転職先が決まって入社日を待つだけのとき、さまざまな不安が駆け巡るでしょう。

中でも人間関係への不安は誰でもあるもので、厳しい上司からパワハラを受けてしまったらどうしようと感じることもあります。

パワハラは、受けてしまったときの対処法を知っておくことが大切です。

いざというときに適切な行動に移せ、自分への攻撃を回避することができるからです。

まだ起きていないことへの不安を軽減させることもできるでしょう。

そこで今回は、転職先でパワハラを受けてしまったときのために、パワハラ対処法を紹介します。

「あれ?」と思ったら記録をしよう

パワハラは事実確認が難しいため、いかに記録を残しておくかが重要です。

いくら口頭でパワハラを受けたと言っても、証拠がなければ上司の言い分でいかようにも変わってしまうからです。

人間性を否定するような発言を言われたなど、「あれ?今のってパワハラ発言では?」と少しでも感じることがあれば、記録をつけておくと覚えておきましょう。

上司の発言内容や日時、場所、その場にいた人などを記憶が鮮明なうちに整理します。

メールや電話の着信や留守電など、証拠となるものも残しておくようにしましょう。

人事部やコンプライアンス担当に報告するにしても、記録が役に立ちます。

パワハラをされると、怒りや悲しみで感情のコントロールがうまくできなくなり、感情が乱れてうまく伝えることができなければ、適切な対処をしてもらえない可能性があるからです。

記録してあれば、その情報を見ながら話すこともできるため、落ち着いて説明することができるでしょう。

「パワハラを受けたらまずは記録すれば大丈夫。」

そう思っておけば下手に不安を感じ過ぎる必要もありません。

いざというときに頼れるのは職場の同僚たち

パワハラ上司がいる職場では、大抵が他の同僚たちも、嫌な上司の存在にストレスを抱えているはずです。

パワハラを受けてしまったとき、相談したり、一緒に人事部にかけあったりできるのは同僚たち。

複数人の声があれば、人事部やコンプライアンス部も、パワハラ対応に動き出してくれる可能性が高まります。

そのため、日ごろの人間関係はぜひ良好に保っておくように心がけましょう。

転職した先でいつも謙虚で明るく過ごしていれば、いざというときに助けになってくれる人が現れるはずです。

転職活動中にお世話になった人はしっかり覚えておこう

転職活動中にお世話になった人事担当の方は、転職してからもお付き合いがあります。

特にパワハラに関しては、人事部が担当することも多く、せっかくの採用者を離職させないためにも、話を聞いてくれるでしょう。

別に専門部署があったとしても、人事部に聞けば社内のさまざまな部署に精通しています。

転職先でパワハラを受けてしまい、職場の同僚にも相談しにくい状態であれば、顔見知りの人事部の方を頼るのも1つ。

顔と名前をしっかり覚えておき、転職先で何かあったときには相談してみましょう。

労働組合があるかは確認

転職先に労働組合があるかは、転職してすぐにでも確認すべき。

入社式などで説明があることが多いですが、組合があれば話を聞いてみて、入っておくか判断しましょう。

窓口に相談できたり、対処法を教えてくれたりするため心強い存在。

個人では言えないことも、労働組合という団体を通してなら会社に訴えたり交渉したりしてくれます。

企業内に労働組合がなかったとしても、個人で加入できるもの、職種や業界によって結成されているもの、地域にあるものなど、さまざまな種類の労働組合があります。

転職先に労働組合がなければ相談できる相手がいないと思わず、安心しましょう。

自分の感情を伝えることも考えておく

パワハラをしている相手は、自分の言動がパワハラだと気づいていないことも多くあります。

明らかにパワハラだと感じる言動があれば、自分の感情を伝えることも必要に。

敵意をむき出しにするということではなく、自分のミスや弱さも認めたうえで伝えると効果的です。

たとえば「確かに私の注意不足によってミスが起きてしまい、申し訳ないと思っています。ただ、〇〇さんの言葉をパワハラだと感じてしまい、冷静になれなかったのです。」など。

パワハラという言葉をしっかり口にし、相手にパワハラを認識させるようにするのも1つなのです。

パワハラが社会問題になっている現代では、相手に注意を促すことでパワハラを回避することができるでしょう。

仕事に集中することがパワハラ回避の方法

パワハラを含む人間関係への不安は、不安を持ち過ぎることで現実を引き寄せやすいと言えます。

相手がパワハラをしたらどうしよう、相手に嫌われないためにはどうすればいいのか、そんなことを考えているため、自然とパワハラを受けやすい人になるのです。

いつも何でも許してしまうお人よしな人、理不尽なことを言われても反抗しない人、パワハラ加害者にとってこうした人は、パワハラを気軽にできてしまう相手の典型例。

社会人らしく堂々としていて、適切な場所で自分の意見を言える人に対しては、なかなかパワハラをするのは難しいというもの。

仕事にしっかり取り組み、早く仕事ができるようになること。

それこそが、パワハラを受けない自分になるために必要なことだと思っておきましょう。

上司を分析するための方法

どんな職場にも嫌な上司はいますが、自分で上司が選べない以上はうまく付き合っていかなくてはなりません。

そのために必要なのは上司を分析し、相手の地雷を踏まないよう心がけること。

役に立つのは上司と転職先の同僚たちとの会話です。

上司が自分以外の人にどんな話し方をしているか、上司が好むタイプはどんな特徴をもっているのか、上司と同僚たちの会話から分析していきましょう。

パワハラ上司を恐れるだけでなく、自分自身も上司とうまくやっていけるよう努力や工夫をすることも大切なのです。

パワハラはあってはならないこと。再転職だってアリ!

せっかく転職したのに、パワハラがあれば再転職になるかもしれないという不安があるでしょう。

年齢的に再転職は難しいからとか、転職回数が増えることで評価されにくくなるといった理由から、パワハラを我慢してしまう人も少なくありません。

ですが、転職は一生に一度きりと決まっているわけではありません。

辛いなら再転職だっていいのです。

転職エージェントを利用すれば在籍して給与を確保しながら活動できますから、我慢せずに動き出しましょう。