一発勝負の面接では、日頃から培ってきたコミュニケーションスキルが重要な役割を果たします。
プロの面接官相手に、その場しのぎの発言は通用しませんから、ぜひ普段のコミュニケーションに目を向け、希望の企業への転職を成功させるようにしたいですね。
コミュニケーションで大切なのはまず人の話を聞くことが大事と耳にする機会は多いでしょうが、本当に聞けている人は実は少なく、「聞いているようで聞いていない」と思われている可能性もあります。
そこで今回は、「聞いているようで聞いていない」人の特徴を紹介しますので、わが身の振り返りに活用してみてください。
目次
「聞く力」の重要性に皆が気づき始めている
人の話を聞く、いわゆる「聞く力」が優れている人は、コミュニケーションスキルが高いとされ、仕事や転職面接の場でも評価されやすい傾向にあります。
近年は聞く力に関する書籍も増え、セミナーが開催されるなど、聞く力にフォーカスした場面が増えてきているのも証。
書籍やセミナーを取り入れて、積極的に努力している人も増えている様子です。
コミュニケーションの中でも、話すより聞くことの方が重要であることは、多くのビジネスマンが気づき始めていると言えるでしょう。
「偽聞き上手」が蔓延中
一方、「わたしは人の話を聞く方が好き」と自己評価をしている人の中で、他者から「聞いているようで聞いていない」と思われる人も多数います。
本人は聞いているつもりでも、実際は話の内容に耳を傾けているわけではないのです。
たとえば、「この話に何を返したら知的に見られるか。」「こんな相槌を打つ人は感じよく思われるらしい。」など、相手からどう思われるかだけを考えていませんか?
人の話を聞くというより、聞き上手になるためのテクニック的なことを意識する自分に酔っているとも言えます。
もちろん、話す相手の気分を良くするためのテクニックも必要ですが、肝心な話の内容は聞いていなければ意味がありません。
聞いているようで聞いていない人の特徴
自分では聞き上手だと思っているのに、他人からは「話を聞いていない人」と思われていたら恥ずかしいですよね。
「偽聞き上手」にならないために、「聞いているようで聞いていない」と思われる人の特徴を把握しておきましょう。
同じ質問をしてくる
こちらに体を傾け、ウンウンとうなづきながら話を聞いてくれる人。
話している人は一瞬気分がいいですが、後日全く同じ内容の話を、あたかも初めて聞くように質問され、ずっこけてしまうことがあります。
ひどい場合は、その日の会話の中で同じ質問が飛んできます。
自分がこのタイプかどうかを判断するのは簡単。
相手に「それ、前も話したんだけど…。」など、よく皮肉を言われてしまうかどうかです。
言い方が優しかったり、冗談まじりで言う人も多い言葉ですが、完全に皮肉であると理解しましょう。
相手が温厚だから態度にださないだけで、、本当は「聞いてなかったよね。」と不満を持っているのです。
すでに説明したことを聞いてしまうのは、「聞いているようで聞いていない」と思われている典型的なタイプです。
「わたしはね」に方向転換
黙って話を聞いていると思ったら、間髪入れず「わたしはね」と自分の話にすり替えられてしまう。
話し手は「この人は人の話を聞くより自分の話をしたい人なのだな。」と思うことでしょう。
どんなときも自分の話をしたがるこのタイプの人は、相手が話す内容を聞いているのではなく、「どのタイミングで自分の話に切り替えようか。」と狙っているだけ。
ビジネスの場では、下記のような失敗に陥ります。
- 顧客が聞いてもいない商品メリットをベラベラと話し出し契約を逃してしまう
- 自己中心的な人だと思われて職場で浮いてしまう
- 質問者の聞きたいことに注力していないためコミュニケーションにずれが生じる
会話の中で「わたしはね」と主語がいつも自分になってしまう人は、その場での気持ちよさと引き換えに、信頼を失っていると肝に銘じておきましょう。
相槌は打つが体が別への興味を示している
相槌は聞き上手に欠かせない要素ですが、相槌さえ打てば聞き上手になるわけではありません。
たとえば、興味を持っているような相槌を打っているのに、目線が泳いでいる、スマホをいじっている、ボールペンをカチカチとさせているなど。
体が会話への拒否反応を示しているようで、話し手によっては不快に感じることがある態度です。
相槌も大切ですが、それ以上に、意識を相手に集中させましょう。
真剣に聞いていると自然と前のめりになったり、話し手が「ここはたくさん語りたい!」と思うような話題にも「それ、どんなことですか?」と話しを広げる質問ができます。
話の内容ではなく小さな間違いを指摘してくる
文法の問題や言い間違えなどは、公の場所でスピーチするときの練習でもなければ、わざわざ指摘しなくてもいいことがあります。
些細な間違いばかりを指摘している人は、話の内容全体を聞いているのではなく、言葉そのものに注意が向いています。
このような人は、下手をすれば「自分がすごいと思われたいだけ。」と嫌がられますし、転職面接でも同じ過ちを犯します。
面接官の小さな間違いを言い直してイラつかせたり、面接官の質問意図がわからずトンチンカンな回答をしたり…。
人の話を聞くとは、文法の間違いや言葉の選び方を確認する作業ではなく、相手が何を言いたいのかを探ることではないでしょうか。
聞いていないことを自覚している人は相手を傷つけないように
ここまで「聞いているようで聞いていない」人の特徴をご紹介しましたが、敢えてこのような態度を取る人もいますよね。
それは、相手の話がつまらない、話を早く終わらせてほしいといった要望を表現しているケースです。
面と向かって「つまらないから話をやめてくれませんか?」とは言えないため、態度で示しているのです。
この場合は話し手にも問題があるのですが、その態度はときに人を傷つけます。
話を聞く時間がないのなら、「ごめんね、今ちょっと忙しくて。」などと正直に言った方がさっぱりした印象で相手を傷つけません。
会話を始める前に、「今日は15分しか時間がない。」など先手を打っておくことも必要でしょう。
もちろん、自分が話し手で相手が聞いていないと感じたら、「自分の話は相手にとって価値があるものか。」を振り返ることも大切ですね。
本当に聞く力があるかは転職エージェントで確かめよう
本当の聞き上手なのか「偽聞き上手」なのかは、転職支援のプロに確かめてもらいましょう。
転職エージェントでは面接対策を実施してくれますが、「聞いているようで聞いていない」クセがあれば、その場で指摘してくれます。
人の話を聞けずに質問とずれた回答をしてしまうのは、面接官にとってマイナスポイントだからです。
プロのアドバイスを受けることで、自分のコミュニケーションのクセや傾向がわかり、本番の面接に活かすことができるでしょう。
日頃のコミュニケーション力を磨くと同時に、ぜひ活用してみてください。