手に職があれば一生安泰と専門職になったはいいものの、会社への不満があったりその職種で働くことが嫌になったりして、転職を考えるということはよくあります。

この場合、希望の職種が見つかりスムーズに転職活動が進めば良いのですが、前職が専門職ということで意外にも行き詰ってしまうことがあるのです。

そんなときは、視野を広く持ち転職活動の方向性を限定し過ぎないということが一つの答えです。

前職が専門職だからおのずと限定されてしまうのではと思いがちですが、その思い込みを捨ててみることで道が開けてくるでしょう。

そこで今回は、前職が専門的過ぎて転職活動が行き詰っている人のために、専門職の転職活動の悩みを打開する方法についてご紹介していきます。

専門職から専門職のルートは受かりやすいが求人が少ない

専門職から同じ専門職への転職の場合は、スキルや経験がすぐに活かせるという点で応募した際には内定をもらいやすくなります。

ただ、専門的過ぎてそもそも求人が少ないなどのデメリットがあります。

少ない求人の中では、希望の条件等に合致しないケースがあって応募できなくなります。

この場合は、いつ希望の職種での求人が出るかわかりませんし、求人が出たタイミングを逃さないことが大切なので、在籍しながらも常に情報収集をしておくという方法が基本です。

それと同時に、適切な求人が出たタイミングですぐに応募できるよう、自己分析やキャリアの棚卸、業界研究など事前にできることはしっかりと準備しておきましょう。

同職種での求人がなくてもスキルを活かせる仕事ならある

専門職は希望の職種がなかなか見つからないということがありますが、必ずその職種でなければだめなのかは考えてみる必要があります。

その職種名に強いこだわりがあるのか、それともスキルや経験を活かせる仕事であれば良いのかということです。

例えば、社会保険や労務の専門家である社会保険労務士は、社会保険労務士として働くならば労務事務所や年金事務所など働く場所はある程度限定されます。

しかし、社会保険や労務の知識は、あらゆる業界・企業において必要とされるものであり、一般企業でそのスキルや経験を活かすということが十分可能です。

他には薬剤師であっても病院や薬局で薬剤師として働くのではなく、医薬品メーカーや医療機器関連の会社で営業やバイヤーなどの仕事に就くこともできます。

職種にこだわり過ぎず、いかにそのスキルや経験を活かすのかという点に着目してみると、応募先の選択肢が増えて転職活動が軌道に乗りやすくなります。

その専門職がどんな場所で活躍しているのかを調べる

職種だけは譲れないという場合、働く場所に幅を持たせるのも一つの方法です。

業界も職種も絞りさらに専門的となると求人が限られてきますが、その職種として違う業界で働いてみるという選択肢があるのです。

例えば技術職のSEであればIT業界で働くことが一般的ですが、社内SEとして全く別の業界で働けることがあります。

例えば金融業界や医療業界では専門スキルを持つSE出身者は重宝されます。

他には最近は自社でECサイトに力を入れている企業も多いので、ECサイトのシステム設計などに関われる人を募集している求人も目立ち、社内SEとして働ける場所は多くあります。

自分が希望する職種がどんな場所で活躍できるかの情報は、転職サイトや求人検索で得ることができますし、自分が所属している業界から転職していった人の話を聞いてみることでどんな働き場所があるのかを知ることもできます。

ポータブルスキルを磨けば未経験分野への転職も可能

専門職から別の職種への転職をする場合、スキルが限定的過ぎてアピールできるものがないという悩みがあります。

これまでの経験を活かすのが基本の転職ですから、苦戦を強いられるのは無理もありません。

この場合は、職種が違ってもできるだけそのスキルが活かせる職種を選ぶという他には、ポータブルスキルをアピールするという方法があります。

ポータブルスキルというのは業界や職種に関わらず使える汎用性の高いスキルのことで、例えばコミュニケーションスキルやマネジメントスキルなどがよく言われます。

これ以外にも、危機管理能力が高いとかパソコンが得意とか、自分の強みとなるものがあればそれはどの業界や職種においても使えるものです。

専門職だからアピールできるものがないと思う前に、自己分析の中で自身の強みを見つけておきましょう。

専門職を捨てるならば同時にプライドとこだわりも捨てるべき

その仕事自体がきつくて耐えらえれないなど、手に入れた専門職を手放してまでも未経験職種に転職したいと思うことがあります。

未経験職種であっても応募できる業界や職種は多くありますが、それでもうまくいかないという場合はプライドやこだわりが邪魔をしている可能性があります。

例えば専門職の場合は職種によっては給与水準が同世代の中でも高いということがよくあります。

他の職種を経験していないと、どうしてもその水準が当たり前のように感じてしまったり、職種ではなく自分の能力についてくる給与だと思い込んでしまうことがあります。

そういった場合に未経験職種への転職にも関わらず同水準の給与を求めたり、前職が専門職であったことのプライドが面接での態度に出てしまうことがあります。

それでは内定をもらうことはなかなか難しくなるでしょう。

未経験職種に転職する場合は、プライドやこだわりを捨てて、「経験させてもらいたい。」という謙虚な姿勢が必要です。

一時的に年収がダウンすることも許容すべきでしょう。

しかし長い目で見れば未経験職種で経験を積み、結果的に天職を手に入れて活躍するということはあるのです。

専門職の転職は転職エージェントを利用すべき

専門職から専門職に転職する場合で求人件数の少なさがネックになっている場合は、求人数が圧倒的に豊富な転職エージェントを利用すると良いでしょう。

特にその分野に強い転職エージェントを選ぶことが大切です。

各転職エージェントには得意分野があり、専門職に特化したタイプのものや、総合型であっても特に成果を出している分野というものが存在します。

自分の希望職種の転職成功件数が多い転職エージェントを利用することで、求人がなかなかないという不満は解消されますし、自分では思いもよらなかったような活躍の場所を教えてもらえることもあります。

また、専門職から未経験職種に応募する場合も、経験がないというマイナスポイントをどうカバーするかをアドバイスしてもらえます。

応募書類の書き方から面接対策まで全面的にバックアップしてもらえますから利用すべきです。

最後に

いかがでしたか?今回は、専門職の転職活動の悩みの打開策をご紹介しました。

前職が専門的過ぎるという場合でも、選択肢の幅を広げることは十分に可能です。

ぜひ参考にしてみてください。