新しい事業や革新的なアプローチで経営を発展させていくベンチャー企業は、ITの発展などに伴い益々増えていっています。
既存の企業経営に嫌気が差した、自分の力を試してみたいという情熱を持った人たちから人気が高く、転職先としても注目を集めています。
もちろん人気があるということは転職するだけのメリットがあるということですが、デメリットも大きいため失敗したときのリスクが伴います。
ベンチャー企業への転職を考えている場合には、そのデメリットについてしっかりと理解した上で転職活動をすすめていくべきでしょう。
そこで今回は、ベンチャー企業に転職する前に知っておきたいデメリットについてご紹介していきます。
目次
少数精鋭の場合が多いから休みたいときに休めない
ベンチャー企業は規模的には小さい会社も多いため、少数精鋭の人員構成になります。
人数が少ないということは代わりがいないということでもあるので、仕事を休みたいときに休むことができません。
また、ベンチャー企業は社員も社長も仕事熱心で面白がってやっている人も多いため、周囲で仕事を休む人も少ないこと、社長や役員との距離が近いこともあって休みづらいという環境でもあります。
一人当たりの期待値が大きすぎて激務になることも
ベンチャー企業では一人当たりの業務範囲が広くなり、一人でいろいろなことをやることが増えます。
やりがいにつながることが多いのですが、一人当たりにかかる業務量は非常に多くなります。
ベンチャー企業で働いている人たちの中には、毎日夜遅くまで残業し、休日返上で働いているという人も多いのです。
労働基準法があってないようなもの?コンプライアンスが気になる人は向いていない
ベンチャー企業では規模が小さいことや、少ない人手で新たなビジネスを立ち上げ収益を上げようとしていることから、実際問題としてコンプライアンスに対する意識が整っていない企業が多くなります。
また、社長自身が身を粉にして働いているため、従業員たちもそれに伴ってサービス残業もいとわないというスタンスになるようです。
労働基準法はもちろん適用されますが、コンプライアンスを細かいところまで気にしていては実際のところ大企業に太刀打ちできないという実情があります。
法整備がされたしっかりとした企業で働きたいという方にとっては難しいかもしれません。
大手ではないから今すぐメリットが欲しい人には向いていない
ベンチャー企業は若者から人気が高いところから聞こえは良いかもしれませんが、大手企業ではありませんから今すぐメリットが欲しい人には向いていません。
例えば福利厚生が恵まれた働きやすい環境で働きたいという希望は叶えることができません。
また、現在大きな収益を上げているベンチャー企業であればすでに高い給料をもらえることがありますが、基本的には成長企業なので将来的に高い給料をもらえることにつながるなど、現時点ではメリットを享受することができない場合もあります。
ある意味一攫千金のように、少ない可能性で高いメリットを得るということに賭けるという側面があります。
当たれば大きいけれど倒産リスクはつきもの
ベンチャー企業の中には革新的な経営手法や新ビジネスを展開して大きな収益を上げている企業もあります。
規模が大きくなくても大企業に負けない業績を挙げることもあり、当たれば大きいのです。
しかし一方で、ベンチャー企業の9割以上が10年以内に倒産しているというデータもあり、倒産リスクは常につきものです。
資金力が少なく経営体力がないため、何らかのトラブルや経営危機が訪れたときに対応できないのです。
ベンチャー企業の場合は倒産したときに経営者がいなくなってしまうこともよくあります。
また、退職金などに期待できないことが多いので、それなりの覚悟と、いざというときのために貯金などの蓄えは必要です。
社会保険未加入の場合も?最低限のことは確認しておこう
ベンチャー企業であっても、要件を満たせば社会保険に加入する必要があります。
しかし、中には悪質なベンチャー企業もあって、会社負担分を負担しないなどのケースもあります。
乱立しているベンチャー企業ですから見極めは難しいですが、会社として必要最低限のことは整っているかはしっかりと確認すべきです。
その確認をするのも、ベンチャー企業に転職するために自己責任として必要なことです。
転職組は一般企業以上に即戦力が求められる
前述したようにベンチャー企業は少数精鋭で一人当たりの期待値が大きいですから、一から育てている時間も人的余裕もありません。
皆それぞれが自分で考えて忙しく動き回っているため、分からないことを丁寧に教えてくれるということはほとんどないでしょう。
新卒でベンチャー企業に就職した場合には、社会人として必要なことを学べないと言われているぐらいです。
特に転職組は即戦力が求められます。
これに関しては一般企業でも同じことですが、ベンチャー企業の場合は特にその傾向が顕著で、転職してきたからには即結果を出さないと企業内に居づらくなってしまうこともあります。
ベンチャー企業にはもちろんメリットもある
ここまでベンチャー企業に転職するデメリットをご紹介してきましたが、もちろんベンチャー企業にはメリットもありますし、そのメリットゆえに人気が高まっているのです。
それはやはり組織という枠にとらわれすぎることなく自由に自分の裁量で仕事ができたり、重要な役割を任せてもらえるなどのやりがいがあります。
また、企画や提案が上に通りやすかったり、意志決定までがスピーディーで、一般企業にありがちな「現場の意見が上に通りにくい」ということは少ないです。
自分の能力が伴っていれば、結果を出すことが十分に可能、それがベンチャー企業の良いところです。
会社に依存しない生き方ができる人には向いていると言えるでしょう。
若いうちに自分の力を試してみたい、という方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
大手エリートサラリーマンが羨むような収入と地位を手に入れることができるかもしれません。
ベンチャー企業は転職エージェントで探そう
ベンチャー企業にはメリット・デメリットがありますから一概にベンチャー企業だから良いとか悪いと言えるわけではありません。
それぞれの要素をしっかりと加味し、それでもベンチャー企業に転職したいと考えるのであればチャレンジすべきです。
優良なベンチャー企業を探すのであれば転職エージェントがおすすめです。
大手転職エージェントであれば、掲載にあたって事前調査がしっかりされている場合が多く、悪質なベンチャー企業を避けることができます。
また、応募書類の添削や面接時のアドバイスなど転職に役立つサポートを受けることもできますから活用してみてください。
最後に
いかがでしたか?今回は、ベンチャー企業で働くことのデメリットを中心にご紹介してきました。
ベンチャー企業には夢がありますが、リスクも伴います。
よく理解した上で転職を決めるようにしましょう。