ペットショップの店員は動物が好き、ペットを飼っているという方にとってはやってみたい職業の一つでしょう。

ただし、ペットショップ店員という仕事は想像以上に大変です。

劣悪な労働環境、ペットへの扱いがひどいなど、転職先として適さないお店というものも多く存在しています。

事前の下調べをきちんと行い、できる限り優良なペットショップに転職することが、仕事として長く続けていくためのコツになります。

そこで今回は、ペットショップに転職したい人が求人を選ぶ際のポイントと注意事項をご紹介していきます。

自分が飼い主だったらどうかという視点でお店の質を確認

転職先のペットショップを見極めるためには、まずはお店を実際に訪れてみて、飼い主視点で見てレベルの高いお店かどうかを確認しましょう。

飼い主から見てペットの安全や健康が確保されていないようでは、お店の質、店員の質ともに悪く、経営方針にも納得できないということが考えられるからです。

劣悪な環境下で売られている可愛そうなペットを見るのは動物好きの人であればなおさら耐えられることではなく、転職しても高い確率で辞めたいと感じてしまうことでしょう。

「自分がこの環境から動物たちを救ってあげたい」と思っても、経営者や店長にならない限りは難しいのが現実というものです。

実際に多くのペットショップ店員が、お店の質の悪さや経営方針への不満から退職をしています。

飼い主視点から確認すべきは下記のようなことになります。

  • 衛生管理は適切か
  • 違法な販売はされていないか
  • 店員の教育が行き届いているか

では一つずつ見ていきます。

衛生管理は適切か

店内を見渡してみて清掃はきちんとされているでしょうか。

そしてゲージの中は、排泄物がそのままになっていないか、きちんと清潔に保たれているかなど細かい点を確認しましょう。

ペットショップを転職先として調べる際、お店側はペットを見に来た客だと思っていますから、じっくり観察しても怪しまれないという点で企業研究がしやすいのがメリットです。

違法な販売はされていないか

子犬や子猫の販売月齢は動愛法で定められていて、生後56日に満たない場合は販売や展示が原則禁止されています。
※経過措置があります。

しかし小さければ小さいほど可愛くて売りやすいですから、この法律に反した月齢での販売が行われている場合もあります。

あまりに小さい子犬や子猫が売られているようであれば、「この子はいつこのお店に来たのですか?」と店員に聞いてみればよいでしょう。

はっきり言わない場合は違法の可能性があります。

店員の教育が行き届いているか

同じく店員にどこのブリーダーからきたペットなのか、親はどういった状態なのかについて聞いてみましょう。

答えられない場合は店員の教育が行き届いておらず店員自体のレベルが低い、もしくは隠したいことがあるから答えないという可能性があります。

また、業者からという答えやブリーダーから来たけれど詳しく答えられないと濁す場合は、怪しいお店である可能性があります。

そういうお店は病気のペットを売ったりして評判を落としていき、いずれ閉店に追い込まれる可能性があります。

今はネットなどで口コミが簡単に広がる時代なので、少しでも怪しいと感じるお店は将来性がないと思っておくのが無難です。

経営者、店長の考え方はじっくり聞いてみて

面接や職場見学時に、経営者や店長の考え方をじっくり聞いてみることが大切です。

規模が小さいお店も多いペットショップでは、トップの考え方や経営方針は働きやすさに直結する要素でもあります。

ペットを販売する以上、経営者がペットを商品として考えるのは当然のことです。

ペットを自分のペットとして可愛がるだけであればビジネスは成立しません。

しかしそれが「利益だけを追い求めて悪質な販売手段を行う」のか「ペットと飼い主の視点に立ち適切な方法で売り上げを挙げたい」のかは天と地ほどの差があります。

仮に違法な販売を行っている場合、経営者や店長が面接の段階で事実を口にすることはないでしょう。

しかし考え方にしっかりと耳を傾けることで、店舗運営、接客に関してのプロ意識があるのかという点を知ることができます。

そしてそれが実践されているのかを知る上で、先ほどご紹介した店舗訪問が大切になるというわけです。

店員への教育体制を知る方法

ペットショップのスタッフの中には、残念ながら社会人としての常識が欠けていたり、接客を仕事にするというレベルにないという人もいます。

ペットショップを辞めたいと感じる人の中では

「同僚たちの仕事のスキルが低い」

ということを挙げる人もいるのです。

これにはペットショップの教育体制が影響しています。

きちんと社員を教育する姿勢が整っていれば、店員の質の低下は防ぐことができ、ひいてはそれがペットショップ全体の業績にもつながるのです。

そこで、事前に社員への教育体制を確認することをおすすめします。

「教育制度はありますか?」

という直接的な聞き方だと、即戦力を期待される中途採用者としては、お店を学校だと勘違いしているのではないかと思われることがあります。

「ペット業界は人気のペットやフードなど変化がある業界ですから、常に店員個人が知識やスキルを磨いていく必要があると思います。スタッフの皆さんはどんな風にブラッシュアップしていっていますか?」

などのような間接的な聞き方が良いでしょう。

このときに、店員が行っている勉強方法や、お店として定期的に開いている研修などがすんなりでてくれば、教育体制が整っているお店だと言えます。

ここで答えに詰まらせてしまう経営者や店長であれば、店員を教育するという考え方が欠けているということです。

給与は慎重に比較して

仕事としてペットショップの店員をする以上、そこでの給与で生活を成立させるのが基本になります。

実はペットショップ店員の給与は数ある職業の中でもかなり低い水準で、店長クラスであっても決して恵まれておらず、一般社員であれば年収300万円未満は当たり前のレベルです。

ペットショップの店員を辞める理由として「給与が低くて生活できない」という点を挙げる人が多いのですが、残念ながらそれは事前のシミュレーションができていないということです。

募集要項に書かれている給与は手取りではありません。

そこから税金や社会保険料が引かれて手取りいくらになるのか想定しておくことが大切で、ぱっと見の給与で「何とかやっていけそう」と安易に考えるのは危険です。

手取りとともに、交通費の支給はあるのか、他に引かれるものはないのかなど、トータルで仕事として成り立つのかを確認してから応募に踏み切るようにしましょう。

ペットショップ求人を探すなら転職エージェントを利用して

ペットショップ求人を探す場合は転職エージェントを使って探すことをおすすめします。

転職エージェントであれば掲載前の企業審査がきちんと行われています。

大型チェーン店など経営母体が比較的安定している求人に出会えることも多く、店長候補などの優良求人もそろっています。

ペットショップに限らずペットに関わりたいという場合には、ペット保険の営業やペットフード関連会社なども狙い目です。

希望の企業で気になる点があればキャリアコンサルタントに相談ができるというのもメリットが大きいです。

信用できる企業を探すなら転職エージェント

今回は、ペットショップで働きたい人が求人選びで気を付けたい点をご紹介しました。

ペットショップは適切な運営を行っている優良企業と、そうではない企業の差が大きい業界でもあります。

そのことをよく理解した上で慎重な求人選びを行っていきましょう。