看護師は女性割合が9割以上と、圧倒的に女性が多い職場。
しかし、ここ10年で大幅に就労者数を増やしているのが男性看護師です。
最近は、男性の看護師がいても珍しく感じる人も減ってきたことでしょう。
命と向き合う厳しい医療の現場では、「女性に囲まれてうらやましい」なんてハーレム状態であるわけでもなく、男性看護師の悩みはつきません。
そこで今回は、男性看護師の悩みやキャリアへの不安、転職活動におけるアピールポイントなど、男性看護師の転職事情を紹介していきます。
目次
男性看護師はどんな悩みを抱えているの?
医療業界では、医師をはじめとして薬剤師、臨床検査技師、放射線技師など、男性が広く活躍する職種が多くあります。
しかし、看護師は圧倒的に女性主流。
男性が看護師として働くとどんな悩みがあるのでしょうか。
男性であることを理由にした仕事の要求
マイノリティーは、いつもそれを理由にした理不尽さを感じることになります。
男性看護師の場合は、「男だから」が理由。
力仕事や、患者、患者の家族が怒ったり暴れたりしたときの対応など、一方的に仕事を押し付けられると感じる男性看護師も少なくありません。
看護師の女性たちは精神的にタフで、ときには同僚や後輩に厳しい言葉を投げかけることが少なくありません。
相手が男性看護師であればなおさら、「男だからこれくらい言っても平気だろう。」と態度がきつくなることもあります。
夜勤や残業が優先的にまわされる
男性看護師の場合、女性に比べて体力面で有利であることなどから、夜勤や残業を優先的にまわされることも多くなります。
完全売り手市場の看護師は、休職しても復帰しやすく、女性の産休、育休取得者が多い職種。
妊娠から復帰数年は夜勤や残業ができない看護師もいるため、休職を取らずに子育てしやすい男性看護師がその穴を埋めることもあります。
女性上司からの理解がない
看護現場の上司はほとんどが女性です。
看護学生の頃から女性が多い場所に身を置き、女性社会でのぼりつめた女性上司は、残念ながら男性看護師への理解がない人もいます。
男性ならではの悩みや不安に寄り添うことができないため、男性看護師は相談する相手がいないという状況に陥ります。
男女間での福利厚生の差
看護職に対する福利厚生は、女性看護師を想定していることがほとんどなので、男女間の福利厚生にも差があります。
寮に女性しか入れない、ロッカールームなどの設備が男性だけ整っておらず古くて汚い場所にある、車通勤の駐車場も遠いなど。
医療機関側も男女間に差をつけるつもりはないのでしょう。
しかし、どうしても数的有利な女性看護師を優先せざるを得なくなってしまうのです。
男性看護師のキャリアへの不安
将来性が高い医療業界において、看護師は「どこに行っても仕事がある」と言われる職種の1つ。
しかし、男性看護師の場合は、女性看護師に比べてキャリアへの不安も多くあります。
一体どんなことでしょうか。
女性ほど選択肢が多くない
まずはキャリアの選択肢。
男性看護師が病院で働く場合、その病棟は女性に比べて限られてしまいます。
たとえば産婦人科。
ここでは、女性患者から敬遠されがちな男性看護師を敢えて配置するというケースは稀です。
その他の科でも、女性患者や家族が男性看護師であることを理由にケアを拒否されることもあります。
結果的に、救急や精神科、透析など、男性看護師が多い職場が偏ってくるのです。
病院ではなく個人クリニックの場合も同じです。
個人クリニックで男性看護師が働くのは珍しいケースで、クリニック側もまだ積極的に受け入れ体制が整っていないのが実情。
夜勤がない個人クリニックへという選択をする人男性看護師は少ないようです。
管理職になってもメリットが少ない
男性看護師がキャリアアップする方法としては、やはり管理職を目指すというものがあります。
女性に比べてキャリアが継続しやすいため、男性看護師のキャリアアップとしては王道の方法でしょう。
ただ、看護師の給与で大きなメリットは夜勤手当による加算。
管理職になると夜勤回数が減り、その分手当も減るため、管理職手当がついてもトータルでは変わらない可能性がでてきます。
責任が大きく、女性看護師たちをまとめるストレスもあり、さらに給与が大幅にアップしないとなると、管理職を目指すことをためらう男性看護師も多いのです。
男性看護師の需要は確実にある!アピールポイントは?
キャリアへの不安を抱える男性看護師ですが、転職市場では需要が増えてきています。
看護師の人材不足解消には男性看護師の活用が不可欠。
力強く心身ともにタフで、女性看護師では難しい患者対応も幅広くおこなえるとあって、男性看護師を望む現場も多いのです。
男性看護師がいることで、職場の雰囲気作りにも貢献できます。
女性だけの職場と男性が1人でもいる職場、その雰囲気や人間関係はまったく変わってくるのです。
今後の高齢化社会に向けて、医療業界はますます発展を迎えることが確実。
男性看護師の需要も増え続けていくでしょう。
転職を考える男性看護師は、男性ならではの強みをアピールすることで、希望の職場への転職成功が叶います。
男性看護師の転職活動方法
男性看護師が転職先を探すポイントは、男性看護師への理解があるかどうかです。
男性看護師がこれまでに1人もいない職場だと、なかなか理解が難しいところ。
できれば男性看護師の先輩がいる、男性看護師の採用を積極的におこなっている職場がいいでしょう。
こうした職場の内情や採用方針は、医療機関のHPなどからは本音を読み解くことは困難なことがあります。
そのため、転職エージェントを利用して、医療機関側と自分との間に入ってもらうのがおすすめです。
転職エージェントは転職支援のプロですから、求人紹介だけでなく職場内情や転職前に聞いておきたいことなどを確認することができます。
最後に
いかがでしたか?今回は、男性看護師に注目し、悩みやキャリアへの不安、転職活動におけるアピールポイントなど、転職事情を紹介しました。
まだまだ数が少ない男性看護師は悩みも多いですが、確実に需要は増えています。
転職することで自身の職場環境やキャリアの道が切り開ける可能性もあるでしょう。
ぜひ希望の転職を叶え、看護の現場で活躍を続けていってください。