転職活動に悩みはつきものですが、最終段階での悩みとして多いのは「内定を受けるべきかどうか。」ということです。
応募する企業をどこにしようかか悩んでいたのはついこの間なのに、内定をもらったらそれはそれで悩んでしまうもの。
職業人生を決める重要な局面なのですから仕方がありません。
十分に悩みましょう。
ただし、やみくもに悩んでいても答えはでませんから、以下の3つのステップで答えを導きましょう。
- 企業の情報を整理する
- 自分の情報を整理する
- 他者に相談してみる
それぞれにポイントや注意点がありますので、3つのステップについて解説していきます。
目次
ステップ1.企業の情報を整理する
まず最初に行いたいのは内定がでた企業の情報を整理することです。
企業情報を整理するだけでも冷静になりますし、なぜ応募したのか思い出してきます。
もう一度企業研究をやり直してみる
応募前に企業研究は散々やったでしょうが、もう一度企業研究をやり直してみましょう。
応募前と今とでは精神状態も違いますから同じ情報でも違う風に見えてくるものです。
応募前はとにかく内定につなげようという焦りもあり、企業の良い面や、応募書類や面接でアピールできそうな得意分野にだけ目が行きがちです。
内定をもらった今企業を見つめてみることで、良い面と悪い面の両方に目を向けることができます。
この企業の強みは何なのか、経営者の考え方に本当に納得ができるものなのかもう一度考えてみましょう。
企業への志望動機となったものはなんだったのか
内定をもらった企業に応募した理由はなんだったのでしょうか?
だから応募しようと思ったポイントが必ずあったはずです。
先ほどの企業研究の結果とともに企業への志望動機を書きだしていきましょう。
もし複数の内定で迷っているのであれば、その企業でも同じことを行って比較していくという作業を行います。
ステップ2.自分の情報を整理する
続いては、自分の中にある情報を整理していく作業を行います。
自分のスキルや経験だけでなく、自身が大切にしたいものなど感情面での整理も行っていきましょう。
こちらも応募前にやっているでしょうが、内定がでた今行うとまた違ってきます。
そもそもの転職理由をクリアしているのか再確認
内定がでたということは転職活動は終盤ですから、転職活動を始めた当時の目的を忘れかけているということがあります。
最初は「今度こそ自分のやりたい仕事に就く!」と決めていても、活動段階で焦りが生じてしまって目的が内定を得ることになってしまうことがあるのです。
元々自身が転職活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
前職を辞めたいと思った理由は何だったのか、何を達成させるために転職活動をしていたのか振り返ってみてください。
自分が仕事をする上で大切にしたい基準を明確に
自分が思い描く条件をすべて満たす会社はありません。
自分が設けた条件の中で優先順位をつけていき、仕事をする上で何を特に大切にしていきたいのか基準を明確にする必要があります。
ここだけは譲れないという基準を思い出したら、内定が出た企業がその基準をクリアしているのかを確かめましょう。
譲れない基準さえクリアしていれば、多少の大変な仕事も耐えられます。
自分のスキルや経験が活かせる企業かどうか
これまで作成した職務経歴書を見つめ返し、自分のスキルや経験を今一度整理しましょう。
そしてそのスキルや経験が活かせる企業であるのかを確認します。
どんなに良い企業で、面接官の人柄が良かったとしても、自分が活躍できるステージがなければ転職してから不満に感じてしまうものです。
その企業は、自分がこれまでの経験を活かして貢献している姿がイメージできるでしょうか?
隣の芝は青く見えると心得よ
転職活動そのものが割と順調にいった人に多いのが、内定をもらっても「他にもっと良い企業があるのではないか?」と思ってしまうことです。
上を見ればきりがありませんが、いつまでも転職活動を続けるわけにはいきません。
どこかでここだと決めなくてはならないでしょう。
こういう人に伝えたいのは「隣の芝は青く見える」ということです。
自分にはとても素晴らしい仕事や環境があったとしても、友人や知人が働いて楽しそうにしている姿をうらやむ気持ちが出てしまう。
それは自分の軸がしっかりしていないからです。
実際に働くのは自分なのですから、自分が転職で果たしたい目的、仕事への適性など自分自身に目を向けましょう。
他人の持ち物に目を向けている限りは、転職して良かったと思える日は永遠に来ないでしょう。
ステップ3.他者に相談してみる
ステップ1と2をやってみると、内定を受けるべきかどうかが見えてきます。
それでもなお迷いがあるという人に限っては、ステップ3として他者の意見を聞いてみるということをしましょう。
ただし、あくまでも最終決定は自分ですし、選択した後の責任も自分にあります。
基本的にはステップ1と2で方向性が見えているでしょうから、最後のひと押しをしてもらいたいという人は相談しても良いでしょう。
相談相手の選定は慎重に
内定受諾をするかどうかを迷って他者に相談するときは、相談相手の選定は慎重です。
誰でも良いわけではないのです。
特に今働いていない人など、転職市場についての状況を知らない相手には相談すべきではありません。
現役でなければ今の業界事情が分かりませんし、古い情報をもって一般論だけを並べられる可能性もあります。
そして親も注意が必要です。
親は子供のこととなると客観的に考えられなくなるものなので、つい世間体が良い有名企業をすすめたり、大人になった今の適性を考えたアドバイスができないのです。
これらを踏まえた上で、客観的なアドバイスをくれる人であれば相談してみる価値はあるでしょう。
プロならば役立つアドバイスをくれる
友人、知人に相談するのは話をじっくり聞いてもらえて落ち着けるというメリットがあります。
ただ、やはりプロではない以上、そのアドバイスは落ち度がある可能性もあるというものです。
転職支援のプロである転職エージェントであれば、転職市場の状況把握はもちろんしていますし、内定受諾に迷ったときに何を考えるべきかなど具体的なアドバイスをくれます。
最終決定をするのは自分であっても、プロに相談することで方向性が見えてくるでしょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、内定を受けるべきか迷ったときの3ステップについて解説しました。
内定がでたことは喜ばしいですが、そこがゴールではありません。
迷いを抱えたまま受諾または辞退して後悔しないためにも、ぜひ3つの作業を行ってみてください。