旅館を訪れた客に対して様々な世話やサービスを行ってくれる仲居は、やりがいがって楽しい仕事ですが、実は非常にハードな仕事でもあります。

特に拘束時間が長く出会いも少ないですから女性の一生を考える上ではデメリットもあります。

今回は、そんな仲居の仕事の大変さと将来性、転職先についてお伝えしていきます。

旅館の仲居の仕事のデメリット


ドラマなどで元気に働く仲居が取り上げられることもあり、楽しそうな仕事に感じるかもしれませんが、仲居の仕事は相当大変な仕事です。

一体どんなところが大変なのか見ていきましょう。

拘束時間が本当に長い!プライベートがないとも言える

仲居の仕事は、一般企業とかなり違う労働形態にあります。

朝早くから朝食の準備のために働きはじめ、休憩時間を挟んでまた夜から働き始めるという変形労働時間制になるので、通勤時間が短くて済む寮での住み込みの場合が多くなります。

そのため、家族や友人と時間を合わせることも難しいですし、土日や連休には休めませんから結果としてプライベートの充実が図れなくなります。

私の知り合いの仲居をしている女性は20代後半で仲居への転職をしましたが、ほぼ出会いがなく、休日は疲れ果てて外へ出る気力も無いから婚期を完全に逃したと言っていました。

有名旅館であれば、地方勤務であっても芸能人や有名人などが泊まりにくることもあるそうですが、出会いと呼べるほどのものではないようです。

すべてのクレームは仲居が矢面に立たされる

料理や旅館自体のサービスなど、お客様からのクレームがある場合には、身近な仲居が矢面に立たされます。

誠心誠意接客を行ったとしてもクレームを言う人はいますので、精神的にはかなりダメージが大きいことです。

ベテランになってくると上手に客をなだめたり、逆に旅館への高評価につながるような対応ができるようになりますが、若い仲居の場合には、怒りを増幅させてしまうこともあります。

労働時間の長さの割に給料が少ない

仲居の給料はその拘束時間や休みの少なさの割に決して恵まれているとは言えません。

よほど人気の旅館で経営者が従業員に還元する気持ちがない限りは、昇給や賞与に大きな期待もできず、長い目で見ても大幅に年収がアップする可能性も低いです。

1日中動きっぱなしで体力的にも大変な仕事であるのに、給料に満足ができないのは大きなデメリットです。

女性職場だから人間関係が面倒

旅館には男性従業員もいますが、その多くが女性なので女性ならではの人間関係に悩む人が多いです。

特にベテランの年配仲居もいますから、年上の女性とも上手に付き合いができて可愛がられる術を持っていないとなかなか難しいようです。

うまくやれれば家族のような親しい付き合いができますが、うまくやれないと大きなストレスを感じることになります。

旅館の仲居の将来性や転職先について


旅館の仲居の仕事に将来性はあるのでしょうか?今後の可能性についてご紹介していきます。

老舗旅館も潰れる時代

旅館業が盛んな時代と違って、今は有名な老舗旅館も経営不振に陥って潰れる時代になりました。

以前は社員旅行などが当たり前で、旅館を経営さえしていれば団体客を始めとするお客さんが来てくれる時代もありましたが、今は経営力が非常に問われる時代です。

ただ、一度下火になった旅館の人気が再熱した例もありますから、旅館業界自体の将来性はまだまだあると言えそうです。

また、東京オリンピックなどを控えて日本の観光業を世界にアピールすることができれば、他国にはない日本らしさを味わえる旅館が注目される可能性はあります。

外国人観光客に向けて英語ができるのは大きな強み

旅館の仲居としては、接客スキルを磨いて他の旅館にはないサービス向上を目指す他にも、外国人観光客への対応を考えると英語ができるのは強みになるでしょう。

現在も旅館によっては外国人観光客の割合が多いところでは活用できるはずですが、今後旅館業が飛躍するためには外国人観光客の取り込みは必須だと考えられます。

仲居としてプラスアルファの強みを身につけたいのであればぜひ英会話力を磨いてください。

仲居としてのキャリアアップは難しい

旅館での仲居の仕事は、残念ながらキャリアアップは難しい仕事と言えます。

自分自身を磨き仲居としてのスキルを向上させることはできますが、キャリアアップとして考えられるのは仲居のまとめ役になるか女将を目指すしかありません。

女将に関しては血縁者で選ばれる可能性も高いですから、可能性としては低いと考えるべきでしょう。

キャリアアップが難しいということは、仕事へのモチベーションを保ち、目標を持って仕事をすることができず方向性を見失うことが考えられます。

仲居の仕事が好きという気持ちがなければ続けるのは難しいでしょう。

仲居としての経験を活かすならやはり接客業への転職も

仲居は旅館という特殊な空間での仕事ですが、接客のプロでもありますから他の業界の接客業であれば十分にそのスキルは活かすことが可能です。

土日や連休に休みが取りにくいということは変わりはありませんが、仲居のように早朝から深夜まで働くような拘束時間が長い仕事ではないことも多いので、プライベートの充実が図れるようになるでしょう。

接客業から離れたいなら一般事務への転職も

仲居の仕事は細かいところに目が行き届く、人を支える仕事でもあります。

事務系の仕事などのサポート業務も向いているのではないでしょうか?

特に一般事務であれば、未経験でも採用される可能性が高いですし、土日休みで残業もないなど、ワークライフバランスが取りやすい職場も多いです。

仲居から一般事務への転職を果たし、良い出会いに恵まれたという人もいます。

仲居の転職なら転職エージェントや転職サイト

仲居が転職を考えるのであれば転職エージェントや転職サイトを利用することをおすすめします。

別の旅館で仲居として働くのであれば、旅館求人コムというサイトは旅館の求人に特化していますので、給料や待遇などが比較検討しやすくおすすめです。

また、全く別の業界で働きたいという場合には、転職エージェントを利用することで、自分が思いもよらなかったような興味深い業界や職種を見つけることができます。

仲居の仕事は忙しく転職活動に時間が取りにくいでしょうが、ハローワークなどに出向かなくても求人を探すことができる転職エージェントはぜひ活用しましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、旅館の仲居の仕事の大変なところや将来性、転職先についてお話してきました。

仲居はやりがいがある仕事ですが、出会いが少なく女性の将来設計という点ではデメリットも多いです。

自分自身がどのような人生を歩みたいのかぜひ真剣に向き合ってみてください。