転職先が決まり、いよいよ今の会社ともお別れ。
最後の一仕事として待っているのが送別会の主役としての立場です。
送別会を開いてくれる好意をありがたく受け止め、今の会社の従業員として最後まで正しい振舞いをしましょう。
今回は、退職するときの送別会におけるマナーや注意点を解説します。
目次
自己都合退職者に送別会はあるの?
定年退職や栄転などお祝い的な要素が強い送別と違い、転職による送別会は自己都合ですよね。
そもそも自己都合退職者に送別会はあるのでしょうか。
これは、職場の慣例や上司の考え方によって大きく異なります。
定年だろうと自己都合だろうと、退職者にはすべて送別会を開く職場もあれば、自己都合退職者には基本的に送別会はないという職場も。
例え親しい間柄でも、不要なトラブルを避けるため、慣例に従うケースが多いでしょう。
職場の送別会はおこなわず、個人的に親しい人たちだけで食事に行くことなどもあります。
いずれにせよ、送別会を開いてくれるのは職場の人たちですから、申し出には感謝の気持ちを述べましょう。
送別会は遠慮するという考え方もある
送別会を開いてくれることに感謝するにしても、送別会を辞退するという考え方もあります。
職場の慣例によって送別会が当たり前に行われるにしても、必ずしも職場全員の意志ではないでしょう。
誰かが自己都合で退職することで、残された人の業務負担が一時的に増える可能性もありますし
「なぜ自分の都合で辞める人の送別会に、お金を払って参加する必要があるのだ?」
と感じる人もいます。
自分の職業を決めるのは自由ですし、後ろめたい気持ちになる必要はありませんが、送別会を嫌々参加する人に対してこちらから配慮するのも一つ。
幹事を任される若手の負担もありますから、早い段階で
「もし送別会を開いてくださる予定であっても、お気持ちだけ受け取って辞退させていただきます。」
と伝えておきましょう。
お世話になったお礼は職場で心を込めて伝えればいいのですから、必ずしも送別会を受け入れる必要はありません。
どんな場合も受け入れることこそがマナーという考え方もありますが、何より大切なのは相手の立場に立つということではないでしょうか。
主役だから飲み潰れるのはNG!お礼を伝える場だと思って
送別会ではお酒を飲む機会が多いでしょうが、いくら主役だからと言ってお酒に飲まれることだけはやめましょう。
1人の社会人として不適切な行動であるほか、職場の人と接する最後の場所。
最後の印象は強く残るものですから、飲み潰れた姿をさらしてしまえば、これまで仕事でいい成果を出してきたのも忘れられてしまいます。
送別される側は、その好意とこれまでお世話になったことに対してお礼を伝えるよう努めるのが大人の対応。
近い存在だからこそなかなか伝えることができなかった心のこもった言葉を伝え、送別会がいい思い出になるようにしたいですね。
仲良し以外の人ともしっかり話すこと
職場内でも、親しい人とそうではない人とわかれることがあります。
普段の飲み会であれば親しい人と主に話すこともありますが、自分の送別会のときはまんべんなく話かけて挨拶しておきましょう。
自分が主役だからと、親しい人と楽しく会話したい気持ちはわかりますが、逆の立場に立って考えてみましょう。
あなたと親しくない人は、関係性が薄いにも関わらず、退職する人のためにお金と時間を使って参加してくれているのです。
それなのに親しくないという理由で話をしないのは失礼にあたります。
送別会は単なる飲み会の席ではないということを覚えておきましょう。
最後だからといって会社の愚痴や不満を暴露しない
転職するきっかけは、どんな人であっても何かしらの不満です。
会社や上司、同僚への不満、給与が低い、やりたい仕事ができない不満など。
積もりに積もった不満があったからこそ、転職に向けて動きだしたはずです。
「最後だから愚痴や不満を思いっきり吐き出してスッキリしたい!」
と思っても、社会人として不適切なのでやめましょう。
退職する本人だけはスッキリするかもしれませんが、聞かされた人は気分を害します。
愚痴や不満を言えば言うほど
「君はそんなひどい会社にいるんだね。」
と指摘されているようなものです。
転職先のことを話さないよう注意
お酒がまわってくると、普段は注意していたことの意識が薄れ、「ついうっかり」が起きます。
例えば転職先のこと。
基本的に今の職場の人に対して、転職する企業名や場所など詳細を伝える必要はありません。
むやみに話し、転職先によくない噂を広められたケースもありますから、伏せておくのが無難です。
しつこく聞かれた場合は「転職先の担当の人から言わないように指示されている。」と言っておけばいいのです。
これが、お酒の席になるとペラペラと話し出す人がいるので要注意。
お酒がまわり、主役は自分、いつになく色々な人に話しかけられることで舞い上がってしまうでしょう。
つい転職先の情報や面接の様子などを話してしまうことがあります。
「今の職場の人とはもう会わないからいいや。」という気の緩みもあるでしょう。
しかし、想像以上に世間は狭いもの。
話した情報が人づてに転職先に伝わり、信用を失うことのないようにしましょう。
最後の挨拶は簡潔に感謝の気持ちを伝えて
人前で話すことが苦手な人でも、これだけは避けて通れないこと、それは職場の人に向けた最後の挨拶です。
恥ずかしいからという理由で断ったりせず、最後くらいしっかり挨拶しましょう。
挨拶は、どんなときも長いと嫌がられます。
できるだけ簡潔にかつ丁寧に、お礼を述べる時間としましょう。
とはいえ、短ければいいというものでもありません。
あまりに短いと、「会社に不満があったのかな?」などと、いい印象をもたれないことも。
理想は1~2分。
短いように感じるかもしれませんが、想像以上に多くの言葉を伝えられます。
3分以上になると自己陶酔感が強いため避けた方がいいでしょう。
最後の席なので、笑顔で挨拶したいですね。
最後まで気を抜かず円満な退職を
今回は、送別会の主役になったときのマナーや注意点を紹介しました。
送別会を開いてもらう場合は、今の会社における最後の務めだと心して、本当の円満退職を果たしましょう。