすいでしょう。

中小零細企業では仕事の規模が小さくなる代わりに件数は多くなるため、1件あたりの達成感が低いのにやけに忙しいといったことが起こります。

もちろん、扱う仕事の規模は大きいからいいというわけではありませんが、人によっては物足りなさを感じることになります。

新卒からずっと大企業で働いてきた人が転職前に肝に銘じておきたいこと

新卒からずっと大企業で働いてきた人は、よほどの理由がない限りは転職をおすすめしませんが、どうしても転職したいケースもあるでしょう。

耐えられない事情や絶対にやりたいことがあるなら我慢する必要はありませんので転職するのも1つです。

ただし、必ず肝に銘じておきたい点がありますので覚えておきましょう。

今よりいい条件はない

まずは、給与や待遇など労働条件についてですが、今より良くなることはまずないと思っておきましょう。

大企業の経歴があるとベンチャーやスタートアップ企業からヘッドハンティングされることもあり、好条件を提示されるかもしれません。

しかし、実際に働いてみると福利厚生がほとんどなかったり、賞与や退職金額が低かったりして、条件面での満足感は下がることの方が多いです。

ヘッドハンティングや紹介ではない通常の転職では、今以上の条件の企業を探すのは至難の業だと思っておきたいところ。

大企業の立場を手放すからには、給与や待遇「以外」の点に魅力を見いだすことが大切でしょう。

周囲の言葉に惑わされない覚悟を決める

大企業で働いていることは世間一般的に見ればうらやましいことですし、本人だけでなく家族にとっても誇れることです。

そのため、周囲はいろいろなことを言ってきます。

配偶者や親が全力で転職を止めに入ったり、転職した後に文句を言ってきたりするかもしれません。

親戚や知人に関しては、大企業で働いていたときは「立派だね。」と言って近づいてきたのに、知名度が低い中小零細企業に転職した事実を知ると離れて行くこともあります。

これらは決して気持ちのいいものではありませんが、本人の強い意志さえあればどうにでもなることです。

やりたい仕事があって転職し、本人が生き生きと働いているなら、大企業信仰だった周囲も次第に認めてくれるようになるでしょう。

大企業を辞める前にもう一度確認してください。周囲の言葉に惑わされない覚悟はあるでしょうか?

これからは個人の能力が試される

大企業の看板がない中小零細企業では、個人の能力や資質が重視されます。

大企業のように担当分けが明確にされているわけではないため、実に幅広い仕事を任されることになります。

これまでは企業や担当部署についていた仕事が、「個人」につくようになるため、雑用から営業、事務仕事まで一人でなんでもこなさなくてはなりません。

システムや外注がやってくれていた仕事も自力でおこなうことになり、アナログ作業も増えるでしょう。

代替がききやすい大企業のように休みやすい環境ともいきませんので、仕事量が増えてハードになる可能性もあります。

それでも転職したい企業かどうかはしっかり見極めましょう。

仕事内容や人間関係に不満でも「異動」の選択肢はない

大企業はジョブローテーションを基本としているため、数年経つと部署異動や担当替えがあります。

同じ企業内で経験を積みつつ新しいことにもチャレンジできるため、定年まで働き続けるモチベーションを保つことも可能です。

今の仕事や人間関係に不満があれば、人事異動を申し出て転職リスクを負わずに職場環境を変えることもできるでしょう。

希望が必ず受けいれられるわけではないものの、希望を持てる状況にあるのは大きいもの。

異動が認められるまでは頑張ろうと自分を奮い立たせることもできます。

一方、中小企業やベンチャー企業は基本的に異動がありません。

入社した会社でずっと同じ仕事を担当したり、周囲の人間関係も誰かの退職でもなければ変わることもありません。

相性が良ければいいのですが、不満があると厄介です。

異動の選択肢がないため、再度転職を考えることになるでしょう。

新卒でずっと大企業で働いてきた人はまずはプロに相談を

新卒から大企業で働き続けてきた人は、大企業でしかできない経験をしている反面、社会の実態を知らない「世間知らず」なところもあります。

自分がいる世界以外にも常に目を向け、自身の恵まれた状況をよく理解していた人ならいいのですが、そうでない場合に転職するにはリスクも伴います。

まずは転職エージェントなどのプロに相談し、転職市場の状況を把握してから転職に踏み切っても遅くはありません。

プロとのキャリア面談で本当に転職すべきかどうかを判断しましょう。

キャリア面談までは考えられないという方は、転職サイトに登録して求人検索をしてみるだけでも違います。

他社の給与相場や募集状況を知ることで、現状との比較に役立つでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、新卒からずっと大企業で働いてきた人が転職しない方がいい理由を紹介しました。

大企業や中小企業、ベンチャー企業にはそれぞれ魅力がありますが、異なる点も多いため、その違いをよく理解しておくことが大切です。

大企業から中小企業やベンチャー企業に転職すると、また大企業に戻ってくるのはなかなか難しい面もあります。

転職すべきかどうかを慎重に判断しましょう。