「会社を辞めたい」と思い始めると、今の会社の嫌なことばかりが目に入るようになり、転職を希望する気持ちが止まらなくなるでしょう。

ただ、転職にはリスクもつきものですから冷静に判断すべき。

会社を辞めたいと思った今だからこそ、「そもそも今の会社に残るとどんなメリットがあるのか。」についても、じっくり考えてほしいのです。

転職したい気持ちと会社に残るメリット、両者を天秤にかけたうえで決めた転職なら、自分の選択に後悔もなく、転職理由も明らかなので成功しやすいというもの。

無謀な転職にトライするのではなく、今の会社に残るメリットがもうないと判断できるのかをぜひ見極めてください。

そこで今回は、辞めたい理由別に会社に残ることのメリットを紹介します。

ルーチンワークで退屈な人

毎日のルーチンワークが退屈、仕事がつまらないといった理由で転職を考える人は大勢います。

転職してどうしてもやりたいことがあるなら別ですが、そうでない場合は会社に残るメリットを前向きに考えてみましょう。

退屈だと感じているのは、反対に、仕事に慣れてミスなくスムーズにできている証拠とも言えます。

これだけのストレス社会において、時間やノルマに追われず仕事ができるのは大きなメリット。

また、暇すぎて力が有り余っているなら、「自分の価値をアップさせる時間と体力がある」ことに目を向けてみましょう。

たとえば、仕事は定時で終わらせて帰ったら、興味がある分野の難関資格にチャレンジすることだって可能です。

仕事が忙しくて大変な人は、日々目の前の業務に追われて自己啓発する余裕などないのです。

今の会社の残ることで、余力が有効活用できるのは大きなメリットでしょう。

きれいなオフィスや都心で働きたい人

ドラマなどの影響もあり、きれいなオフィスや都心で働きたいと感じる人も少なくありません。

転職先選択の際に見落としがちで、意外と後悔の原因になりやすいのは、通勤の利便性。

きれいなオフィスや都心に転職しても、通勤距離が長くなったり、通いにくくて引越しを余儀なくされたなど、不都合が起きるケースもよくあります。

今の会社がそれなりに通いやすく、利便性も高い場所にあるなら、それはとても大きなメリット。

転職先を選ぶときは仕事内容や条件を優先的に見るため、立地を絞るのはなかなか難しいことなのです。

自宅から通いやすい企業で働けているのは実はラッキーなことだと思ってみましょう。

社内に尊敬できる人がいないことを不満に感じている人

上司や先輩に尊敬できる人がいないことへの不満も、転職理由でよく聞かれます。

「いない」に目を向けるなら、「嫌な人がいない事実」も忘れないでください。

上司や先輩を尊敬できなくても、会社に行くのが辛くなるほどのパワハラやイジメもなく、それなりに周囲の人とうまくやれているなら、それもメリット。

メンターやロールモデルが欲しいなら、交友関係を広げて社外に作ればいいのです。

人間関係の悩みはどこに行ってもつきもの。

「人間関係に特段の問題もない状態」は、望んでも手に入らないくらい貴重なことなのです。

やりがいがある仕事に転職したい人

やりがいがある仕事に転職したいのは、前向きな理由である一方で失敗しやすい要素も含んでいます。

自分にとってのやりがいがある仕事が何なのか明確ならいいのですが、単に「やりがい」に憧れを抱いているだけという場合も。

そもそもやりがいは、どんな仕事でも自分の考え方や取り組み方次第で十分に感じることができるものです。

今の仕事にやりがいが感じられないなら、転職先でも何らかの理由でモチベーションが下がっていくかもしれませんよ。

今の会社に残ることで「やりがいは自分で感じるもの」ということが理解できることもメリットです。

希望しない異動が嫌だと感じる人

希望しない部署への異動を命じられたとき、転職の2文字が頭をよぎるでしょう。

このとき考えたいのは異動することのメリット。

異動は複数部署の経験を積み、社内での評価を上げるためのステップでもあるため、出世につなげるチャンスです。

会社を変えることなく、新しい環境に自分が順応できるかを知ることもでき、リスクのない異動とも言えるでしょう。

いつかは転職をと考えている方も、まずは異動を経験しておくと、転職先に豊富な経験をアピールできますし、転職しても順応していけるはずです。

給与や待遇に不満がある人

給与や待遇への不満は転職理由の中でも常に上位ランクインする要素です。

この場合に今の会社に残るメリットは、少しでも長く経験を積むことで転職市場における価値が上がる可能性。

価値が高まった状態で転職した方が、より高い給与の企業で働けるチャンスが広がります。

給与は低いが残業もないという場合、単純に労働時間が短いから当たり前という考え方もあります。

このときは、ネットなどで副業をやってみるのも1つ。

興味がある分野での副業なら、今後のキャリアに活かせたり、独立開業などにつながる可能性もあります。

将来の結婚、出産に不安がある女性

今の会社に女性のロールモデルがいない、育児支援制度自体はあるけど利用している人がいないなど、将来の結婚や出産に不安がある女性もいるでしょう。

この場合は女性の働き方に理解がある会社に転職するのも手ですが、会社に残るメリットがあります。

それは、長くいる会社の方が、周囲からの理解は受けやすいということ。

転職先がいくら女性に優しい会社でも、転職してきたばかりでは育休取得条件も満たさず、周囲からの理解も得られない可能性があります。

タイミングの見極めが難しいですが、まずは今の会社で制度利用できる道を探る方が、負担が少なく子育てできるかもしれません。

何一つメリットがないと分かったら転職するタイミング

会社に残るメリットをよく考えてみて「何一つ残るメリットがない!」と判断したら、まさに転職するタイミングです。

在籍していて一つもメリットがない会社にいる意味はありません。

自分の希望を叶えてくれる会社に転職するため、本格的に動き出しましょう。

転職エージェントを利用すれば在籍しながらでも転職活動が可能。

面倒な日程調整や給与交渉なども代わりにおこなってくれるため、スムーズに活動できるでしょう。