今の40代が若い頃は、いわゆる就職氷河期と言われた時代です。
新卒での就職活動がうまくいかず、非正規雇用の道を選ぶしかなかった人もいるでしょう。
景気が回復したタイミングで正社員を目指すという方法もありましたが、何となく挑戦しないまま40代を迎えてしまった人も多くいます。
では、40代になるまで正社員として働いたことがない人は、これからも正社員として働くことができないのでしょうか。
はっきり言うと、かなり厳しい戦いを強いられることが確実です。
ただ、40代になって初めて正社員になれた人もいますから、可能性がゼロではありません。
正社員への道を、40代になった今こそ叶えたいと強く願う人のために、転職活動のポイントを紹介します。
目次
契約更新前の早い段階から転職活動を始めること
過去の正社員経験の有無を問わず、40代の転職活動は長期戦が覚悟です。
現在派遣や契約社員で働いている人は、契約満了前のかなり早い段階から転職活動を始めることが大切です。
「契約途中で正社員採用が決まったら困るから、満了前の数か月前から始めよう。」などと、悠長なことを言っていられません。
いつ内定をもらえるのかわからないのですから、今すぐにでも活動を始めましょう。
当然、派遣や契約などで働きながら始めなくてはなりません。
時間がないからと、辞めてから転職活動をすることは、論外だと思っておきましょう。
一般的な転職活動期間は3ヶ月~6ヶ月程度、長い人であれば1年かかることもあると言われます。
ただ、これは正社員から正社員への転職を目指す人や、正社員経験がある20代、30代の人も含めた一般論。
40代でかつ正社員経験がないともなれば、1年以上の活動は覚悟すべきでしょう。
未経験でも正社員を求めている業界を目指す
転職活動は前職の経験を活かすことが前提で、未経験の分野に転職するのは基本的に難しいと言われます。
ただし、40代で求められる経験は主にマネジメントスキルです。
派遣や契約でも、マネジメント経験やリーダーとしての役割を任されていたならアピールできますが、そうした経験がほとんどない人もいるでしょう。
この場合は、発想の転換をし、未経験分野で正社員を目指すのも一つです。
例えばタクシー業界、介護業界、運送業などは未経験でも比較的受け入れられやすい業界です。
年齢による壁も少ない業界ですから、他業界よりチャンスが広がります。
結婚相談所の社員などニッチな職種を探すのもいいでしょう。
これまでの職業経験を活かすというより、これまでの人生そのものを活かせる数少ない仕事でもあります。
こうした業界を提案すると、「自分には絶対に無理。」と決めつけてしまう人も多くいます。
しかし、柔軟な気持ちで視野を広くもってみると、「意外と面白そうかも。」と思えることがありますよ。
当然ながら、「とことん正社員にこだわるなら、仕事を選り好みする余裕はない。」と、自分を鼓舞する必要もあります。
知り合いの紹介も積極的に受けいれる
知り合いからの紹介で入った会社は辞めにくいという理由から、敬遠する人も多いですよね。
紹介は応募の手間がなく採用されやすい半面、入社後の苦労が絶えない転職方法でもあります。
ただ、正社員経験がない40代の人が正社員の紹介を受けるチャンスがあれば、積極的に挑戦すべきです。
もちろん事前に企業について調べておくなど最低限の準備は必要ですが、またとないチャンスになる可能性もあるからです。
紹介を受けて辞めてしまったら悪いから、という感情はいったん捨て、「絶対にこの会社で正社員として頑張ろう!」という強い覚悟をもちましょう。
無意味と言われる資格取得も選べば役に立つことが
40代から転職を考えると、「少しでも武器になるように資格を取得しよう。」と考える人も多いですが、40代は経験重視。
資格はほぼ無意味だと言われています。
ただし、キャリアの方向性をしっかり定め、取得の目的を明確にし、何の資格を取るか選べば役立つこともあります。
やみくもに「とりあえず事務系なら簿記かな。」ではなく、その資格を取得して必ず身につけたいスキルや知識かどうかを、自分自身に問いかけてみましょう。
例えば、40代までずっと派遣やパートで働いてきた主婦の方が、「社会保険労務士になる!」と決め、数年かけて社労士資格を取得し、社労士事務所に正社員として採用されたケースがあります。
実務経験はありませんでしたが、士業は資格がなければはじまらない職種でもありましたし、40代で挑戦した意欲を買われての採用でした。
このケースの場合は、資格取得の目的が明確です。
なんとなく転職に有利になるかどうかではなく、まっすぐで熱い気持ちがあったからこその成功とも言えるでしょう。
ただし、難関資格だから必ず転職できる保証はなく、資格取得までに時間もお金もかかることは必ず覚えておきましょう。
軽い気持ちで挑戦する難関資格ほど、無駄な時間を過ごしてしまうことはありません。
40代になるまでずっと実家暮らしは意外と気にされる
派遣や契約社員でもあっても、正社員と違うのは単に雇用形態の違い。
これまで自立して生活できてきたなら、堂々と胸を張って転職活動しましょう。
ただ、40代になるまでずっと実家暮らしという人は、企業の採用担当者によっては意外と気にされることがあります。
事情がどうであれ、赤の他人からすれば「40代になってまで親に頼って生きてきた人」と思われることがあるからです。
正社員として働いてこなかったのは、結局のところ甘えがあり、仕事に対しても耐性がないのではないかと不安に思われます。
親の介護など、どうしても実家を離れられない理由がないなら、非正規雇用であっても自立した働き方を目指すところから始めていくことも大切なことです。
派遣や契約社員だと賃貸契約が通らないと思っている人も多いですが、安定した収入があれば問題ない不動産屋もありますよ。
転職エージェントは諦めず探すこと
転職成功の切り札とも言えるのが転職エージェントです。
応募書類の添削や面接対策など転職活動全体をバックアップしてくれるため、転職成功確率がアップします。
ただし、正社員経験がない40代の場合は、そもそも転職エージェントから断られることもあります。
「紹介できる仕事がない」というのが理由です。
しかし、中には親身になって未経験でも応募可能な職種を探してくれたり、スキルアップに必要なノウハウを提供してくれるエージェントも。
1社、2社で断られても諦めず、エージェント探しもおこなっていきましょう。
最後に
いかがでしたか?
正社員経験のない40代転職は非常に厳しいものがあります。
成功した人の中には100社以上は応募したという人も珍しくありません。
そのくらいの覚悟をもって挑戦すれば、定年までの20年を安定した正社員として働ける可能性が広がります。
これからをどう生きたいのかは自分次第。
ぜひじっくりと考えてみてください。