転職において重要なスキルと位置づけられているのがコミュニケーションスキルです。
しかし、SNSなどの発達に伴い、対面でのコミュニケーションが苦手な人が増えています。
「コミュニケーションを取るのが苦手」
「人見知りで初対面の人と話せない」
など、コミュニケーション能力のなさを自負する人は大勢います。
そんな、コミュ障の人にとって、転職活動はかなりハードルが高い行動だと言えるでしょう。
残念なことにコミュ障の人が転職に成功するには、その高いハードルを何回も越えなくてはなりません。
同じ失敗を繰り返さないためにも、コミュ障の人の転職活動では抑えておきたいポイントがあります。
今回は、コミュ障の人が転職活動に成功するためのポイントや、転職先・職種についてご紹介していきます。
目次
コミュ障とは?
コミュ障とは、コミュニケーション障害の略です。
いわゆるコミュ障と呼ばれているものは、先天的な障害など医師から診断を受けたものではありません。
極度の人見知りや、人とうまく接することができない人などのことを指します。
医師から診断を受けている人の場合に、は専門的な治療が効果的ですが、一般的な人見知りや人と話すことが苦手という程度の軽いものであれば、克服することは十分可能と言われています。
コミュ障の場合に仕事で困ること
コミュ障の場合には、仕事で困ることが多くなります。
周囲とうまくコミュニケーションが取れないということは、自身の考えにそぐわない仕事を与えられてしまったり、変な誤解を与えてしまいます。
そのため、どこに行っても人間関係に悩みを抱えてしまうことになります。
また、社外の人への対応ができなかったりすることで、仕事の幅が狭くなってしまう、仕事で評価を得られにくいということもあります。
本当は素晴らしい能力があっても、それが活かしきれないのが最大のデメリットかもしれません。
コミュ障の人が転職で抑えておきたいポイントとは?
人と話すこと自体にストレスを感じるため、転職したくても面接があるから無理と、転職そのものを諦めてしまう人も多いです。
しかし、人とのコミュニケーションは少し視点を変えてみるだけで、意外とスムーズにいくこともあります。
コミュ障の人は、転職活動をするにあたってどんな視点を持つ必要があるのか、見ていきましょう。
ここを抑えておくだけで、転職活動がスムーズに行えるようになります。
本当にコミュ障?
コミュ障という言葉がネット上でよく使われるようになり、その意味を都合よく利用して、人間関係がうまくいかない理由にされてしまうことがあります。
しかし、大抵の人は「自分の好きなことなら話せる」「仲が良い人となら普通に話せる」など、障害とは呼べない程度の場合が多く、どんな人でも多かれ少なかれある症状なのです。
そのような場合に、「自分はコミュ障」と決めつけてしまうと、どんなこともうまくいかないですし、自分から話しかけるチャンスがあっても自ら棒に振ってしまうことにもなります。
まずは、本当にコミュ障と呼べるぐらいのひどい症状があるのかどうか、冷静に分析してみましょう。
最近はコミュ障の度合いをチェックできるサイトなどもありますから、試してみても良いかもしれません。
本当にコミュニケーションが苦手?
コミュニケーションが苦手と言いつつも、外から見れば普通にコミュニケーションを取っているように思える程度という人は多いです。
まずは、本当にコミュニケーションが苦手かどうか、自己分析をしてみましょう。
仕事上のやり取りが問題なくおこなえ、職場の人と雑談することもあるなら、それは単なる「人見知りアピール」。
人見知りだから相手に気を使ってほしいと、甘えているだけかもしれません。
コミュニケーションが苦手であることを理由に転職を諦めているなら、それは単に転職に踏み切るだけの目的がないだけかもしれません。
コミュニケーションスキルのせいにするのではなく、転職する気持ちがあるかどうかの問題になります。
コミュニケーションが本当に苦手な場合
人と話すときに、明らかに声がうわずってしまう、赤面してしまう、全く目が見れないことが客観的に認識できるなど、「本当にコミュニケーションが苦手」という人もいます。
毎日会社に行くのも、人と接するのも苦痛で心底なんとかしたいと思っているならば、何とか解決策を考えたいところです。
転職を考えるのも一つですが、転職した後もコミュニケーションは必要ですし、転職面接というハードルも待ち構えています。
転職の前に、少しでも苦手意識を克服していきましょう。
相手に理解してもらうことが大切
コミュニケーションがスムーズかどうかは、実は自分が決めることではありません。
相手にとって「話が通じるかどうか」が重要なので、必ずしもスラスラと話す必要はないのです。
人に話かけられると声がうわずってしまうという人は、話すことそのものに意識がいっています。
内容そっちのけで何とかコミュニケーションを成立させようとすると、質問からずれた返事をしてしまうことになり、相手のストレスになります。
まずはしっかりと相手の言葉を理解し、適切な言葉を返すことに集中しましょう。
会話だと思えば緊張しますが、メールや手紙でのやり取りのように言葉自体と向き合えば、しっかり質問内容に集中することができるでしょう。
赤面症の場合は自意識が強すぎることが一因
人と話すときになぜか赤面してしまい、それが恥ずかしくて積極的にコミュニケーションが取れない人がいます。
赤面症で悩む人は多いですが、そう簡単に治せるものではないですよね。
要因は人それぞれなので断定はできませんが、自意識が関係している可能性は高いです。
他人から見て自分がどう認識されているか、他人目線が非常に気になるため赤面し、赤面している自分が恥ずかしくてさらに赤面するという循環。
「赤面症を治したい」という強い思いがあればあるほど治せなくなるので、自分の心の中から「赤面」の2文字を取り去ることが大切です。
よく「気にし過ぎない方がいいよ。」とアドバイスされることがあるでしょうが、単なる一般論というわけではなく、非常に重要なポイントです。
相手を気にしないためには、他人基準を捨て、自分がどう生きていきたいのかを考えてみるのが一つ。
人に気を使える人ほど赤面しやすいこともあるので、わがままなぐらいに「自己中心的」になってみてはいかがでしょうか。
赤面症と言えるぐらい他人の目が気になる人は、多少自己中心的になっても、横柄にはなりません。
外から見ると「ちょうどいい」ぐらいになるので、一度試してみてください。
人の目を見て話せない人は無理に見なくていい
コミュニケーションが苦手な人は、どうしても「人の目を見て話さなくては失礼だ。」と思い込んでいる傾向にあります。
失礼なことだとわかっているのに人の目を見れないから、自信を失い、自分を責めてしまうのです。
しかし、人の目は無理に見る必要はありません。
もちろん、背中を向けて話すのはさすがに失礼ですが、目をじっと見つめられることに苦手意識を持つ人も多いもの。
接客のプロでさえ「必要以上に相手の目を見ないように気をつけている。」というぐらい目をしっかり見ることが、逆に相手の居心地を悪くすることもあるのです。
目と目があうと緊張してしまうという人は、眉間、鼻筋、口元など徐々に視線をそらしていくといいでしょう。
「ここなら緊張しないかも。」と思える視点をあわせる場所を、普段のコミュニケーションの中から探っていきましょう。
面接のように相手が少し離れた場所にいる場合は、襟もとを見れば十分と言われます。
相手からするとしっかりと目を見て話しているように見えるため、失礼にはあたりません。
無理にコミュ障を克服しようと荒治療的な仕事を選ばないこと
自他ともに認めるコミュニケーションが苦手なタイプの人の中には、何とか克服しようと敢えていばらの道を選択することがあります。
例えば、人と話すのが当たり前の営業職などにチャレンジしてみるなどがそうです。
芸人さんなどでも、人見知りを克服するために敢えて芸人の道を選んだという方などもいます。
その努力は素晴らしいことですし、その方法によって克服した人も実際にいます。
しかし、もしその道を選んだ結果、全くうまくいかなくて長年悩んでいるという場合には、無理をする必要はありません。
苦手なことに挑戦することも必要ですが、挑戦しないで自分の得意なことをするという選択肢もあるのです。
どちらが良い悪いということではありませんが、無理して精神的に負荷がかかるのは本当に辛いことです。
自分らしく働ける、そんな仕事を探してみることも必要です。
手に職系の仕事がおすすめ
近年はどんな仕事でもコミュニケーション能力が必要と言われます。
しかし、その中でも程度の差は大きくあります。
例えば手に職系の「目の前の仕事に黙々と取り組める」という仕事は多くあります。
整備士やIT関係などが代表例です。
コミュニケーションが苦手ということは、生きづらいと感じることが多いかもしれませんが、だからと言って仕事で活躍できないということではありません。
黙々と作業に徹することができることも、それはそれで大きな能力なのです。
まずは自分の好きな分野の技術を身につけたり磨いていくということに注力してみてはいかがでしょうか?
体力はつけておくに越したことはない
手に職系の仕事は足腰に負担がかかったり、筋力が必要なこともあります。
その道に進むのであれば体力はつけておくに越したことはありません。
本当にコミュ障に悩みを抱えている人にとっては、苦手なコミュニケーションを克服するよりも、ずっと簡単なことかもしれませんね。
筋トレや規則正しい生活を習慣づけるなど、心がけてみてください。
面接では上手に話をしようとしなくて大丈夫
技術系の仕事であっても、転職活動には当然面接はつきものです。
ここがコミュ障の人にとっては一番辛い場面かもしれません。
しかし、企業側にしても見ず知らずの人を雇うわけですから、面接はあって当たり前なのだと腹をくくりましょう。
その代わり、面接で「上手に話しをしよう。」と力む必要はありません。
口下手であっても、その仕事に対する熱意や一生懸命さが伝われば十分採用の可能性はあります。
企業の人事担当者からも、「当たり障りのない内容のことを機械的に話す人よりも、口下手でも人柄と熱意が感じられる人の方が好感を持てる」という声はよく聞かれます。
「慣れ」はやはり重要。面接対策はやっておくべき
転職活動を始めたいが、コミュニケーションスキルに不安があるという人は、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントでは原則として面談があるため、初対面の人と話をする絶好のチャンス。
コミュニケーションはやはり「慣れ」が大きくかかわってくるため、いきなり面接本番は避けましょう。
エージェントと、事前に面談や電話でのやり取りをおこなうことで、コミュニケーションに対しての苦手意識がなくなっていくものです。
転職支援のプロが相手ですから、面接での注意点やポイントなどのアドバイスを受けられるのも利点です。
転職活動を通じて何度もエージェントとやり取りすると、コミュニケーションが苦手だったことすら忘れてしまうでしょう。
転職活動を一人で行うのは難しい
コミュ障の方が自ら応募の電話をかけたり、面接の日程調整などを行うのは大変なことのはずです。
転職活動は一人で行わず、プロの力を借りましょう。
転職支援のプロが、自分の希望に合った求人を探してくれますし、面接の日程調整や給与交渉などを代わりに行ってくれます。
また、応募書類の添削や面接時のアドバイスなどを受けることもできます。
一人での転職活動よりも内定の確率が上がることでしょう。
転職エージェントはプロと言っても利用は無料なので、ぜひ活用してみてください。
コミュ障でも転職に成功できる
今回は、コミュ障の人が抑えておきたい、転職活動のポイントについてご紹介しました。
本当にコミュニケーションが苦手な人は、思い込みを捨て、視点をずらして考えてみることが重要です。
「こうしなくてはいけない。」という考えをやめてみると、想像以上にコミュニケーションがスムーズにできるようになります。
「人とコミュニケーションが取りにくい」ということは大変なことも多いですが、絶対に活躍できる場所はあります。
今回ご紹介した内容を参考に、諦めずに転職活動を行ってください。