退職とは、定年退職を除けば、一般的にはいいイメージは持たれにくいものです。
しかし、転職面接ではこの退職理由について必ず聞かれます。
ただでさえイメージが良くない退職という事実を、どのようにポジティブな言い方に変え、前向きな印象を持たれるように伝えていけばいいのでしょうか。
そこで今回は、転職面接において退職理由をポジティブに伝える方法を紹介します。
目次
なぜ退職理由を伝えなくてはならないの?
そもそも、企業が退職理由を聞く理由は何でしょうか。
その意図を知っておくと、何を伝えるべきで、何を伝えるべきではないかが分かります。
退職理由を聞く意図は下記の点が考えられます。
- 採用してもすぐに辞めてしまわないか
- 他責的な人物ではないか
- 職場の人とうまくやっていけるだろうか
- ストレス耐性や企業への適性があるか
いずれも、企業にとっての不安要素ですから、それを排除するという意識で退職理由を考えていきましょう。
もっと簡単に言うと、「面接官を安心させるつもり」で考えてみるといいですね。
姿勢、表情、声のトーンにも気をつける
まったく同じ内容のことを話しているのでも、姿勢や表情、声のトーンなどによって相手に与える印象は大きく異なります。
下を向き暗い表情で、どんよりしながら話すのと、前を向いてにこやかに、明るい声で話すのとでは全然違いますよね。
面接官が退職理由を聞くときは、この「印象」に大きく左右されます。
暗い印象を与えれば、「一緒に働いても愚痴が多そう」というイメージになり、明るい印象で終われば「大変なことがあっても、一緒に楽しく働けそう」というイメージにつながります。
話し方一つで大きく変わる印象ですから、面接のときはぜひ意識してみましょう。
志望動機とつなげて前向きな理由で締める
退職理由は、志望動機につながるものでなくてはなりません。
志望動機は、転職先で何をやりたいのかといった前向きなもの。
そこにつながるよう意識すると、自然と退職理由が前向きなものとなっていきます。
退職理由がどうしても上手くまとまらない人は、まずは志望動機を設定しましょう。
志望動機を整理してから退職理由を考えるようにすると、「応募先では〇〇ができる、だから辞めるのだ。」と連動性ができます。
「本当はこうしたかった」を見つけること
「ポジティブな退職理由を伝えるべき」とはよく言われることですが、実際問題として、前職への不満が何もない状態で辞めた人は多くないでしょう。
人間関係、給与や仕事内容への不満など、何かしらの原因があるはずです。
この場合は、不満の中にあった「本当はこうしたかった」を見つけることが大切です。
職場に嫌な人がいたとしても、その人がいることで邪魔をされ、自分のやりたい仕事ができなかったのなら、その「やりたい仕事」こそが前向きな退職理由です。
「本当はこうしたかった」という自分の素直な声に耳を傾けてみると、不満をきっかけに辞めたとしても、ポジティブな退職理由が見えてくるでしょう。
前職の批判や不満は言わないこと
ポジティブな退職理由を述べるには、ネガティブな要素を排除することが大切です。
まずは、前職批判や不満につながること。
「前職では〇〇させられた」「評価制度がない会社だった」など、思っていても言わないようにしましょう。
「パワハラ」「ブラック」などの言葉は、それだけで前職批判と捉えられる地雷ワードです。
前職で起きたことが真実だったとしても、それは応募先には関係のないことですし、不平不満が多い人だと思われる可能性が高いです。
何より、批判や不満の言葉がもつ負のイメージはすさまじいものがあります。
悪印象を与えることになりますから、気をつけましょう。
「どこに行っても起こり得ること」はNG
人間関係やその職種の人が必ず経験するようなことは、「当社でもあり得る話」だと思われます。
どこに行っても起こり得る理由で辞めた人は、同じ理由で辞める可能性が高い人です。
退職理由を精査する際、それは応募先では発生しない理由かどうかを確認しましょう。
「残業が多い」は応募先企業の内情を確認すること
残業が多いかどうかは、職場の感覚ごとに大きく異なります。
ある職場では毎日2時間ある残業で「多い」と感じる人が多数派でも、別の職場では「残業を2時間に抑えられればラッキーだよね。」と、本気で言い合う人たちが集まることもあります。
どのくらいの残業時間が、応募先にとっての「残業が多い」かはわかりませんので、まずは応募先の残業時間を調べておきましょう。
転職口コミサイトを利用するほか、転職エージェントを経由した応募であれば、事前に確認することが可能です。
残業時間を調べたうえで、残業の多さを直接的な退職理由には挙げないのが賢明です。
どうしても、仕事への意欲の低さや、いざというときに残業対応が難しいのはないかといった点が懸念されます。
給与や条件面を主な理由にするのは避ける
給与や福利厚生などの条件面は、誰にとっても気になる要素。
それを理由に辞めた人もいるでしょう。
もちろん、給与を目的として働くこと自体は悪いことではありません。
家族を養うため、給与だけは絶対に譲れないということがあるでしょう。
しかし、給与や福利厚生は、企業にとっては、はあくまでも貢献した人に与えられる対価であり、知りたいのは「何ができる人か」という点。
条件面を理由に辞めたということで、仕事自体への意欲が疑われる可能性があります。
ポジティブな退職理由は転職エージェントに相談しよう
退職理由をいかにポジティブに伝えるかは、多くの応募者によってつまづきやすいポイントです。
もともとあるマイナス要素を、上手にポジティブ変換させることが難しいからです。
こうした転職活動中につまづきがちなポイントは、一人で悶々と考えていても前に進みません。
転職支援のプロである転職エージェントに相談し、適切なアドバイスをもらうようにしましょう。
退職理由はほとんどの企業で聞かれる鉄板の質問で、避けて通ることはできないもの。
ならば、いかに良い印象を与えられる理由を考える方が建設的です。
転職エージェントの利用は無料なので、上手に活用していきましょう。