法務の仕事とは、どんなものなのでしょうか。
契約書の作成や内容の確認、法的要素がある顧客とのトラブル対応、特許権など企業権利の管理など様々です。
法律が関わっていればどんなことでも法務の出番があります。
一つ間違えば法に抵触するとして、企業の信頼が損なわれることにもなりかねませんから、非常に責任が重たい仕事です。
幅広い法律の知識が必要で、法知識がない他部署や外部の人に対しても分かりやすく説明したり、文書にするなどして正確に伝えることが求められます。
近年ある程度の法知識が一般にも浸透したことから、法律に興味があるという方も増えてきました。
法務という仕事に転職したいと考える人も増え、転職市場も活発です。
しかし、法律に関わるということは単なる興味だけではやり遂げることが難しい大変なことです。
今回は法務の仕事の大変さについて解説してきます。
目次
法務の仕事の大変さについて
法務の仕事は想像以上に大変な仕事です。
具体的にどんなことが大変な仕事なのかについてご紹介していきます。
知識は常に新しく加えていく努力が必要
法務の仕事は幅広い法律の知識が必要で、基本となる条文だけでなく判例などについても知っておく必要があります。
また、法律の知識は一度覚えて終わりではなく、法改正が行われます。
法改正があるとすべての知識を書き換えるというよりは、以前の法律や解釈についても覚えておきながら、時代背景などを踏まえて改正が行われたということを理解して新しく知識を入れていく必要があります。
法改正の動きなどについても敏感に察知する必要があるため、プライベートでも新聞やニュースなどを常にチェックするようにするなど、アンテナを張っておく必要があります。
トラブルやクレーム対応を行うことも
法務の仕事には法律が絡むトラブルや顧客からのクレーム対応を行うことがあります。
たった一人の顧客への対応を誤れば会社の信用問題や訴訟問題などに発展することもあり慎重な対応が求められます。
これには知識だけでなく、真摯な姿勢で対応するなどの対応力も問われるため、単に法律に詳しいというだけでは難しい仕事です。
生み出す喜びが感じられずモチベーションが保ちにくい
法務の仕事のベースは法律です。
ルールとして定められていることを元に書類の作成や管理をする仕事ですから、何かを作り上げたりクリエイティブな仕事ではありません。
自分のアイデアによって生み出したり、企画が通って自分のやりたい仕事ができるというやりがいはありません。
人によっては決まり切った仕事内容やルールに縛られていることに、息苦しさや不満を持つ人がいます。
法務の仕事に転職したい場合に覚えておきたいこと
法務の仕事に転職したい場合には、転職後や転職活動について覚えておきたいことがあります。
どんなことなのでしょうか?
どこの企業にもあるわけではない
法務の仕事はどの企業でも行われる仕事内容ですが、法務部として専門の部署を設けている企業は大手が中心になります。
総務部などの中に一部契約などの担当が含まれていたり、統括部など別の名称の部署が法務を担当することもあります。
法務の仕事に転職したい場合には、法務部という部署がなくても仕事内容に着目して転職先を探すようにしましょう。
法務部はないけれど仕事内容は変わらないという場合があります。
ただし、法務部でない場合には、法務以外の仕事もあると覚悟しておくことは必要です。
未経験であれば膨大な勉強量が必要
法務の仕事に未経験で転職をするのは難しいことです。
転職してから膨大な勉強量が必要になりますし、人一倍の努力がなければついていけないでしょう。
法律というのは、「なぜこんな遠まわしの言い方をするのだろう?」と感じることもあるぐらい回りくどい言い方をしています。
専門書などで勉強しようと思っても、法律に触れたことがない人にとっては非常に難しく感じることでしょう。
それをしっかりと理解し、さらに実際に役に立つレベルにまで落とし込むことは大変なことです。
法律の知識があれば知的でカッコイイと思われますが、実際にやるには難しい仕事だと覚悟しておきましょう。
資格はあれば法知識の目安になるから有利
法務の仕事は特別な資格は必要ありませんが、法知識のレベルを知る上で目安になりますから持っておいた方が有利です。
弁護士などの難関資格を持った人が企業法務に携わることもあります。
そう考えると、全くの素人が単なる興味で法務の仕事に携わりたいと考えるのは無謀です。
資格取得の有無に限らず、勉強は事前にしておくべきでしょう。
信頼できそうな人かどうかが重要
法務は企業の信用問題にも関わる責任の重い仕事ですから、「信用ができそうな人かどうか」というところも見られます。
契約書の文言一つで会社の信頼や業績に影響を与えることもありますから、慎重に丁寧な仕事ができる人が求められます。
また、機密文書などに触れる機会もありますから、口が堅いということも必要です。
このような要素は実際に働いてみなければわからない部分が大きいですが、面接官としては事前にできる限り信用できる人間かどうかを知ろうとします。
例えば、話している内容に一貫性がなかったり、人の話を聞いているようで聞いていない、質問に対して的確な返事が返ってこないなどの場合には、大切な法務を任せるまでに至らないでしょう。
転職は転職エージェントを利用しよう
法務の仕事に転職したいと考えるのであれば、転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントはハローワークや求人誌などに比べても求人数が多く、優良な求人がそろっています。
法務を扱うような大手や、コンプライアンスを重視する優良企業は転職エージェントでしか扱っていないこともあります。
また、転職エージェントは転職支援のプロです。
プロの目線で、応募書類の添削や面接時のアドバイスなど転職活動に役立つサポートをしてくれます。
転職エージェントは掲載企業から報酬を得ているため、転職を考えている利用者の料金は無料です。
一人でやみくもに転職活動をするよりも効率よく、成功確率がアップしますからぜい活用してみてください。
法務の仕事の大変さをしっかり理解しておこう
今回は、法務の仕事の大変さと転職にあたって覚えておきたいことをご紹介しました。
数ある職種の中でもかなりの勉強量が必要で責任も重い仕事です。
しかし、誰にでもできる仕事ではなく、その存在によって助けられる人がいる仕事でもあります。
その意味でやりがいは大きいですから、法律に興味があってやる気があるという方はぜひチャレンジしてみてください。