近年、転職市場が盛り上がっています。
「いつかは転職を。」と考えていた人も、今がチャンスと動き出しているのではないでしょうか。
しかし、転職活動を本格的に始める前に、まずは転職市場における自身の価値を知っておく必要があります。
市場価値を知らずに転職活動を始めてしまうと、後悔するかもしれませんよ。
そこで今回は、転職市場での価値を知るべき理由と注意点、価値を知る方法を紹介します。
目次
転職市場での価値を知っておく必要性
転職市場での価値なんて調べるより、好機を逃さないよう、とにかく早めに動き出すことが大切だと感じるかもしれませんね。
なぜ市場価値を知ってから活動する必要があるのでしょうか。
「結局前の会社の方が良かった」を避けるため
転職市場での価値を知らずに転職した場合、「思っていたより給与が良くなかった。」「この仕事ぶりなら前の会社で評価してもらえたのに。」など、前職より条件や評価が下がることがあります。
想定とは異なるため、生活水準やキャリアの計画が崩れてしまうのですね。
いくら転職できても、全体的な満足感が下がるのでは、転職は成功したと言えないでしょう。
年収交渉での失敗リスクを抑えることができる
面接終盤でおこなわれる年収交渉では、自身の市場価値を知らずに失敗する人が多くいます。
たとえば、年収500万円を求めたとしても、応募者の価値に値しない基準だった場合、「この人は自分を客観的に見れていない。」と企業に思われてしまうでしょう。
自分の経験やスキルの場合にどの程度の年収がもらえるのかをしっかり知った上で、適正な交渉をする。
これが非常に大切なのです。
転職市場での価値を高める努力ができる
転職活動を始める前に市場価値を確認し「今の状態だとまだ価値が低い。」と判断したとしましょう。
それはそれで成功なのです。
なぜなら、低い自分の価値を高める必要があるとわかったからです。
価値が高いと勘違いしていれば高める努力はできませんが、低いなら高めるための工夫を考えることができます。
価値を高めた状態を見計らって転職すれば、年収アップも叶うでしょう。
自分の価値を判断するときにありがちな失敗
転職市場での価値を判断するときは客観性が必要です。
自分で勝手に「このくらいはあるだろう」と思わないようにしましょう。
ここでは、市場価値を判断するときのありがちな失敗を紹介します。
今の会社と転職市場を一緒にする
自分が今働いている会社と、転職市場は全くの別ものです。
今の会社ではそれなりに評価されていた人が、自信満々で転職活動した場合に、あっという間に心が折れてしまうことがあります。
もちろん、今の会社で評価されている人が、転職市場においても高い価値をもっていたということはあります。
しかし、必ずしもイコールではない。
たとえば、今の会社で評価されていた理由には下記のようなケースも考えられます。
- 上司や同僚たちとの相性がたまたま良かった
- 社員のレベルがそこまで高くなかったため自分はまだ「マシ」だった
- 辞めた先輩から引き継いだ客が上顧客だった
- 学歴を評価してくれる社風だった
- ブランド力のある会社だったため契約が取れていた
企業ごとに、人間関係や社員の質、社風や評価制度も異なるため、今の会社での評価が転職市場と直結しないというわけです。
景気がよくて採用基準が緩くなると自分もすごいと思ってしまう
日本経済全体が好景気だと、事業拡大や新規立ち上げに伴い、どんどん人を採用するようになります。
この時期は企業もとにかく人が欲しいため、採用基準も緩くなりがち。
チャンスが広がるいい時期ではあるのですが、転職活動中に「自分は価値が高い」と勘違いする人も続出します。
こういう人は、転職自体はできるのですが、将来的に見て「使えないベテラン」「ぶら下がり社員」などと呼ばれる可能性があります。
日本経済が絶頂のときに苦労なく就職した人たちが、現在企業でリストラの対象になりやすいと言われていますよね。
それと同じことは、将来的に自分の身に降りかかる可能性があるということです。
転職市場での価値を知るにはどうすべき?
自分の価値を見誤らずに、客観的に知るにはどうすればいいのでしょうか。
ここからは、転職市場での価値を知る方法を紹介します。
転職サイトなどに登録して年収診断を受ける
転職サイトや転職エージェントには、経験年数やスキルなどを入力することで、今の転職市場でどのくらいの年収がもらえるか診断できるサービスがあります。
登録するだけで無料利用できることがほとんどなので、試しにやってみるのもいいでしょう。
年収は市場価値をわかりやすく判断するための1つの目安になります。
ヘッドハンティングサービスに登録してみる
あらかじめ職務経歴書を登録しておくことで、ヘッドハンターや企業からオファーを受け取ることができるサービスです。
こうしたサービスでは、そもそもヘッドハンティングされる基準に達していない人は、登録を断れることが多くなります。
少なくとも、サービス内で扱っている求人の年収やポジションを得るだけの価値がないということがわかります。
また、何とか登録できたとしても、実際にオファーが無い、少ない場合。
こちらも、ヘッドハンターや企業から見ると魅力が少ない人材だと知ることができるでしょう。
反対に、次々とオファーが舞い込んでくる方は、市場価値が高い人。
ヘッドハンティングの場合は、通常の転職活動で入社するより条件提示が高めのことが多いため、じっくり吟味して、納得のいく転職が叶いやすくなります。
転職エージェントを利用して価値を聞いてみる
応募から内定までの転職サポートをおこなってくれる転職エージェントも、利用することで自身の価値が客観的に判断できます。
転職支援のプロであるコンサルタントが転職市場の状況をよく理解しているため、求職者の価値がどの程度なのかを適切に判断してくれるのです。
自分に自信がなかった人でも、エージェントから見れば非常に価値が高いということもあります。
紹介してくれた求人が、市場価値に見合ったものになっているため、企業とのマッチングが成立しやすく内定確率も高くなります。
エージェントの利用を通じて、今の自分がどの程度の価値があるのかをしっかり見極めましょう。