一時期、「KY(空気読めない)」という言葉が流行りました。
この言葉が流行ったのは、多くの人が「空気読めない人って困るよね!」と考えていたからでしょう。
「KY」な人は、言葉の流行り廃りや時代関係なく、どこに行っても敬遠されます。
特に困るのは職場の人間や転職活動です。
家族や友人なら「お前って本当に空気読めないよね!」と笑い飛ばしてくれるかもしれません。
しかし、職場の人や応募した企業の面接官は凍り付いたまま「この人はだめだ。」の判断されてしまいます。
では、空気を読む力は、変えられないのでしょうか?
実は、空気を読む力はしっかりと鍛えることができます。
いつも職場の人間関係がうまくいかない、なぜか自分が話すと場が凍り付いてしまうという人は、その状況と真摯に向き合い、鍛えていきましょう。
目次
空気を読めない自分を責める必要はない
空気を読めない人でも、周囲から指摘されたり、場が凍り付くどころか爆発するくらいの発言をしてしまったりして、「さすがに気づく」ことがあります。
こうした経験を何度かしていくうちに自分の空気の読めなさ具合を認識していきます。
「またやってしまった…。」「どうして自分はこうなんだろう。」などと落ち込むことがあるでしょうが、自分を責める必要はありません。
「空気は読めないけど悪い人ではない」という人は多く、周囲もわかっています。
空気が読めないことは何も人間性に問題があるわけではなく、よく考えずに言葉を発してしまったり、少し視野が狭くて気づけないということなのです。
悪気がない人がほとんどでしょう。
自分を責めることでコミュニケーションを取ることを恐れてしまうと、より空気が読めなくなってしまいます。
空気を読む力は鍛えればいいだけ、そう思っておきましょう。
「自分だったら」ではなく「相手はどうだろう」を考える
空気を読めない人は、相手の立場に立って考えることが苦手です。
一生懸命相手を喜ばせようとしても、それが「自分だったら嬉しいから」という視点に立っているためずれてしまうのです。
自分が嬉しいこと、自分が許容できることは、必ずしも相手も同じではありません。
「自分だったら」ではなく「相手はどうだろう」といつも考えてみることが大切です。
とはいえ相手は赤の他人。
相手の望む言動などわかるはずもありません。
「相手はどうだろう」と考えたうえで、さまざまな可能性を想定するのです。
1つに決めつけずに複数の可能性を考えていくと、むやみな言動でその場を凍り付かせたりすることが減っていきます。
人を観察する練習をする
空気を読めない人は、相手のことを見ているようであまり目に入っていません。
相手がどんな表情や声のトーンをしているか、気にしていないのです。
顔色をうかがい過ぎるのもよくありませんが、目の前にいる人を観察する練習をすることで、段々と相手の雰囲気が読み取れるようになります。
このとき、目と耳を使うことを意識し、そこから入る情報を得るようにします。
「眉間にしわが寄っている」「いつもより声のトーンが低い」など。
ここで、「眉間にしわが寄っているよ。怒ってるの?」と直接的な言葉にしてしまっては空気が読めない人です。
言葉として発する前に、相手の状況を分析、予想し、どうしても話しかけなければならない状況なのかを見極めましょう。
急ぎの用事ではないなら、少し様子を見て、相手の表情が普段通りになった時点で話しかけるのが賢明です。
自分の気持ちと向き合うこと
人を観察するとは、自分自身も含みます。
何を言われたら自分が嫌な気持ちになるとか、どんな行動に対して嬉しいと思うのか、自分自身の気持ちもあわせて観察していきましょう。
自分の気持ちと向き合うことで、相手の立場にたって物ごとを考えられるようになり、相手の表情などから気持ちを察することができるようになります。
空気を変える前に空気を読む力をつけること
相手が怒っていそう、落ち込んでいそうなどと感じ「元気づけるために明るい話題を。」とむやみに話かけてしまうと、空気が読めないと思われます。
空気を読める人が、その場の空気を変えるために敢えて真逆の行動をすることはありますが、それは日頃から空気を読めるからこそ有効な手段。
つまり、高度なテクニックです。
空気が読めないと自覚している人は、まずは「こういうときは話しかけない方がいい」と判断できるようになりましょう。
「自分が話す」ではなく「相手の話を聞く」
空気が読めないと思われる人の典型例として、1人でぺらぺら話続けているということがあります。
自分が話したいこと、聞いてほしいこと、すべては自分の欲求を満たすことに目が向いています。
このクセはなかなか修正することができませんが、いつも会話を始める前に「今日は話を聞こう」と決めておくことで、徐々に一方的な会話をしないようになります。
「話を聞くつもりだったのにまた自分が話してしまった。」と思っても、次の会話のときにも必ず、話を聞く姿勢で臨むことが大切です。
会話の中では「待つ」ことを意識しましょう。
相手が話し終わるのを待つ、自分が話したあとは相手が話すのを待つ、といったことです。
「待つ」を意識することで、会話の中に適度な間が生まれ、相手にとっての空気が読めない存在ではなくなってきます。
空気を読む力は仕事や転職活動で活きてくる
日頃から空気を読む力を鍛えておくと、職場の人間関係が良くなるだけでなく、仕事で成果をだせるようになったり、転職活動がうまくいくなどのメリットがあります。
空気を読むとは、相手への気配りができるということにつながるため、顧客や取引先から信頼されるようになり、ビジネスでも大いに役立つのです。
転職面接でも、面接官の質問をよく聞き、質問の意図にあった回答ができるようになり、コミュニケーション能力が高いと認められます。
コミュニケーション能力が高い人は、多くの企業の人事担当者が求める人材ですから、内定確率もアップするでしょう。
実際に転職したあとも、職場の人間関係がうまくいき、人間関係が原因で仕事を辞めたいと感じることも減ってきます。
「空気が読めないのは性格だから仕方がない。」と諦めなければ、こうした良い影響が考えられるのです。
面接に不安がある人は
空気が読めない自分に自信がもてず、転職活動の面接に不安がある人もいるでしょう。
その場合は、転職エージェントを利用して面接対策をおこないましょう。
相手の話を遮ったり、一方的に話してしまうクセなど、面接官が気にしそうなクセがあれば適切なアドバイスをくれます。
エージェント相手に話しておくことで、本番の面接で緊張し過ぎることなく力を発揮できるようになります。