各地を飛び回るバイヤーは、憧れる人も多い人気の職業です。バイヤーとして転職したいと考えている人も多いのではないでしょうか?

しかし実際には大変な面も大きいため、転職を考える前にその実態を知っておく必要があります。

そこで今回は、バイヤーの仕事のメリット・デメリット、転職市場の現状についてご紹介していきます。

目次

バイヤーの仕事

バイヤーは生産者から市場のニーズに合った商品を仕入れる人のことを言います。

扱う商品やジャンルは様々で、海外に買い付けに行くセレクトショップのバイヤーや食品などの仕入れを担当するスーパーなどのバイヤーもいます。

市場のニーズや商品を仕掛けるタイミング、流行など多角的な視点からヒット商品を狙う必要があります。

単なる仕入れ係というより仕入れから販売方法までのすべての流れに携わる、求められる成果や責任が重い仕事です。

バイヤーの仕事のメリットとは?

人気が高いバイヤーの仕事ですが、どんなメリットがあるのでしょうか。

流行の仕掛け人になれる

自分が買い付けた商品が大ヒットにつながり、街中で使っている人を見たり会社の業績に貢献できるのはバイヤーの大きなやりがいの一つです。

単に自分が良いと思うだけでなく、市場の動向やトレンド、ターゲットなど幅広い角度から仕掛けることで思わぬ大ヒットにつながることがあります。

自分の仕事の成果がわかりやすい

自分が買い付けた商品は売り上げデータという形で目に見えてわかりやすい形で成果を確認することができます。

例えば事務職などでは自分が頑張ったことの成果がわかりづらいためモチベーションを保ちにくいという声が多く聞かれます。

バイヤーの仕事のように成果がわかりやすいのは、やる気につながったり、反対に修正すべき点も見えやすいというメリットがあります。

知られていなかった良い物を世の中に紹介する喜び

世の中には、田舎の職人さんが作っている物や小さな町工場でできたものなど、商品自体の質が素晴らしいのに、流通や販売方法が時代に合わず、知られず売れないという商品がたくさんあります。

これらの商品を見つけ出し、質の高いものを世に送り出すことはバイヤー冥利に尽きますし、消費者のためにも質の高い商品が手に入れられるということは大きなメリットです。

また、生産者からも感謝されることになることも大きなやりがいにつながります。

資格や学歴などがなくても力があれば年収につながる

バイヤーは特別な資格や学歴よりも、交渉術や市場分析力、物を見極める目が求められます。そのため、力をつければ高学歴のエリートたちよりも会社での評価を得て、年収につながるという可能性があります。

バイヤーの仕事のデメリットとは?

バイヤーの仕事は良い面だけではありません。どんなところが大変なのでしょうか。デメリットをご紹介します。

ヒット商品という結果に結びつきにくい

有名百貨店などが相次いで閉店していく中で、消費者の物を見る目は厳しく、将来の不安などからも節約志向に偏りがちで財布のひもは固くなっています。

すごく良い商品であっても、値段の高さがネックになって売れないということもありますし、逆に安すぎても消費者の信頼を得られずヒットにつながらないこともあります。

物が売れるという結果につながるのは非常に難しいことです。

バイヤーとしての存在意義が薄れがちになる

最近は企業の技術力が上がり、買い付けではなく自社でコストを抑えて良い商品を作りだすことが可能になりました。

プライベートブランドの商品なども良く目にしますし、手頃な値段でさほど他社商品と大きな質の違いがないものもあるため、人気も高くなっています。

バイヤーの仕事自体がすぐになくなることは考えにくいですが、企業に所属しているバイヤーの場合にはその存在意義が問われるときがくるかもしれません。

業績に影響する重圧

セレクトショップなどではバイヤーのセンスや目利きこそがお店の印象を左右し業績そのものに影響を与えます。そのため、バイヤーにのしかかる重圧は相当なものになります。

百貨店やスーパーなどでも同じで、自分の交渉次第で会社の業績に影響があるというのは大きなプレッシャーになることでしょう。

仕事の大変さの割に給料が良くない

バイヤーというと憧れる人も多い小売店などの花形職業とも言えるのではないでしょうか。しかし実際には基本給などは他の職業とさほど変わりはなく、ヒット商品などの成果につながらなければ飛びぬけて高い年収は望めません。

出張が多くなって家族や友人との時間が取れにくい

国内だけでなく海外にも飛び回るバイヤーは、どうしても出張が多くなる職業です。そのため家族や友人、恋人などとの時間が取りづらくプライベートが充実しにくいというデメリットがあります。

ライフワークバランスを大切にしたいと感じている人には向いていないと言えるのではないでしょうか。

バイヤーの転職市場はどうなっているのか

バイヤーとして転職したいと考えている人は、その現状について知っておく必要があります。

いきなりバイヤーとして転職できるのは一握り

小さなセレクトショップなどでは、元々顧客だったのががセンスを買われてバイヤーとして採用されることもあります。

しかし実際にはそれほどずば抜けたセンスを持っている人や、それが見初められることは多くなく転職しても販売員から地道に経験を積み上げていくというパターンが多いです。

アパレル以外でも、バイヤー経験のない人がバイヤーとして転職を成功させるには、相当の交渉術がある根拠やアピールの工夫が必要なようです。

求人数は多くはない

バイヤーの活躍場は百貨店やスーパーに家電ショップなど幅広くありますが、実際にその採用枠は少なく求人数は多いとは言えません。

バイヤー候補として求人を募集しているものの、実際には現場で長く経験を積まないとなれないという求人もあります。しかし中には条件の良い優良な求人もありますから諦めずに探してみることが大切です。

特に転職エージェントにはバイヤーの求人も多くあり、非公開求人の中に好条件の求人が含まれていることがあります。転職エージェントの登録は無料なので活用してみてください。

人気が高く競争が激しい

バイヤーとして転職できたとしても、成果主義の側面が大きいバイヤーの仕事ですから、結果が出せないとバイヤーの座を引き渡してしまうことにもなります。

人気が高い職業なのでバイヤーになりたい人は社内にもたくさんいます。ライバルに負けず地位を守り続けられるかはすべて結果次第です。

バイヤーに求められる資質とは?

最後に、バイヤーに求められる資質をご紹介します。

高いコミュニケーション能力が必要

バイヤーは単に商品を買い付けるだけでなく価格や納品数など様々な交渉を行います。

いくらセンスが良く質の高い商品を見つける能力があっても、交渉力がなければバイヤーとしての役目は果たすことができません。

また、販売元の希望を聞きだす力や、販売元をその気にさせるような会話力も必要です。高度なコミュニケーション力がある人こそがバイヤーに適していると言えます。

売れる商品を仕入れるというやる気や高い向上心

与えられた仕事をこなすだけで満足してしまうような人ではバイヤーは務まりません。

ヒット商品を仕掛けたいという野心や、常にアンテナを張り市場の動向を察知するための勉強を惜しまないなど、やる気が高く向上心を持ち続けられる人が求められます。

バイヤーへの転職を成功させるには努力が必要!

いかがでしたか?

今回は、バイヤーの仕事のメリット・デメリットと転職市場の現状についてお話してきました。

大変ですがやりがいが大きいバイヤーの仕事は、自分を磨き向上心のある人であれば転職することも可能です。チャレンジしてみてはいかがでしょうか。