職場の人間関係が良好なのは働きやすさを左右する大きな要素になります。

しかし実際問題として、職場の人間関係や雰囲気は入社してからでないと分からないということがあり、応募の段階では気にしないという人も多くいます。

確かに人間関係は相性の問題もあって、事前に完璧に調べておくことはできません。

しかし、複数の方法を使うことで事前にある程度予測ができ、人間関係があまり良くなさそうな企業は応募を控えるという風にリスクを抑えていくことは可能なのです。

では、人間関係が良い会社を探すにはどんな方法があるのでしょうか?

本記事では、転職してから良好な人間関係が築けそうな職場という点に着目して、その探し方をご紹介していきます。

求人広告が客向けか社員向けかが重要

求人広告をよく見てみると、その求人広告が「客向けの内容」か「働く社員向けの内容」かに分けることができます。

よくある「当社はお客様第一で全員が身を粉にして働いています。」などのように、消費者のことを考えた素晴らしい会社であることをアピールしているような求人広告は少々危険です。

これは客にとっては良い会社かもしれませんが、社員視点が欠けていて、社員を単なる労働力としてしか見ていない可能性があります。

こういう会社は社長がワンマンとか、上司がやたらと精神論を押し付けてくるとか、上の人間との人間関係に悩む可能性がでてきます。

やはり本当に働きやすい企業の求人広告を見てみると、こんな福利厚生があるとか、社員向けにこんな取り組みを行っているとか、社員の働きやすさを考えた文言が並びます。

求人広告だけですべてを判断することはできませんが、求人が誰向けなのかを考えていくことで、その職場がどんな雰囲気かをある程度推測することができるのです。

定着率はやはり重要なポイント

仕事に対して何を求めるのかは人によって異なりますが、退職経験がある人の理由を聞いていくと職場の人間関係を挙げる人がかなりの割合でいます。

このことから、職場の人間関係と社員の定着率とは切っても切れない関係であることが言えるはずです。

企業説明会やHPなどで高い定着率をアピールしている企業もありますが、定着率が低い場合は通常隠しておきたいのが企業というものです。

こちらから積極的に情報収集をしなければ定着率を知ることは難しいでしょう。

面接の質問タイムで聞いてみる、転職エージェントを利用して確認してもらうなどして定着率については事前に知っておきたいポイントです。

客として利用してみる

応募者自身が客として店舗や施設を利用できる場合は、必ず行っておきましょう。

客として訪れてみるとスタッフ同士の協力体勢や、笑顔があって楽しそうに働いているのかなど、企業HPなどだけでは見えない生の雰囲気を感じ取ることができます。

気になる企業があったら片っ端から行ってみるのも良いのですが、お金も時間もかかってしまいますから、ある程度企業の方向性が定まった段階で利用してみるようにするのが賢い方法です。

職場見学をしてみる

接客サービス業などではない場合、客として行くのは難しくなります。

その場合は、職場見学ができないかどうか企業の採用担当者に聞いてみましょう。

客として利用してみるのと同じように、職員の様子や雰囲気を実際に見ることができるのは大きいです。

求人広告を見る限りでは、「職場見学可能」と書いてある企業が少ないのではないかと思うかもしれません。

しかし求人媒体の担当者などの話を聞いてみると、企業側が採用活動として職場見学という方法を思いついていないだけというケースはよくあるそうです。

応募者側から積極的に聞いてみることで、「別に構いませんよ。」と言ってくれる企業は意外と多いものです。

もちろん、企業の状況によってはできない場合もありますが、聞いてみただけで邪険にする企業は少ないでしょう。

逆に言えば、それだけで応募者を邪険にするような企業は応募するに値するのかどうかということが見えてくるとも言えます。

他社とのつながりに目がいく会社

企業HPなどを見てみると、取引先の紹介などがされていることがありますが、それが銀行や広告会社だけでなく同業他社があるかどうかが一つポイントになります。

同業他社と取引がある会社というのは横とのつながりを大切にするという視点があり、地元の商工会議所の集まりなどにも積極的に参加したりします。

自社にだけ目を向けるのではなく、地域全体としてその業界を盛り上げようとしているので成長企業が多くあります。

それが人間関係とどう関係があるのかと思うかもしれませんが、視野を広く成長していける企業は社内の雰囲気もよく人間関係にも余裕が感じられるものです。

自分と同世代の人が多い

自分と同世代が多いというのは、単に話が合うというだけではありません。

仕事をしていく上で壁にぶつかるタイミングが近かったり、女性であれば結婚・出産など人生の転機となる時期が重なるため悩みを共有できやすくなります。

ライバル関係になりやすいとも言えますが、職場の中に年上しかいない、若い人しかいない、という風に偏った年齢層の場合は、自分がそうでない場合にやっていくのは苦労が尽きないものです。

理想は、幅広い年齢層の人が働いていて、自分と同世代の人も多くいるという職場です。

職員の年齢層に関しては事前に聞いておくことが可能なので、確認しておくと良いでしょう。

事業展開が豊富だと意見が出やすい会社

企業研究の一環として、応募先企業の事業展開についても調べると思いますが、これも人間関係を知る上でヒントになることがあります。

いくつも事業展開がある企業の場合、「様々な人の意見が採用されやすい」という傾向にあります。

つまりはワンマン社長の独断で経営が進められていたり、同族経営で親族の意見しか聞き入れないという企業ではない可能性が高くなります。

こういう会社は社員が積極的に意見交換をしたり、良い意見であればきちんと採用されることになり、職場の不満因子が溜まりにくく雰囲気も良いのです。

もちろん、事業展開だけで人間関係や職場の雰囲気を決めつけることはできませんが、一つの材料として考えてみても良いでしょう。

企業内情に詳しい転職エージェントを利用して

職場の定着率や年齢層、雰囲気はどうなのかなど、面接の質問タイムではうまく聞くのが難しいという人もいるでしょう。

その場合は、転職エージェントを利用した転職活動であれば事前に情報を得ることが可能になります。

転職エージェントは企業側とパイプがあるため企業内情に詳しいですし、知らない場合でも企業の採用担当に上手に聞いてくれます。

応募前の段階で人間関係のヒントとなるものを得ることができる有効な方法ですから、ぜひ利用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、転職してから良好な人間関係を築けそうな職場の探し方をご紹介しました。

冒頭でもお伝えした通り、事前に人間関係をすべて把握することは不可能です。

しかし、様々な方法を使って下調べをしておくことで、ある程度どんな人がいて、どんな雰囲気なのかを察知することはできます。

事前には分からないことだからと諦めてしまうと、転職してから後悔することもあります。

可能な限りは調べておくようにしましょう。