企業の教育、研修スタイルとしてはOJT(On-the-Job Training)が一般的ですが、新人教育を担当する側の悩みは尽きません。

中には新人教育を担当することがストレスになり、会社を辞めたいとまで感じる人も。

新人より立場的に上であるにもかかわらず、なぜストレスを感じてしまうのでしょうか。

今回は、職場における新人教育担当者の悩みと解決策を紹介します。

新人教育はなぜ疲れるの?新人教育の悩みを紹介


「新人教育に疲れた…。」

社会人経験がある人なら、一度は思ったことがある人も多いはず。

若くて可愛い後輩たちを指導するのに、なぜ教育担当者たちは疲れてしまうのでしょうか。

まずは、教育担当者たちの悩みを紹介します。

世代ごとの考え方の違い

新人教育を担当する社員は、「新人と年齢が近い入社2~3年の社員」か「経験を積んだ30代中堅社員」が主流です。

前者の場合は新人の考え方が理解しやすいことがありますが、後者の場合は世代間ギャップに悩むことになります。

特に30代以上になると社会人としての自覚は強いものがあり、新人との意識レベルの差が大きいでしょう。

自分の新人時代と比べても、意識が低いと感じることもあるはず。

時代によって当たり前が異なるため、「根本的に通じない」ことが起こります。

これが、疲れやストレスの原因になるのです。

パワハラが浸透し過ぎて厳しくできない

今や誰もが知る「パワハラ」という言葉。

実態としてはあるものの、言葉だけが独り歩きしてしまった印象も否めません。

単なる指導でも「これってパワハラ?」と気になり、教育担当が委縮するケースをよく目にするようになりました。

真面目に研修を受けない、決められた提出物を出さないなど、明らかに新人が悪くてもなかなか言えないことも。

それなのに上司からは「指導力がない」と指摘されるなど、教育担当者としてはフラストレーションが溜まる一方なのです。

自分の仕事もあるため負担でしかない

大企業のように、きっちりと業務分担がなされている、人員の余裕もある場合は、新人教育担当としての業務に専念することができます。

しかし、ほとんとの企業では、自身がもつ通常業務にプラスして教育を任されているため、単純に仕事量が増えることになります。

日中は教育をおこなうため、定時後に自分の仕事に取りかかり、帰りが遅くなることもあるでしょう。

多くの教育担当者にとっては、新人教育は「負担の加算」なのです。

新人を育てても評価の対象にならない

部下が成果を挙げた場合、上司にとっては評価の対象になります。

それは、職場全体としての実績が経営陣にとっての関心事項だからです。

新人教育の場合はどうでしょうか。

新人が立派に成長したとしても、教育担当者が「よくやった!」と褒められることは少ないです。

それどころか、早期の一人立ちを促すことはいわば当たり前なので、新人がミスすれば怒られるだけ。

マイナスポイントにはなってもプラスの評価は受けにくいのです。

頑張って指導しても評価されず、労働時間だけが増えていくとしたら、心身共に疲れてしまうでしょう。

教育方針が曖昧なのでどう指導すればいいのかわからない

新人教育担当者の話を聞くと、「指導を丸投げされた」「教育方針を知らされていない」との悩みをよく言います。

上司としては、「担当者の思うようにやってほしい」「指導方針を考えることも自身の成長になる」といった意図があるのかもしれませんが、なかなか伝わりません。

ただただ面倒なことを押し付けられたと感じてしまう人は非常に多いのです。

上司への不満が募り、イライラの中新人指導にあたるため、精神的に疲れてくるのです。

新人教育に疲れたときの対処法


新人教育に疲れ果ててしまったらどうすればいいのでしょうか。

ここからは、気持ちが楽になる考え方や対処法を紹介します。

新人教育を担当することはメリットもあると考える

「自分ばかりが損している」と考えると辛くなります。

新人教育を担当することにはメリットもあるのだと考えてみましょう。

たとえば下記のメリットがあります。

こじつけでもいいので、何か自分が得をするポイントがないか考えてみると楽になりますよ。

  • 教えることで知識やスキルが定着する
  • 面倒なことを担当してくれたと周囲から感謝される
  • 育った新人が数年後に恩返ししてくれる
  • いつか転職するときに教育担当をした点がアピールできる

新人を誰とも比べないこと

新人教育が疲れるのは、自分の思い通りにならないからです。

自分の思い通りにならないとは、自分の価値観や常識にもとづいて新人が動いてくれないということです。

この場合、新人を誰とも比べないことが大切です。

今の自分や昔の自分とも比べない、周りのデキル新人とも比べない。

誰かと比べることで「当たり前」という基準ができてしまい、それを満たせないとイライラします。

その人にはその人なりの能力や魅力があるのだと思いましょう。

悪いところより良いところを見つける努力をすると楽しくなる

教師や子育てのやりがいとは何だと思いますか?

教師や子育て中の方に話を聞くと、多くの方が「子供たちの成長を感じられる喜び」と言います。

これを、新人教育にも当てはめてみましょう。

新人さんたちが少しでも成長できたと思えたら、辛い新人教育も頑張れるはず。

そのためには、悪いところを指摘するだけでなく、良いところを見つけようとする視点をもつのです。

「この新人さんはどんな良い点があるのだろう、あ、あった!」と探して見つけてみると、案外楽しいものですよ。

新人教育が辛くて仕方ないなら転職も手

新人教育担当は正直大変です。

職場によっては、面倒を理由に、本当に押し付けられてしまったこともあるでしょう。

辛くて仕方がない、会社に行きたくないとまで感じるなら転職も手。

自分の精神をすり減らしてまで新人教育を担当することはありません。

転職エージェントを利用すれば、在籍しながら転職先を決めることが可能です。

希望の求人を探してきてくれるため求人検索の手間がありませんし、面接の日程調整や給与交渉も代わりにおこなってくれます。

もう十分今の職場で頑張ったのですから、転職も視野に入れて動き出してみましょう。