夫の転職を全力で引き留める妻がいる一方で、夫に「早く転職してほしい」と感じる妻も少なくありません。

毎日夜遅くまで仕事をし、休日も呼び出されて手当もつかない、上司からはきつい言葉を投げかけられるだけで評価されない。

こんな状況の夫の愚痴を毎日聞いているからこそ、心底違う会社に転職してほしいと願うのでしょう。

しかし、「会社を辞めたい」と言いながらも、いざ「転職すれば?」とすすめると行動に移せない夫は多いものです。

そのうち妻は、会社の不満ばかり言うのに転職しない夫にイライラしてしまうでしょう。

夫へ転職をすすめるときは押しつけより誘導がうまくいきますよ。

今回は、夫に転職を決心させるための誘導術を紹介します。

転職を下手にすすめない方がいい理由

男性には女性には理解できない「男のプライド」というものがあり、女性から仕事のことでとやかく言われることを嫌います。

「男は仕事だ」という気持ちがあるため、その意味では女性より仕事へのこだわりが強いのです。

そのため、転職を下手にすすめると意固地になってしまうことがあります。

最悪の場合、夫婦仲が悪化してしまうことにもなりかねません。

会社の不満しかないなら転職するのが一番だと思っても、直接言わない方がいいこともあるのですね。

「そんなに嫌なら辞めれば?」が通じないワケ

とはいえ、妻からすれば「そんなに今の会社が嫌なら転職すればいいのに。」「転職が嫌なら愚痴ばかり言わないでほしい。」など、夫の言動に矛盾を感じますよね。

この矛盾を理路整然と指摘したところで「仕事に口出しする妻」「可愛くない女」などと思われるのがオチです。

これではなかなか転職しようとは思ってくれないでしょう。

この場合「そんなに嫌なら辞めれば?」が通じない理由を考えてみることが大切です。

夫の性格的なものもあり一概に言えませんが、下記のような可能性が考えられます。

  • 今の職場の人間関係を手放す勇気が持てないから
  • 妻たち家族を養わなければならないと思っている
  • 自分に自信がないから転職に踏み切れない
  • 忙しくて時間がないから転職活動できないと思っている

では、それぞれについてどのように転職に「誘導」していくのか見ていきましょう。

今の職場の人間関係を手放す勇気が持てないケース

会社に不満があるのに辞められない人は、「自分が辞めたら職場の人に迷惑がかかる。」「せっかく仲良くしているのに辞めると人間関係が終わってしまう。」など、職場内の人間関係を手放せずにいるケースがあります。

プライベートでも会社の人と一緒に過ごす、土日は会社のバーベキューやお花見などイベントに参加するといった生活を続けていると、視野が狭くなりがち。

職場の人と仲良くするのはいいのですが、それがネックになって辞められないとしたら、職場に縛られた生き方をしていることになります。

夫の視野を広げ、職場の人間関係を手放してもいいと思ってもらうには、仕事以外の交友関係を作るように仕向けることです。

週末に一緒にジムや習い事に通ってみる、たまには自分の友達夫婦と出かけてみるなどし、いろいろな人と話すきっかけを作ってあげましょう。

仕事以外のコミュニティで人間関係ができてくると、職場はあくまでも人間関係構築の場の1つに過ぎないと理解できるようになります。

視野が広がり外の世界に興味を持つようになるため、「転職もアリかな。」と思えるように。

妻たち家族を養わなければならないと思っているケース

夫が転職に踏み切れないのは、無職期間ができてしまうことで家計が成り立たなくなったり、年収が下がって家族に迷惑をかけたくないと思っているからかもしれません。

一家の大黒柱としての責任とプライドが辛い仕事を続けさせているのでしょう。

この場合は、妻自身が自立する意志を示すことが有効です。

専業主婦の妻ならパートにでてみる、パート妻なら「私もフルタイムで働くから無理しないで。」と優しく声をかけましょう。

現時点でフルタイムで働いている妻なら、「私の稼ぎがあるから大丈夫だよ。」と言ってあげてもいいでしょう。

お子さんがまだ小さくて働きに出られないとしても、今なら在宅でできる仕事がたくさんあります。

一昔前のような単価の低い内職ではなく、パソコン1つと工夫次第で自宅にいながら稼ぐことは十分に可能。

雇われることにこだわらずに働いてみると、家計全体の収入が安定します。

大事なのは、「あなた1人で背負う必要はないよ。」とわかってもらうこと。

夫婦なのだから一緒に協力してやっていけばいいと伝えましょう。

自分に自信がないから転職に踏み切れないケース

夫に限らず、転職できる自信がないから転職に踏み切れないという人は大勢います。

自信をもつのは自分次第とはいえ、きっかけを作ってあげることはできます。

とても簡単なことで言えば褒めること。

長年一緒にいる夫婦ではお互いを褒めることなど減ってきますが、敢えて夫のいいところを積極的に褒めてみましょう。

特に「説明が上手だね。」「〇〇は本当にこういう作業得意だよね。」など仕事に関係ありそうなことを褒めてみるのがポイントです。

資格取得をすすめるのも1つ。

このときも「転職できるように資格でも取れば?」と冷たく言うのではなく、自然とやる気がでるように誘導します。

ある夫婦は、夫の転職に役立ちそうな資格を妻が見つけ、「これ、面白そうだから一緒にやろうよ。」と誘って2人一緒に資格を取りました。

資格を取ったことで夫は自信を持ち、転職に踏み切る決心がついたそうですよ。

忙しくて時間がないから転職活動できないと思っているケース

いつも忙しくて時間がないと思っていそうな夫に対しては、転職エージェントというサービスの存在を教えてあげましょう。

転職をすすめるというより、あくまでも時事ネタの1つのとして「最近はこういうサービスがあって、使うと内定確率がアップするらしいね。」と会話の中に組み込みます。

求人紹介をしてくれる、面接の日程調整もおこなってくれる、土日も転職活動ができるなど。転職エージェントを利用することで大幅な時間の短縮につながるメリットを説明しましょう。

最後は「全部無料ってすごいよね。」とダメ押し。

時間もお金も節約できるツールがあるなら、転職活動をはじめてみようと思ってもらえるかもしれません。

最後に

いかがでしたか?今回は、会社に不満しかない夫に転職を決心させるための誘導術を紹介しました。

一番近い存在の人が毎日不満だらけで生きているのは、そばで見ていて辛いこと。

しかし、転職を押しつけるような言い方をすると夫のプライドを傷つけます。

誘導するのは根気がいることですが、長い職業人生のことを思えば大した時間ではありません。

家族皆が幸せでいられるよう、ぜひ参考にしてみてください。