現代は、正社員やパートとして雇われて働くだけでなく、フリーランスや自由業といった多種多様な働き方がある時代です。

その中の1つとして、派遣という働き方を選ぶ人もいるわけですが、正社員になる道が捨てきれず派遣を辞めたいと感じることも。

派遣社員はどんなときに辞めたいと感じるのか、正社員になる方法にはなにがあるのかを紹介します。

派遣社員が派遣を辞めたい理由

法整備が進み、派遣社員の働く環境は改善されてきたようにも感じますが、派遣社員を辞めたいと感じる人は少なくないようです。

では、派遣社員が辞めたいと感じるのはどんなときでしょうか。

契約更新のたびに感じる不安

派遣ではなく正社員として働くことのメリットとして、多くの人が「雇用の安定性」を挙げます。

派遣は契約期間が決まっており、大体3ヶ月~半年程度の更新が多くなります。

契約更新の時期が近づくたびに「更新がなかったらどうしよう。」という不安を抱くことに。

たとえ大企業でも倒産リスクがあり、誰にでも解雇の可能性がある時代、正社員だから安定ということはありません。

ただ、やはり倒産や解雇がそう簡単に起きるとは言い難く、派遣社員に比べれば守られた立場と言えるのです。

賞与や交通費がでないなど金銭面への不満

派遣社員と正社員とを給与で比べた場合、一般社員レベルであればさほど大きな違いがない場合も。

派遣社員はそれなりの高時給ですし、派遣先と派遣元の契約もありますから、自社の正社員のようにサービス残業を強要させられるケースも少ないからです。

時給換算で考えると、正社員以上稼ぐ派遣も珍しくありません。

ただ、正社員には賞与があり、派遣は賞与がないことが大半です。

職場までの交通費がでないことも多いため、実質的にはやはり正社員が有利。

金銭面への不満を感じて派遣を辞めたいとこともあります。

会社の一員として認めてもらえない

派遣は仕事内容も労働時間も、契約を重視します。

派遣先としても契約外の仕事をさせるわけにいかないため、コンプライアンスを気にする会社ほど、派遣社員への扱い方が慎重になります。

これが、人によってはストレスに感じることも。

たとえば、「派遣さん」と呼ばれてよそ者扱いされることが辛いという人もいます。

確かに派遣社員は、派遣先の従業員ではなく、派遣元である派遣会社が雇用主。

ただ、毎日働く場所は派遣先であり、一緒に働く人も派遣先の従業員たちです。

顔をあわせる機会が多いのに他人行儀で心を開いてもらえないのは寂しいものでしょう。

自分より仕事ができない正社員へのストレス

スキルも能力も高いのに、敢えて派遣という働き方をする人は大勢います。

ワークライフバランスを保つため、割り切った仕事をしたいためなど、さまざまな理由があるでしょう。

とはいえ、一緒に仕事をする正社員たちに対するストレスは相当なもの。

特に自分より明らかに能力が低いのに恵まれている相手には、妬みにも似た感情が沸いてくるようです。

ある派遣社員の女性は、新入社員の教育を派遣先正社員が嫌がり、派遣社員である彼女が担うことに。

契約外の仕事ではあったものの、他の正社員が誰も教えてくれず新入社員が頼れるのは派遣の彼女だけになってしまい、邪険にできなかったそうです。

ただ、自分より能力が低いのに給与だけは高い正社員の新入社員に対して、次第に苛立ちを深めることに。

そんな自分自身にも、新人教育という大変な仕事を押し付けてきた他の正社員に対しても、嫌気が差してしまったと言っていました。

派遣から正社員になるには

派遣社員から正社員になるにはどんな方法があるのでしょうか。

ここからは、正社員になる方法と可能性について触れていきます。

派遣先で直接雇用される可能性は?

まずは、派遣社員が一度は期待を抱いたことがある、派遣先での直接雇用。

2015年の派遣法改正により、個人が同一組織で働く際の制限が3年と定められました。

同時に、3年継続勤務時には、派遣元は派遣先への直接雇用の依頼、新たな就業機会の提供など、何らかの「雇用安定措置」を実施することが義務づけられており、直接雇用への期待は高まります。

ただ、必ずしも正社員への雇用を義務化するものではなく、3年が経つ前に契約更新を打ち切る可能性もあるため、正社員へのハードルはまだ高いとする声も。

法改正から最初の3年を迎える2018年にどんな流れになるのかは未知数です。

紹介予定派遣なら正社員前提

派遣会社から仕事をもらう際、「紹介予定派遣」狙いなら正社員への道が開けます。

派遣先で正社員になることを前提とする派遣の形で、派遣先と労働者の同意があれば正社員になれるというものです。

しかし、そもそも紹介予定派遣を紹介してもらえるのは、年齢が若い人に限られるといった声が多く、年齢による壁が大きくあります。

常用型派遣として働く道も

雇用の不安定さがネックの派遣ですが、契約に切れ目が生じる登録型派遣ではなく、派遣元の社員として派遣されていく常用型派遣なら、安定した働き方も可能です。

契約と契約の間にも派遣元で勤務するなどして給与が保証され、賞与や福利厚生も充実。

正社員と派遣の「いいとこどり」とも言える働き方ですが、派遣なので勤務先がコロコロ変わるというデメリットはあります。

コミュニケーション能力、対応力ともに高い人でないと難しいでしょう。

転職活動で正社員が一番近道

ここまでの方法はいずれも正社員になれる可能性を秘めているものですが、いくつか制限があり、確率的には高いとは言えないのが現状です。

派遣社員が正社員になるもっとも近道は、実は普通に転職活動をして正社員を目指すという方法です。

派遣社員としてこれまで働いてきたスキルや経験を、応募書類や面接でうまくアピールできれば、派遣社員の経歴は十分評価の対象になります。

そのために必要なのがプロのアドバイス。

転職支援のプロである転職エージェントを利用することで、内定確率を大幅にアップさせます。

応募書類の添削、面接対策のほか、求人紹介や面接の日程調整など完全サポート体制が整っている強い味方。

転職エージェントを利用して正社員への道を切り開きましょう。