転職経験がある人の話を聞くと「社長がワンマンだったのが嫌だった」という退職理由と挙げる人が多くいます。

ワンマン社長は決定がスピーディーで社員を良い方向に導いてくれるなど、必ずしも悪いというわけではありません。

しかし、やはりどこかで行き詰ったり、社員への態度がひどくて優秀な人材が離れてしまうといったことはよくあります。

ワンマン社長に耐えられないという人にとっては、転職先はワンマン社長が経営者ではない企業を選びたいでしょう。

そこで今回は、ワンマン社長かどうかを事前に確かめる方法をご紹介していきます。

企業HPやパンフレットを確認する

企業研究の一環として企業HPや会社のパンフレットなどを見る機会があるでしょう。

このときに社長が創業者かどうかを確認してみてください。

社長が創業者で現役バリバリでやっている場合、ワンマン社長の可能性が高まります。

よほど謙虚な姿勢を保つ努力をしている人か、ワンマンだったことで人が離れていった経験などを経ている人でなければ、ワンマン社長のケースが多いです。

だから悪いということではないのですが、その社長の元でやっていけそうかどうか、社長の経営理念に共感できるのかは考えておかなくてはなりません。

また、企業HPやパンフレットなどを見ると、いたるところに社長が登場している場合も少し危険です。

社員ではなく自分を前面に押し出している場合は、社員を信頼しておらず自分がやるしかないという考えの人である可能性もあります。

さらに社員紹介などがされている場合、その社員たちのコメントに社長を褒めるような文言が多く並んでいるとまずいです。

普通はどんな会社だとか、社員たちはどんなことをしているのかという紹介のはずなのですが、やけに社長への敬意を示すコメントが多いという場合は慎重になるべきです。

社長がワンマンで絶大的な権力を持っている可能性が高まります。

同族会社は可能性あり

創業者が社長で、他の役員も親族が名を連ねているいわゆる同族会社はワンマン社長がいる可能性があります。

やはり重要な役どころに自分の親族を据えるのは、他人の意見を聞きたがらないことの一つの証です。

同族会社が必ず悪いわけではありませんが、やはり従業員が息苦しさを感じやすい傾向にあります。

他の従業員の話が果たして通りやすいかどうかも、社長の柔軟性にかかっていると言えるでしょう。

企業HPなどで会社変遷を確認してみる、役員の名字を確認してみるなどすると、ある程度同族会社かどうかは判断できます。

自分の話をしたがって応募者の話を聞かない

中小・零細企業であれば、最終面接で社長がでてくるのも珍しくありませんから、社長の話し方や態度で見極めるという方法があります。

まず一番多いのが、自分の話を長くしたがって応募者の話をあまりちゃんと聞いていないという人です。

応募者に向かって質問を投げかけているにもかかわらず、答えにはあまり興味のないような感じで、自分の意見を話し始めます。

こういう人が経営者の場合、社員の話を聞かず、意見も採り入れないというワンマン社長である可能性が高まります。

また、中小・零細のワンマン社長でよくいるのが、話し方が威圧的で声が大きいということです。

よく言うとどこかオーラを感じるというか、経営者然としているとも言えるかもしれません。

特に若い人は気を付けてほしいのですが、人生経験が少ないと、威圧的であっても堂々とした態度の人に対して「この人すごい!」とカリスマ性のようなものを感じてしまうことがあります。

そして入社してしばらくすると、カリスマ社長ではなく単に横暴なワンマン社長であったということに気付くというわけです。

自分を気に入った理由が浅い

ワンマン社長は応募者のスキルや経験を見極めるというよりは「好きか嫌いか」で判断します。

嫌われてしまえば不採用になるのでそれまでですが、面接で幸か不幸か気に入られてしまった場合は要注意です。

例えば、面接全体を振り返ってみて、自分が関わりたい仕事や得意なことをうまくアピールできなかった、自分の話をほとんどすることができなかった、だけど元気だけは保っていたら社長から気に入られたという場合。

自分を気に入ってくれたのは良いのですが、その理由に根拠が薄そうであれば少し疑ってみた方がいいかもしれません。

単に好き嫌いで社員を判断する社長は、気に入られているときはいいですが、社長の意見と違うことを言うようになってあっという間に嫌われてしまうということがあります。

そうなると会社に居づらくなり、再度の転職を余儀なくされるということもあります。

職場見学して社員の様子を判断する

可能であれば、入社前に職場見学を申し出てみましょう。

求人広告などに「職場見学有」と書いていなくても、こちらから申し出れば対応してくれる場合があります。

そして社内の雰囲気を確かめてみましょう。

社長が通ったときにやけに大きな声で挨拶をするなど、ピリッとした空気が流れるようであればワンマン社長の可能性があります。

もちろん社長に対して挨拶するのは社員として当然なのでしょうが、その空気感で社員の社長に対する気持ちが見えてきます。

また、面接で社長プラス他の従業員が同席している場合、その従業員がどの程度発言権を持っているのか、社長に対してどんな態度を取っているのかも一つの判断材料になります。

まるでお飾りのように同席しているだけであれば、社長の権力に抗うことができないできないのかもしれません。

社長以外の人の挙動にも注目してみましょう。

転職エージェントに聞いてみる

転職エージェントを利用した転職活動であれば、ワンマン社長がいる企業で働くことを回避できる可能性が高くなります。

転職エージェントは、企業内情に詳しいケースもあり、企業の採用担当と話をする機会も多いため、事前に確認したい点を聞きだしてくれます。

また、転職エージェントの掲載にあたっては企業審査がしっかりと行われるため、いわゆるブラック企業と出会う確率が少ないです。

ワンマン社長でブラック経営という最悪の企業を回避する方法としては有効と言えるでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、応募先の経営者がワンマン社長かどうかを確かめる方法をご紹介しました。

前職を退職した理由がワンマン社長だったという人や、ワンマン社長の元でだけは絶対に働きたくないと感じている人はぜひ参考にしてみてください。