大企業での勤務経験がないけれど、どうしても大企業への憧れが捨てきれないという人は多くいます。
では実際のところ、中小企業から大企業への転職は叶うものなのでしょうか?
今回は、中小企業から大企業への転職可能性についてと、転職を成功させるために必要な基礎知識をご紹介していきます。
目次
どれぐらいの規模を大企業と呼ぶ?
大企業とひとくちに言っても、その定義はいろいろです。
知名度が高ければ大企業だと思う人もいますし、従業員人数や事業規模の境界線も人それぞれ認識が違います。
サラリーマンにはなじみが深い労働基準法では、1ヶ月60時間超の法定時間外労働に対して割増賃金率の適用が猶予される中小企業の判断として、資本金等の額や労働者数の基準があります。
しかし業種によって異なっていて、例えば製造業では労働者数が同じ500人の企業でも、資本金が1億円では中小企業、5億円なら大企業となります。
自分にとっての大企業かどんな企業なのか、それによっても転職が叶う可能性は変わってくるものだと思っておきましょう。
中小企業から大企業への転職成功の可能性は低め?その理由をご紹介
一般的に、中小企業から大企業へ転職を成功させることは難しいと言われています。
何となくのイメージをお持ちの方は多いでしょうが、具体的にはなぜ難しいのでしょうか?
もともと中途採用枠が少ないから
大企業ではもともと中途採用枠が少ないです。
資金力があり教育体制も整っている大企業では、毎年新卒を一斉採用して育てていくのが基本です。
特別な事情がない限りは中途採用者を募集する機会が少ないのです。
新卒を育てる余裕がなく中途採用者を基本としている中小企業との違いはまずはここにあります。
学歴や経歴など応募条件が厳しめだから
中途採用者枠が出たとしても、応募条件は厳しめなのは大企業の特徴です。
給与や待遇に恵まれている大企業で働きたいと考えている人は多いので、学歴や経歴などである程度ふるいにかけなくては応募者が殺到して採用活動が非効率になるからです。
学歴が高く新卒で大企業に就職できた転職組など、大企業から大企業のルートでないと難しいと言われます。
筆記、論文試験の難易度が高いから
大企業は教育制度充実や、新卒採用で高学歴者を採用する傾向にあるため、基本的に社員たちは優秀な人が集まっています。
例え中途採用枠で学歴要件がなかったとしても、考える力があったり論理的な思考回路を持つ人が求められるのはごく自然な流れです。
そのため、筆記や論文試験はほぼ実施されますし、その難易度は高いです。
学歴はなくても地頭が良い、優れた思考能力があるなどであれば、難易度の高い筆記、論文試験を突破する可能性は十分にあります。
中小企業への転職よりハードルが高いと心得よう
ここまで中小企業から大企業への転職が難しいと言われる理由をご紹介しました。
「とりあえず会ってみよう。」としてくれることも多い中小企業に比べると、書類選考や筆記の段階で不採用になる可能性もあってハードルはかなり高めです。
中小企業から中小企業への転職に比べると大変だということはお分かりいただけたのではないでしょうか?
大企業への転職を成功させるために必要なこと
難しいのは承知の上で大企業に転職したいと考えるのであれば、転職できる可能性がないわけではありません。
では具体的に何をすれば大企業へ転職できるのでしょうか?
突き抜けた強みが必要
中小企業から大企業に転職するならば、明確にアピールできる突き抜けた強みが必要です。
例えば全支店中の年間売り上げトップとか、有名施設建設を手掛けた実績があるとか、客観的に見て評価されるものです。
数字やそれに値するような具体的な結果を示すことが必要でしょう。
このような突き抜けた強みは、大企業だからこそ出せるということもあります。
中小企業では大企業の看板はありませんから、成果を挙げようにも知名度の低さや商品の質がネックになって個人の能力では難しいのです。
ただし、それでも素晴らしい実績があるならば、中小企業から大企業への転職は可能です。
大企業の看板なしに高い実績を挙げてきた人ならば、大企業に入れば鬼に金棒、活躍への期待が高まります。
筆記、論文対策は必須
中小企業からの転職に限ったことではありませんが、前述したように大企業の筆記、論文試験は難易度が高めです。
中小企業では筆記、論文試験なしの企業も多い点を考えると、より対策の重要性がでてきます。
筆記試験は、一般教養や時事問題を問うものから、専門的な知識を問うものまで様々です。
希望する企業でどんな試験が行われるなど傾向を調べておくことも大切です。
市販の参考書や新聞、論文対策本などもありますので探してみましょう。
事業規模を徐々に上げていくのも一つ
年齢的に猶予があるのであれば、徐々に事業規模を上げていきステップアップ転職を図るのも一つです。
例えば200人規模の中小企業からいきなり1万人規模を目指すのは難しいかもしれませんが、1,000人規模の中小企業ならば転職のハードルが下がるということもあります。
ある程度知名度のある優良中小企業で高い実績を挙げたならば、そこから大企業を目指すことで評価の対象となる可能性はあります。
ただし、最近は大企業神話も崩れており、優良中小企業に人気が集中することもあります。
中小企業だから転職できるというわけではないということは覚えておきましょう。
最適な時期を見逃さないこと
大企業に転職するには、時期的な要因もあります。
日本全体や業界内の景気が抜群に良いときであれば、大企業でも中途採用枠を増やし積極的に事業拡大に取り組むことがあります。
新卒に比べて即戦力の中途採用者を雇用することで、スピーディーな事業拡大が叶うからです。
反対に景気が悪いときは、大企業どころか中小企業に転職するのも大変です。
景気や転職市場の動向を常にチェックしておき、ここぞというタイミングを狙うことで大企業への転職可能性はアップします。
当然ならがそのタイミングを逃さないために、スキルアップや現職での成果を出すことに力を注いでおく必要はあります。
どうしてもならコネ入社も
これは望めばできるものではありませんが、大企業の役員などにコネがあるなら紹介してもらうという方法もあります。
一般応募のような選考基準が採用されず難なく転職できるということはあります。
ただし、実力以上の企業に転職して、入った後に自分が困るということはよくあります。
コネがあるなら使うのも手ですが、自分の実力を見誤らないようにはしたいものです。
大企業の求人を探す方法
大企業の求人を探すには、特定の企業が決まっているならば企業HPの採用ページを見てみましょう。
中途採用枠があればそこで募集をかけています。
特定の企業に絞らずとにかく大企業を探したいのであれば転職エージェントがおすすめです。
ハローワークや求人誌はどうしても地元密着の中小企業の掲載が多いので、大企業に出会える可能性は低くなります。
大手転職エージェントであれば、事業規模が大きい、知名度の高い企業の案件も扱っているので希望の条件に合った大企業求人に出会える可能性があります。
最後に
いかがでしたか?今回は、中小企業から大企業への転職可能性についてと、転職を成功させるために必要な基礎知識をご紹介しました。
かなり厳しい道のりにはなりますが、どうしても成功させたいという人は諦めずにチャレンジしてみてください。
努力が実って転職が成功する可能性はゼロではありません。