今後のキャリアを真剣に考えたとき、専門性の高いスペシャリストを目指すか、総合力があるゼネラリストを目指すべきかという悩みを抱えることがあります。

「いずれは転職を。」と考えている人にとっても、転職市場で有利に働くのはどちらのタイプなのか気になるところでしょう。

そこで今回は、スペシャリストとゼネラリストとのメリットと、転職市場におけるリスクを紹介し、どちらを目指すべきか考えていきたいと思います。

スペシャリストとは

スペシャリストとは、1つの分野での専門性を極めた人のことを指します。

エンジニアや医療系専門職などのほか、経理や法務などの事務のスペシャリストなどもいます。

いわば職人のようなもの。

若い人たちの中では「手に職をつけたい」と言われることが多いですが、それがスペシャリストを目指すということです。

ゼネラリストとは

ゼネラリストとは、さまざまな分野で経験を積み、知識やスキルを身につけた人のことを指します。

スペシャリストのように何かに特化していない代わりに、問題を発見して解決する力、コミュニケーションスキル、調整や交渉力など「総合力」があります。

定期的に人事異動がおこなわれる大企業などでは、ゼネラリストが育ちやすい傾向にあります。

スペシャリストのメリットやリスクについて

ここからは、スペシャリストとゼネラリスト、それぞれのメリットやリスクを紹介していきます。

まずはスペシャリストについて。

スペシャリストになりたいと考えている人は、「これさえあれば大丈夫」という考えは捨て、リスクについても知っておく必要があります。

強みが明確なのがメリット

スペシャリストはその道のプロ。

手に職さえあれば仕事には困らないようなイメージがあるでしょう。

転職市場におけるまさに即戦力ですから、スペシャリストを求める求人に応募すれば、採用される確率が高いと言えるでしょう。

転職面接においても「わたしの強みはこれです。」と明確に言えますし、自分の武器がわかりやすいのは自信にもなります。

自分の好きなことを極めて仕事にしているという満足感もあるでしょう。

必ずしも仕事があるわけではない

ただし、「その道にいて需要があれば」という条件がつきます。

つまり、磨いてきた専門性を活かすにはその分野から外れることはできないし、いつまでも求人のニーズがあり続けるかどうかはわからないのです。

仕事が辛くて転職を考えたとき、他分野への転職はまず難しくなります。

いくら専門性が高くても、その専門性が使えない分野においては役に立たないのです。

「わたしにはこれしかできないから…。」と途方に暮れる人を見かけますが、汎用性の高いスキルではなく専門性を磨いたことによってキャリアの選択肢が狭くなったとも言えます。

専門性の価値が下がる可能性も

スペシャリストを皆が目指すことによって、その専門性の価値が下がるリスクもあります。

たとえば法律のスペシャリストである弁護士でさえ、定年がないためその人数は増え続ける一方で、ほとんど稼ぎがない人もいます。

弁護士ほどの専門性がない場合はさらに顕著になるでしょう。

その分野における技術や知識は、もっている人が少ないからこそスペシャルになるのです。

変化を許容し学び続ける向上心が必要

スペシャリストの代表格でもあるIT系エンジニアの例を見てみると、IT業界は技術や知識が目まぐるしいスピードで変化しますから、身につけた専門性が継続して価値があるわけではありません。

常に変化を受け入れ、学び続ける向上心が必要になるでしょう。

医療や法律も同じです。

技術発展や法改正はどんどんおこなわれますから、一度手にした専門性がそのまま活かせるということにはならないのです。

ゼネラリストのメリットやリスクについて

続いてはゼネラリストについて見ていきます。

どんなメリットや転職市場におけるリスクがあるのでしょうか。

汎用性の高さがメリット

ゼネラリストは「いろいろな経験をしている」ということが強みになります。

どの分野においても、何が問題でどう解決していくかの全体像を見つめることができるでしょう。

新しい事業を立ち上げる、業績が伸びない部門の改善を試みる、といったことにもチャレンジできます。

今後10年、20年先にどんな仕事の需要があるのか、人工知能の発展も含めて考えると先を読むことは難しくなります。

ゼネラリストとしてさまざまな分野の経験をしておけば、時代にあわせて柔軟に分野を変え、渡り歩いていくことができます。

管理職を目指すならゼネラリスト?

ゼネラリストは、コミュニケーションスキルも高く社内外との調整や交渉もできるため、管理職候補としての需要があります。

特に30代以降の転職ではマネジメント能力が問われますから、豊富な経験値が活かされる可能性が高いです。

ただし、スペシャリストたちをまとめるリーダーとしては、部下たちから「何もわかっていないくせに。」と反抗されたりと、専門性がないことがネックになる場合もあります。

最近はプレイングマネージャーを求める声も多いため、「管理職=ゼネラリスト」とは必ずしも言えません。

「何もない人」になるリスク

スペシャリストに比べて専門技術や知識がない分、何ができるのかが曖昧になりやすいのがゼネラリストです。

幅広い経験の中でも自分の強みを見つけていかないと、転職では「何ができるのですか?」と言われてしまう可能性があります。

リーマンショックのときに大企業で働く40代、50代の総合職の多くが失業して転職に困ったのも、特別な強みがないからだという声もありました。

どちらを目指すべきなのか

スペシャリストもゼネラリストともそれぞれにメリットがありますが、転職市場におけるリスクも存在しています。

どちらになれば仕事に困らないということは一概に言えることではないでしょう。

重要なのは、自身の適性と希望にあった方を選ぶということです。

好きなことをとことん極めたい、その道のプロとして活躍したいという希望があればスペシャリストを目指すべき。

反対に、1つの仕事では飽きてしまう、いろいろな仕事や人と関わって視野を広くしたいならゼネラリストが向いているでしょう。

自分がやっていて満足できるのはどんな仕事のやり方なのかという点を見極めてみてはいかがでしょうか。

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