「少数精鋭です。」と記載されている求人広告を見て、こんな印象を持ちませんか?

  • やりがいある仕事ができそうだ。
  • 自分の実力を試せるかも。
  • なんかかっこいい。

こういった良い印象を持つという方は少々危険です。

少数精鋭企業に転職することにはリスクが多く、転職してから後悔する人も珍しくありません。

では、少数精鋭企業に転職するリスクとはどんなものなのでしょうか?

残業が多く休みにくいなどハードワークになる

「少数精鋭」という言葉から明らかなのは社員数の少なさです。

社員数が少ないとハードワークになる可能性は高いです。

特に成長著しい少数精鋭企業であれば、当然一人あたりの仕事量は多いです。

少ない人数で大きな結果を出すには仕方がありません。

必然的に残業が多くなりますし、抱えているものが大きいので休みもなかなか取れません。

そのハードワークに耐えられるのかを自問自答してから転職に踏み切るべきでしょう。

皆忙しく社内の雰囲気がピリついている

ハードワークになりがちな少数精鋭企業ですから、社員たちの精神状態が穏やかでゆったりしているということはありません。

皆バタバタと忙しく走り回っていますし、集中力の高まりで社内の雰囲気はピリついています。

転職して即戦力として入った場合、先輩が丁寧に一から教えてくれることはないと覚悟しましょう。

職場の雰囲気によって気持ちが左右されやすい人、教育体制が整っている会社で地道に成長したいという人には向いていません。

誰かがいなくなるとダメージが大きい

元々社員数が少なく一人あたりの仕事量や責任も大きい少数精鋭企業ですから、誰かが退職して穴ができると会社全体へのダメージが大きくなります。

100人で10のものを支えるのと、5人で10のものを支えるのとでは一人抜けたときの影響はケタ違いです。

一人抜けても会社としての業績は維持しなくてはなりませんので、引き継ぎや人員補充でなんとか穴埋めすることになります。

後任はさらに激務になりますし、新しく入ってきた人は一気に膨大な仕事を受け持つことになって、いっぱいいっぱいになってしまいます。

退職だけでなく、休職も同じです。

誰かが休んでいる間の仕事は残った少ない人数でやらなければいけませんから、一人あたりの負担は大きくなります。

自分は頑張れても、他の誰かが辞めたり休む可能性があるということは覚えておきましょう。

一人一人のレベルが高くてついていけない

「精鋭」の言葉通りの企業であれば、一人一人が優秀で高いビジネススキルを持っている人たちの集まりということになります。

自分もそのレベルに達していれば即活躍できるでしょうが、周りのレベルが高すぎてついていけないというリスクがあります。

何となく「精鋭」という言葉の響きに惹かれてしまい、面接で自分を実力以上に大きく見せてしまった場合、入社してから苦労することになります。

社員たちのレベルを入社前に確認するには、職場見学をさせてもらう、経営者に話を聞いてみるなどが有効です。

また、自分の実力を等身大にアピールし、レベルに見合っているかどうかは事業主に判断してもらうのも大切です。

入社して求められるものが大きい

「少数精鋭」には事業主のメッセージが込められています。

「優秀でレベルの高い人を求めていますよ。」ということです。

入社してから求められるものが大きいという点は理解しておきましょう。

プレッシャーに弱い人や自分に自信がないという人は、求められるものの大きさに押しつぶされてしまう可能性があります。

覚悟がない人はむやみに転職すべきではありません。

優秀な人は皆独立していく

本当の少数精鋭企業にいる優秀な人たちは独立傾向が強くあります。

普通のレベルの人ならば「自分の実力ならば雇ってもらえれば十分」と思いますが、優秀で高い成果を出している人ほど雇われの枠にとどまりにくく「実力を発揮して独立したい。」と考えます。

少数精鋭企業では事業主自身がサラリーマンから独立した経験者であることも多いので、将来的な独立を前提として入社させてもらえることもあります。

結果的に人が流動的で離職率も高くなりやすく、前述したように退職した人の穴埋めで残された社員が大変になるということが継続的に起こることになります。

その環境が当たり前だという認識があれば良いのですが、「定着率が高く安定した企業で働きたい」という考えの人は少数精鋭企業は避けるべきでしょう。

「少数精鋭」は褒め言葉?自己申告だということを忘れずに

一般的に「少数精鋭」は良い言葉として使われることが多いです。

特に一人一人のレベルが高いことを示すために使われやすい言葉です。

しかし、求人広告における少数精鋭は、他人が判断したわけではなく自己申告です。

事業主が「うちの社員たちは優秀だよ。」ということを言っているわけです。

事業主から見て確かに優秀な社員がそろっていることはあるでしょう。

ただ、中には他に書くことがないからこの言葉を使っているだけというケースがあります。

少数精鋭である根拠はどこにあるのかという視点は持ちたいところです。

そうでなければ、単に社員数が少ないだけで、社員レベルがさほど高くない企業に転職してしまうことになります。

こんな人は「少数精鋭」ワードに注意

「少数精鋭」という言葉に惹かれやすい人の特徴として以下のような点があります。

  • 自分の実力を試したいと思っている。
  • ベンチャー企業に興味がある。
  • 将来的に独立したいと考えている。

これらの考えはもちろん悪いことではありませんが、勢いに走りやすく、盲目的になりやすい側面がありますから慎重さを持つことが大切です。

「少数精鋭」は単なるキャッチフレーズに過ぎません。

転職先を決める際に見るべきポイントは、実際の仕事内容や給与など自分自身が大切にしている判断基準をもとに見極めるようにしましょう。

優良な少数精鋭企業に転職したいなら

リスクを許容した上で、少数精鋭でやっているレベルの高い企業に転職したいと思うなら、転職エージェントを利用して転職活動を行いましょう。

社員数が少ない会社の中にはコンプライアンスの観点からブラック企業と思われる企業も多くあります。

企業審査がしっかりと行われている転職エージェントを利用するのが安心です。

求人件数が他媒体と比べても圧倒的に豊富なため、少数精鋭な優良企業と巡り合える可能性も高まるでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、少数精鋭企業に転職するリスクをご紹介しました。

「少数精鋭」は心惹かれる文言ではありますが、実態を見極めることが大切です。

転職後のイメージをしっかりと持ち、納得した上で転職に踏み切るようにしましょう。