「対人力」というのは、相手と向き合い、コミュニケーションを取る、何らかの働きかけをすることにより関係性を築いていくといった、人付き合いに必要な総合的な能力と言えます。

人との関わり合いは生きていく上で避けて通ることはできないもの。

これからを生き抜くために必要な能力です。

では、もともと人付き合いが苦手という人は、どのように対人力を鍛えていけばいいのでしょうか。

対人力は、実際に人と接する機会を増やすことで劇的にアップします。

他者と積極的に関わりを持つことで鍛えられていくと言っていいでしょう。

とはいえ、自分の好きな人、居心地がいい人とだけ関わっていっても、仕事や転職で役立つような対人力にはつながりにくいもの。

そこで今回は、対人力向上のきっかけを作るために敢えてとりたい行動を紹介します。

対人力向上が仕事を楽しくさせる

対人力はプライベートでの人間関係だけでなく、仕事を楽しく続ける、自分の能力発揮に集中できる環境を作るためにも必須です。

会社を辞めたい理由の上位に必ず人間関係の悩みが上がることからも、対人力向上が仕事へいい影響を与えることは間違いないでしょう。

業務上の知識やスキルを磨くだけでなく、対人力向上を心がけることも大切なことです。

転職においても同様です。

人間関係が原因で仕事を辞めた人が同じ轍を踏まないためにも、転職活動をすると同時に対人力向上に取り組むべきなのです。

1.友達の友達を連れてきてもらう

知らない人と接する機会を増やしたいと思っても、1人で見ず知らずの人が集まる場所へ飛び込むのは怖いという方は、まずは取り組みやすい方法から始めましょう。

友達との集まりに、その友達を連れてきてもらうのが1つのいい例です。

友達という慣れ親しんだ人が同席することで、「知らない人と会う」ことへのハードルが下がり、ほんの少しの勇気をもつことができます。

自分が信頼している友達の友達であれば、それなりに相性が合う可能性も高く、初対面の相手としてはさほど難しくないでしょう。

仕事の人脈作りにもつながり対人力も鍛えられる一石二鳥な方法です。

2.習い事に挑戦する

人と話すのが苦手という人でも、自分の好きなことならスムーズに話せるという人は多いもの。

そこで、習い事を通じて対人力をアップさせてはいかがでしょうか。

趣味のスクールや団体に所属することで、仕事関係では会うことがなかった世界の人とも出会えるチャンスが広がります。

その代わり、同じ趣味という共通点があるため、コミュニケーションが取りやすいという利点があります。

3.親戚の集まりに積極的に顔をだす

血のつながりがあるとは言え、親兄弟のようなごく身近な間柄とまではいかないのが親戚です。

まるで会社組織の派閥争いのように、序列があったり、立場の違いをことさら強調してくる親戚もいるでしょう。

その意味では、仕事上で役に立つ対人力を鍛えるにはうってつけの場になります。

誰かの顔色をうかがう、協調性を養うといった点が、職場に通ずるものがあります。

親戚づきあいを面倒に感じていた人には気乗りしない方法かもしれませんが、「とはいっても血がつながっているのだから悪い人ではない」という逃げ道があります。

全くの赤の他人が集まる職場での人付き合いを練習するには、適した場所ではないでしょうか。

4.見ず知らずの高齢の人に話しかけてみる

スーパーに買い物に行くとき、バスを待っているとき、高齢の方と隣り合わせになる機会があります。

高齢化社会の日本において、高齢の人を見ないという環境はほぼないでしょう。

対人力を鍛えるために知らない人に話しかけるのは1つのきっかけですが、相手が高齢の方なら話しかけやすいです。

なぜなら、高齢の人は誰かと会話する時間を欲していますし、知らない人に話しかけられて必要以上に警戒するのは主に若い人だからです。

ただし、最近は高齢者を狙った犯罪もあり、相手を怖がらせない配慮は必要です。

目があったらにこやかに挨拶してみる、天気の話など当たり障りのない話にするなど、個人情報などにまで突っ込まないようにしましょう。

高齢の方とのちょっとした関わり合いをもっていくことで、「自分から人に話しかける」行為に抵抗がなくなっていきます。

5.一人旅をする

一人旅は、対人力向上のための積極的な行動になります。

一人でいることは他者との関わりを持たないことではなく、むしろ、持たざるを得ない状況に自分を追い込むことができるからです。

道がわからない、飲食店で注文する、宿泊施設でのチェックインをするなど、さまざまな場面において「相手に話しかける」という行為が付随します。

外で一人でいられるようになるということは、いつ誰とでもコミュニケーションを取ることができるということなのです。

6.社内で苦手な人を敢えて食事に誘う

仕事で役立つより実践的な対人力を鍛えるなら、職場にいる「ちょっと苦手かも。」と思う人と敢えて積極的にコミュニケーションを取ってみることです。

夕飯や飲みに行くのはハードルが高いなら、時間が限られているランチがおすすめですよ。

自分をさらけ出し、相手のいいところを見つけようとする努力が対人力には必要です。

苦手な相手と距離を置くのは簡単ですが、近づいてみることで、恐れていたことが実はなかったと気づく場合もあります。

「2人で話してみたら悪い人ではなかった。」と思うケースは多いでしょう。

自分から誘うことで、相手は「嫌われていない」との認識をもち、関係性向上につながります。

7.転職エージェントを利用する

転職活動をしている人は、対人力の不足が面接に影響することが考えられます。

面接でコミュニケーションがうまく取れないと、不採用が続いてしまう可能性もあるでしょう。

この対策としては、転職エージェントを利用した転職活動をおこなうことです。

転職エージェントは求人紹介や転職サポートをしてくれるサービスのことですが、キャリアコンサルタントという転職のプロとの面談があるのがポイントです。

赤の他人であるキャリアコンサルタントと話をすることで、対人力と転職活動ノウハウが同時に得られるのがメリットです。

最後に

いかがでしたか?今回は、対人力向上のきっかけを作るために敢えてとりたい行動を紹介しました。

ハードルが低めのものからスタートし、徐々に少し勇気がいるもの、実践的なものににもチャレンジしていくのがおすすめです。

さまざまな場面で人との関わりを持つことで、対人力向上に役立つでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。